UUMKEY(5) | File Formats Manual | UUMKEY(5) |
名称¶
uumkey かな漢字変換フロントエンドプロセッサ(uum(1))キーバインド定義ファイル
形式¶
/usr/local/lib/wnn/ja_JP/uumkey (デフォルト)
機能¶
- uumkey は、日本語入力時のキーの設定ファイルである。 各ユーザが uumkey を設定することで、ユーザ独自のキー操作が可能である。 ´;' あるいは':'で始まる行は、コメントになる。
機能外エントリ¶
- include <uumkeyファイル名>
- 指定されたファイルを基にキーバインド設定を行う。これと、二重に 設定した時には後のものを優先する。 例えば、デフォルトの uumkey の1部だけを変更して使いたい時、 デフォルトの uumkey を include してから異なる部分だけを書けば良い。
- unset <機能エントリ名>
- 指定エントリに対する既設定を取り除く。
機能エントリ設定形式¶
- 機能名 キーコード
[キーコード ....]
キーコードの表記の仕方は、8進、10進、16進数が使用でき C のそれに準じる。 また、コントロールコードについては、次のような略記法が使用できる。
CTRL A ---> ^Ahenkan_off の機能だけは、一つのキーコードに対してしかセット出来ない。その他は、 1つの機能に対してコードを最大10個まで書くことが出来る。 同じ機能を2度セットした場合には後のものが優先される。即ち、1つの機能を複数の キーにバインドする時は、1度に設定しなくてはならない。ただし、同じモードで作動 する複数の機能を同じキーにバインドすることはできない。この条件の元で1つのキー に複数の機能をバインドすることができる。
機能エントリ¶
- uum
には、以下に挙げる10個のモードがある。各機能エントリ名の右にある数字は、
その機能が作用するモード番号を表わしている。モードによって機能が異なる場合は、
モードを表す数字列 : 機能説明として、モードごとの機能を説明している。
0: 変換後の変換結果を修正しているモード
1: 変換前の文字を入力しているモード
2: 変換後に文節の長さを伸ばしたり、縮めたりしているモード
3: バッファーに何も文字が入っていないモード
4: カーソルを動かしながら、何か候補を選択する時のモード(すなわち、 次候補選択や、ユーティリティーモード、登録時の品詞や辞書を選択する時のモード)
5: 単語登録時に、漢字の範囲を設定している時のモード
6: 単語登録時の読み入力や、辞書追加の時の辞書名などの文字列を入力している 時のモード
7: 単語検索のモード
8: 辞書検索のモード
9:インスペクトのモードエントリ名の最後に "_e" が付いたエントリは、"_e" が付いていない同じ名前の エントリと同じ機能がバッファーが空の状態(モード 3)においても作動する。 rubout の働きをするキーの設定は、 uum を起動した tty の erase 文字の設定に従う。
以下に設定できるエントリ名とその機能を説明する。
- henkan_on 0123456789
- 変換モードの on/off を変更する。 変換モード、uum のモードに関わらずバインドされる。
- quote_keyin 0123456789
- 次の入力文字をクオートする。変換モード変更文字も対象になる。 変換モード、uum のモードに関わらずバインドされる。 henkan_on にバインドされたコードを入力するための非常手段として 用意されている。
- send_string 012
- 変換行内の文字列に、この機能がバインドされているコードを付け 加えた文字列を、アプリケーションに送る。
- kakutei 012
- 変換行内の文字列をアプリケーションに送る。
- forward_char 01256
- 156 : 1文字右へ進む。 0 : 1文節右へ進む。 2 : 反転している部分を仮名のままにして、それ以降を連文節変換 して、一つ右の文節に移る。
- backward_char 01256
- 1 : 1文字左へ戻る。だたし、一度変換して途中から解除してあ る状態で、カーソルが解除してある部分の一番左にある状態で この機能が呼ばれると、連文節変換をしてから一つ左の文節に 移る。 56 : 1文字左へ戻る。 0 : 1文節左へ戻る。 2 : 反転している部分を仮名のままにして、それ以降を連文節変換 して、一つ左の文節に移る。
- goto_top_of_line 01256
- 1256 : 行の先頭の文字へとぶ。 0 : 行の先頭の文節へとぶ。
- goto_end_of_line 01256
- 1256 : 行の後端の文字へとぶ。 0 : 行の後端の文節へとぶ。
- delete_char_at_cursor 156
- カーソルの位置の文字消去。
- kaijo 02
- 注目している文節以降の変換された文字列を、変換される前の状態に 戻す。
- henkan 1
- 連文節変換を行う。
- tan_henkan 1
- 小文節1文節として単文節変換を行う。
- tan_henkan_dai 1
- 大文節1文節として単文節変換を行う。
- nobi_henka 2
- 文節の伸ばして縮みをしている時には、反転している部分を小文節とし て単文節変換して、それ以降を連文節変換する。
- nobi_henka_dai 2
- 文節の伸ばして縮みをしている時に、反転している部分を大文節とし て単文節変換して、それ以降を連文節変換する。
- jikouho 0
- 小文節として次候補を出す。
- jikouho_dai 0
- 大文節として次候補を出す。
- zenkouho 0
- 小文節として前候補を出す。
- zenkouho_dai 0
- 大文節として前候補を出す。
- select_jikouho 0
- 小文節として次候補一覧を出す。
- select_jikouho_dai 0
- 大文節として次候補一覧を出す。
- kana_henkan 1
- 漢字かな変換を行なう。
- kill 156
- カーソル以降(カーソル位置を含む)の文字列を消去して、キルバッ ファーに蓄える。
- yank 156
- yank_e 1356
- キルバッファーの内容を、カーソルの位置に挿入する。
- bunsetu_nobasi 02
- 文節の長さを1文字長くする。
- bunsetu_chijime 02
- 文節の長さを1文字短くする。
- jisho_utility 012
- jisho_utility_e 0123
- 辞書関係の操作を行うモードに入る。
- touroku 012
- touroku_e 0123
- 単語登録を行うモードに入る。
- sainyuuryoku 1
- sainyuuryoku_e 13
- 前に入力されたかな文字列に置き換える。
- kuten 156
- kuten_e 1356
- 区点入力を行うモードに入る。
- jis 156
- jis_e 1356
- JISコード入力を行うモードに入る。
- redraw_line 012456789
- redraw_line_e 0123456789
- 変換行の書き直しを行う。
- previous_history 1
- previous_history_e 13
- ヒストリに蓄えられている1つ前の文字列に置き換える。
- next_history 1
- next_history_e 13
- ヒストリに蓄えられている1つ後の文字列に置き換える。
- touroku_mark_set 5
- 登録時に、登録する文字列の始まりの位置及び、終わりの位置を 指定する。なお、終わりの位置を始めの位置と同じ場所で指定し た時(即ち、長さ0で指定した時)は、登録の始まり位置を指定する モードに戻る。
- touroku_return 6
- 登録時の読みなどの文字列を入力している時に、文字列入力の 終わりを示す。
- quit 456789
- 変換文字列を入力したり、変換したりする以外のモードにはいっ ている時、(次候補一覧や、登録など、モード4、5、6、7、8、9) そのモードから抜ける。
- touroku_jump_forward 5
- 登録時に、カーソルを一文節だけ先に飛ばす。
- touroku_jump_backward 5
- 登録時に、カーソルを一文節だけ後ろに飛ばす。
- change_to_insert_mode 0
- 変換された文字列を、もう一度編集できる状態にする。 この後、変換された漢字は、かなには戻せない。
- quote 1
- quote_e 13
- 次の入力文字が、henkan_on 以外の文字なら、それを quote する。 即ち、次の入力文字を、ローマ字かな変換に通さずに、バインド されている機能があってもそれを呼ばずに変換行に入れる。
- forward_select 4789
- 4 : 次候補など候補を選択するモードで、反転部分を右に動かす。 789 : 辞書検索などの時に、1行に入らない場合に、スクロールする。
- backward_select 4789
- 4 : 候補を選択するモードで、反転部分を左に動かす。 789 : 辞書検索などの時に、1行に入らない場合に、逆スクロールする。
- next_select 4789
- 4 : 次候補など候補を選択するモードで、次の画面に移る。 789 : 辞書検索などの時に、次の行に移る。
- previous_select 4789
- 4 : 次候補など候補を選択するモードで、前の画面に移る。 789 : 辞書検索などの時に、前の行に移る。
- linestart_select 4789
- 4 : 次候補など候補を選択するモードで、画面の先頭に移る。 789 : 辞書検索などの時に、一行に入らない場合に最初の画面に移る。
- lineend_select 4789
- 4 : 次候補など候補を選択するモードで、画面の最後に移る。 789 : 辞書検索などの時に、一行に入らない場合に最後の画面に移る。
- select_select 4789
- 4 : 次候補など候補を選択するモードで、どれか候補を選んでその モードから抜ける。 789 : 辞書検索などの時に、どれか候補を選んでそのモードから抜ける。
- send_ascii_char 0123456789
- それ以降バッファが空の時にアスキ文字が入力された時に、それ をバッファに取らないようにする。
- not_send_ascii_char 0123456789
- それ以降バッファが空の時にアスキ文字が入力された時に、それ をバッファに取るようにする。
- pop_send_ascii_char 0123456789
- それ以降バッファが空の時にアスキ文字が入力された時の動作を 前の状態に戻す。
- toggle_send_ascii_char 0123456789
- それ以降バッファが空の時に ascii 文字が入力された時の動作を その時の動作と反対にする。
- quote_send_ascii_char 3
- send_ascii_char モードの時で、バッファが空の時に次の ascii 文字
- をバッファに取る。 それ以降のバッファが空の時にはバッファに取らないようにする。
- reconnect_jserver 012456789
- jserver との再接続を行う。
- inspect 0
- 辞書引きを行う。
- sakujo_kouho 0
- 候補の削除を行う。
- del_entry 78
- 辞書のエントリ,辞書を削除する。
- use_entry 78
- 辞書のエントリ,辞書の使用を中止/再開する。
- hindo_set 7
- 辞書のエントリの頻度を数値で設定する。
- ima_bit 7
- 辞書のエントリの今使ったよビットをON/OFFする。
設定例¶
-
; Commands Codes
forward_char ^F 0x90
jikouho ^N 0x92 ^W 0x9E
;yank ^Y
yank_e ^Y
select_select 32 ^J ^M 0x9E 0x9F
使用上の注意事項¶
- 変換モード OFF
とは一時的に uum
を切り離したのと同じ効果を上げるもので、
ローマ字かな変換オートマトンも同時に切り離される。
コードとして取ることのできる数は、0以上256未満の整数で、表記法については
上に述べた通り。これには、キーボードで発生できるものと、そうでないものと
があるが、発生できるものはそのままコードを書くことができる。
発生できないもの(128以上の整数等)を使用する場合は、キーコード変換
(cvt_key_tbl(4)、あるいはローマ字かな変換オートマトンでそのコードを
発生させる必要がある。
henkan_on エントリに設定するコードには、キーコード変換の出力コードは書けない。
関連項目¶
uum(1), uumrc(5), cvt_key_tbl(5), オートマトン(3)
28 January 1992 |