xedit -
簡単なテキストエディタ
xedit [
-toolkitoption ... ] [
filename ... ]
Xedit
は次に示す4つの領域を持つウィンドウを作る。
- コマンド部
- xedit
の終了、ファイルのセーブ、新しいファイルの編集ウィンドウへ
のロードなどを可能にするコマンドの集合。
- メッセージウィンドウ
- xedit
のメッセージを表示するウィンドウ。このウィンドウは下書き用
のノートとしても利用できる。
- ファイル名表示
- 現在編集しているファイル名を表示する。また、このファイルが
読み書き可能 と
読み込みのみ
のいずれであるかも表示する。
- 編集ウィンドウ
- 編集あるいは作成しているファイルのテキストを表示する。
オプション¶
xedit には X
ツールキットの標準コマンド行オプションを指定することができ
る(
X(7) を参照)。
コマンド行オプションはどんな順序で指定してもよい。
- filename
- 起動時に読み込むファイル(複数可)を指定する。これは編集されるファイルとなる。
ファイルが指定されなければ、
xedit
は起動後にユーザにファイルのロードか、新しいファイルの作成を行わせる。
Athena
ウィジェットセットの
Text
ウィジェットは、このアプリケーション
で入力を行う3つの部分で使われている。
打ち込まれた文字は、入力フォーカスを持っている
Text ウィジェットか、
ポインタカーソルが現在ある
Text
ウィジェットに入力される。
以下のキーストロークの組み合わせが定義されている:
Ctrl-a 行の先頭へ移動 Meta-b 1ワード戻る
Ctrl-b 1文字戻る Meta-f 1ワード進む
Ctrl-d 次の文字を削除 Meta-i ファイル挿入
Ctrl-e 行の末尾へ移動 Meta-k パラグラフの最後まで切り取り
Ctrl-f 1文字進む Meta-q パラグラフ作成
Ctrl-g キーボードのリセット Meta-v 前のページ
Ctrl-h 前の文字を削除 Meta-y 現在のセレクションを挿入
Ctrl-j 改行とインデント Meta-z 1行下へスクロール
Ctrl-k 行の末尾まで切り取り Meta-d 次のワードを削除
Ctrl-l ディスプレイ再描画 Meta-D ワードの切り取り
Ctrl-m 改行 Meta-h 前のワードを削除
Ctrl-n 次の行へ移動 Meta-H 前のワードの切り取り
Ctrl-o 改行とバックアップ Meta-< ファイル先頭へ移動
Ctrl-p 前の行へ移動 Meta-> ファイル末尾へ移動
Ctrl-r ファイル先頭へ向かって検索/置換 Meta-] 前のパラグラフへ移動
Ctrl-s ファイル後方へ向かって検索/置換 Meta-[ 前のパラグラフへ移動
Ctrl-t 文字の入れ換え
Ctrl-u [ number] 4 回または number 回の繰り返し Meta-Delete 前のワードの削除
Ctrl-v 次のページへ移動 Meta-Shift Delete 前のワードの切り取り
Ctrl-w セレクションの切り取り Meta-Backspace 前のワードの削除
Ctrl-y 貼り付け Meta-Shift Backspace 前のワードの切り取り
Ctrl-z 1行上へスクロール Meta-z 1行下へスクロール
Ctrl-_ アンドゥ
加えて、ポインタを使ってカットアンドペーストができる:
Button 1 Down セレクション開始
Button 1 Motion セレクション調整
Button 1 Up セレクション終了(カット)
Button 2 Down 現在のセレクションの挿入(ペースト)
Button 3 Down 現在のセレクションの拡張
Button 3 Motion セレクションの調整
Button 3 Up セレクション終了(カット)
コマンド¶
- Quit
- 現在の編集セッションを終了する。変更がセーブされていなければ、
xedit
は警告メッセージが表示され、ユーザはファイルをセーブすることができる。
- Save
- ファイルのバックアップが有効ならば(以下の「リソース」セクションを参照)、
xedit
は元の編集されていないファイルファイルのコピーを
<prefix> file<suffix>
に格納し、その後に編集ウィンドウの内容で
file
を上書きする。ファイル名は、
Load
ボタンの右にある Text
ウィジェットから直接取得する。
- Load
- このボタンのすぐ右にあるテキストウィジェットが示すファイルをロードし、
これを編集ウィンドウに表示する。
リソース¶
xedit
では以下のリソースが設定可能である:
- enableBackups (Class
EnableBackups)
- 存在するファイルを編集してセーブするとき、変更をセーブする前に
xedit
がそのファイルの元のバージョンを
<prefix> file<suffix>
にコピーす
ることを指定する。このリソースのデフォルト値は
``on'' であり、
バックアップファイルが作成される。
- backupNamePrefix (Class
BackupNamePrefix)
- バックアップのファイル名の先頭に付け加えられる文字列を指定する。デフォ
ルトでは文字は付け加えられない。
- backupNameSuffix (Class
BackupNameSuffix)
- バックアップのファイル名の末尾に付け加えられる文字列を指定する。デフォ
ルトでは ``~''
がサフィックスとして使われる。
positionFormat (Class Format)
カーソル位置の表示に使う書式文字列を指定する。この文字列は
printf(3)
に似た記法を用いる。つまり、
%l
は行番号を表示し、
%c
はカラム番号を表示し、
%p
は挿入位置のオフセットを表示し、
%s
は現在のファイルサイズを表示する。フィールドのサイズを
%-?[0-9]+
という記法で指定することもできる。デフォルトの書式文字列は
``L%l'' で
ある。これは、文字
``L''
の後に行番号を表示する。
- hints (Class Hints)
- bc_label
ウィンドウ内に表示される文字列のリストを指定する。
リストは改行文字で区切られる。
- hintsInterval (Class Interval)
- bc_labl
ウィンドウ内のヒント文字列が変更される時間間隔を秒数で指定する。
- changedBitmap (Class Bitmap)
- 編集されたファイルが変更される時に、fileMenu
に表示される Bitmap の
名前を指定する。
- autoReplace (Class Replace)
- このリソースは綴りの一般的な間違いを自動的に訂正したいときに便利な機能
だが、簡単なマクロを作るのにも使われる。
書式は {non-blanks}{blanks}[{string}]
である。
フィールドは改行文字で区切る。
使用例:
nto not\n\
/長い文字列と \\\n 改行 \\\n
を指定すると、 nto や
/macro
を入力した時に、
nto が not に、 /macro が
長い文字列と
改行
に置き換えられる。
- ispell.dictionaries (Class
ispell.Dictionary)
- ispell
プログラムで利用できる辞書名のリストを指定する。
辞書名は空白文字で区切る。
デフォルト値は "american
americamed+ english" である。
- ispell.dictionary (Class
ispell.Dictionary)
- 使う辞書のデフォルト値を指定する。
- ispell*<DICTIONARY>.wordChars (Class
ispell*Chars)
- 有効な単語の一部になれる文字の集合を指定する。
<DICTIONARY> は、dictionaries
リソースで指定した
辞書のいずれかである。
- ispell.ispellCommand (Class
ispell.CommandLine)
- ispell
プログラムのパスを指定する。引き数を追加指定する場合もある。
``-w'' オプションや ``-a''
オプションを指定する必要はない。
ispell
のオプションに関する詳しい情報については
ispell(1) の
オンラインマニュアルを参照すること。
- ispell.formatting (Class
ispell.TextFormat)
- ファイルのスペルチェックの際に使うテキスト整形の種類を指定する。
指定できる整形は
text と html である。
- ispell*text.skipLines (Class
ispell*text.Skip)
- この文字列に含まれるいずれかの文字で始まる行はスペルチェックの
対象とならない。
このリソースは text
モードだけで使われる。
- ispell.terseMode (Class
ispell.Terse)
- このリソースを有効にすると、ispell
は terse
モードで実行される。
このモードでは、合成語として作った単語(ispell
に ``-C'' オプションを付
けた時)や接辞を消して作った単語に対してはユーザとの対話処理を行わない。
デフォルト値は False
である。
- ispell.lookCommand (Class
ispell.CommandLine)
- 置き換える単語を探すためのプログラムを探すパスを指定する。
引き数を追加指定する場合もある。
デフォルトで使うプログラムは
/usr/bin/egrep である。
- ispell.wordsFile (Class
ispell.Words)
- 置き換える単語を探すためのファイルを探すパスを指定する。
デフォルトのファイルは
/usr/share/dict/words である。
- ispell.guessLabel (Class
ispell.Status)
- ispell
が推測した単語の列を返す時に
ispell
の状態表示バーに表示
する文字列を指定する。
デフォルト値は Guess
である。
- ispell.missLabel (Class
ispell.Status)
- ispell
が綴り間違いのある単語の列を返す時に
ispell の状態表示バーに
表示する文字列を指定する。
デフォルト値は Miss
である。
- ispell.rootLabel (Class
ispell.Status)
- 単語が辞書の中にないが語根から作れる時に
ispell
の状態表示バーに表示
する文字列を指定する。
デフォルト値は Root:
であり、その後に空白を挟んで語根が表示される。
- ispell.noneLabel (Class
ispell.Status)
- それらしい訂正が見つからない時に
ispell の状態表示バーに
表示する文字列を指定する。
デフォルト値は None
である。
- ispell.compoundLabel (Class
ispell.Status)
- チェックした単語が
2
つの単語を繋げて作られている時に
ispell
の状態表示バーに表示する文字列を指定する。
デフォルト値は Compound
である。
- ispell.okLabel (Class
ispell.Status)
- チェックした単語が辞書に含まれている時に
ispell
の状態表示バーに表示
する文字列を指定する。
この文字列は xedit の ispell
インタフェースの
check ボタンを使っ
ている場合にしか表示されない。
デフォルト値は Ok
である。
- ispell.eofLabel (Class
ispell.Status)
- ファイルの末尾に到達した時に
ispell
の状態表示バーに表示する文字列を
指定する。
デフォルト値は End Of
File である。
- ispell.repeatLabel (Class
ispell.Status)
- 全く同じ 2
つの単語が繰り返されている時に
ispell
の状態表示バーに表示
する文字列を指定する。
デフォルト値は Repeat
である。
- ispell.lookLabel (Class
ispell.Status)
- Look
コマンドの結果を表示した後に
ispell
の状態表示バーに表示す
る文字列を指定する。
結果出力がなければ
ispell.noneLabel
リソースの値が表示される。
- ispell.workingLabel (Class
ispell.Status)
- xedit が ispell
と通信している間に
ispell
の状態表示バーに表示する
文字列を指定する。
デフォルト値は ...
である。 ここまで
ウィジェット¶
リソースを指定する際には、
xedit
を構成するウィジェットの階層を知っ
ておくと便利である。以下の説明では、インデントで階層構造を表す。ウィジェッ
トのクラス名が最初に示され、その次のウィジェットのインスタンス名が続く。
Xedit xedit
Paned paned
Paned buttons
Command quit
Command save
Command load
Text filename
Label bc_label
Text messageWindow
Label labelWindow
Text editWindow
環境変数¶
- DISPLAY
- デフォルトのホストとディスプレイ番号を取得する。
- XENVIRONMENT
- RESOURCE_MANAGER
プロパティに格納されているグローバルなリソースを上書
きするリソースファイル名を取得する。
ファイル¶
- <XRoot>/lib/X11/app-defaults/Xedit
- 必要なリソースを指定する。
関連項目¶
X(7),
xrdb(1),
Athena
ウィジェットセット
xedit は Emacs
を置き換えるプログラムではない。
著作権¶
Copyright 1988, Digital Equipment Corporation.
Copyright 1989, X Consortium
Copyright 1998, The XFree86 Project
権利と許可の正式な声明については
X(7) を参照すること。
Chris D. Peterson, MIT X Consortium
Paulo Cesar Pereira de Andrade, The XFree86 Project