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SCREEN(1) | General Commands Manual | SCREEN(1) |
名前¶
screen - VT100/ANSI 端末エミュレーション機能を持つ画面管理ソフトウェア書式¶
screen [ -options ] [ cmd [ args ] ]書式¶
screen は、ひとつの物理的な端末を複数のプロセス (特に対話シェル) で共有化できるようにする、フルスクリーンウィンドウ管理ソフトウェアである。 各仮想端末は DEC VT100 端末の機能に加え、ANSI X3.64 (ISO 6429) や ISO 2022 規格に含まれる制御機能 (例えば行の挿入/削除や複数の文字集合のサポート) のいくつかを備えている。 各仮想端末にはスクロールバック用の履歴バッファがある。 またコピー&ペースト機能もあり、ウィンドウ間でテキスト領域をやりとりできる。 screen は呼び出されるとウィンドウを 1 つ生成し、その中でシェル (または指定されたコマンド) を実行する。そしてユーザからは見えなくなり、 ユーザは通常通りにプログラムを実行できるようになる。 その後はいつでも、 新しい (全画面) ウィンドウの生成およびそこでの他のプログラムの実行 (別のシェルも含む)、いまあるウィンドウの削除、 ウィンドウリストの表示、ログ出力の有効化・無効化、 ウィンドウ間でのテキストのコピー&ペースト、 スクロールバック履歴の閲覧、望む通りのウィンドウ切り替え、等ができる。 各々のウィンドウは、 それぞれ自分のプログラムを他からは完全に独立したかたちで動作させる。 ウィンドウが現在見えなくても、あるいは screen セッション全体がユーザの端末から切り離された場合でも、 各プログラムは動作を続ける。プログラムが終了すると、 screen は (デフォルトでは) そのプログラムが動作していたウィンドウを削除する。 このウィンドウがフォアグラウンドにあった場合は、 ひとつ前のウィンドウに表示が切り替わる。 ウィンドウが残っていなかった場合には、 screen は終了する。 ユーザのキー入力はすべて、現在のウィンドウで動作しているプログラムに送られる。 この唯一の例外は、ウィンドウマネージャへ送るコマンドの開始を意味する、 ある 1 つのキーストロークである。デフォルトでは、 各コマンドは Ctrl-a (以降は C-a と省略) で始まり、 その後には別のキーストロークが 1 つ続く。 コマンド文字とすべてのキー割り当ては完全に望みの通りにカスタマイズできる。 ただし長さは必ず 2 文字でなければならない。 screen はプレフィクス "C-" をコントロールキーの意味だとは理解しない。 コマンドへの引数にはキャレット表記 ("C-a" の代わりに "^A") を用いること (例えば escape コマンドや -e オプションへの引数など)。 screen 自身も制御文字の出力にはキャレット表記を用いる。 新しいウィンドウを生成する標準的な方法は、"C-a c" とタイプすることである。 これにより新しいウィンドウが生成されてシェルが実行され、 現在のウィンドウで動作中のプロセスの状態にかかわらず、 ただちにそのウィンドウへ切り替わる。 同様に、あらかじめコマンドをキー操作に割り当てておき (割り当ては .screenrc またはコマンドラインから "C-a :" で行う)、 その後これを "C-a c" のように用いれば、 特定のコマンドが実行される新たなウィンドウを生成できる。 さらに、既存ウィンドウのプロンプトから- screen emacs prog.c
はじめよう¶
他の termcap/terminfo プログラムの場合と同様、 screen を使い始める前には、端末のタイプを正しく選んでいるかを確認すること ( tset プログラム等で確認できる)。 大量の文書を読まずに使い始めたいせっかちな人も、 "C-a ?" コマンドだけは覚えておくように。この 2 文字を入力すると screen で使えるコマンドとキー割り当てのリストが表示される。 それぞれのキー操作については、 『デフォルトのキー割り当て』の節で説明する。 このマニュアルの『カスタマイズ』の節では、.screenrc の内容を扱う。 使っている端末が「本当の」自動マージン端末 (画面をスクロールさせないと画面の末尾のカラムを更新できない) の場合、その端末の termcap には自動マージンが「オフ」であるものを使う方が良い。 これにより、正確かつ最適な画面更新がどんな環境でも保証される。 今日のほとんどの端末は "magic" マージン (自動マージンで、かつ最後のカラムも利用できる) を備えている。 これは VT100 の形式で、 screen にも完璧に適している。「本当の」自動マージン端末しか使えない場合、 screen はこれを受け入れて使用するが、画面の最後のカラムに置かれた文字は、 画面がスクロールするか、 その文字が何らかの方法で安全な位置に移動するまで更新できない。 文字挿入 (insert-character) の機能を持つ端末を使えば、 この遅れを短くすることができる。コマンドラインオプション¶
screen では以下のコマンドラインオプションが使用できる:- -a
- temcap の all 機能の実装に、 ディスプレイ各部の再描画が必要とされる場合であっても、 各ウィンドウの termcap に (一部の例外を除いて) all 機能を含める。
- -A
- すべてのウィンドウの大きさを現在の端末の大きさに合わせる。デフォルトでは screen はサイズ変更が可能な端末 (記述に "WS" があるもの。 例としては suncmd や xterm の一部) へアタッチする際には、 古いウィンドウの大きさを復元しようとする。
- -c file
- 設定ファイルをデフォルトの "$HOME/.screenrc" ではなく file にする。
- -d|-D [pid.tty.host]
- screen を起動せず、他のところで動作している screen のセッションをデタッチする。これは、 screen の制御端末で "C-a d" を入力したときの効果と同じである。 -D は強制デタッチのキーと同じである。 デタッチできるセッションが無いときには、このオプションは無視される。 -r/-R オプションと組み合わせれば、 より強力な機能を実現できる。
- -d -r
- セッションを再アタッチする。必要ならばまずデタッチする。
- -d -R
- セッションを再アタッチする。必要ならばまずデタッチするか、 あるいはセッションを生成する。
- -d -RR
- セッションを再アタッチする。必要ならばまずデタッチするか、 あるいはセッションを生成する。 複数のセッションをアタッチ可能な場合は、最初のセッションを使う。
- -D -r
- セッションを再アタッチする。 必要ならばリモートのデタッチとログアウトを先に行う。
- -D -R
- アタッチを今ここで行う。具体的には、 セッションが走っている場合には再アタッチを行い、 必要ならばまずリモートのデタッチとログアウトを行う。 動作中のセッションがなければ生成してユーザに知らせる。 これは筆者の好みである。
- -D -RR
- アタッチを今ここで行う。詳細はともかく、とにかくこれを使えばよろしい。
- 参考: ときどき "screen -list" を使って、 自分のセッションの状態をチェックすると良いだろう。
- -e xy
- コマンド文字を x にする。またリテラルなコマンド文字を生成する文字を y にする (これをコマンド文字の後に入力する)。 デフォルトは "C-a" と `a' であり、 これらは "-e^Aa" のように指定できる。 screen セッションを生成するとき、 このオプションはデフォルトのコマンド文字を設定する。 マルチユーザセッションでは、追加されたすべてのユーザは、 最初はこのコマンド文字を使うことになる。 しかし、既に動作中のセッションにアタッチする時には、 このオプションはアタッチするユーザのコマンド文字しか変更しない。 このオプションはそれぞれ "defescape" および "escape"と 同じである。
- -f, -fn, -fa
- フロー制御の有効、無効を切り替える。 また「自動切り替えモード (automatic switching mode)」を設定する。 これは .screenrc の "defflow" コマンドを使っても定義できる。
- -h num
- 履歴のスクロールバッファの大きさを最大 num 行に設定する。
- -i
- フロー制御が有効である時に、割り込みキー (通常は C-c) によって即座にディスプレイに割り込みがかかるようにする。 詳しくは .screenrc のコマンドである "defflow" を参照のこと。 このオプションはあまり使わない方が良い。
- -l および -ln
- (/etc/utmp の更新に関する) ログインモードを有効/無効にする。 これは .screenrc のコマンドの "deflogin" でも指定できる。
- -ls および -list
- screen を起動せず、ユーザの screen セッションに対応する pid.tty.host 形式の文字列をリスト表示する。 `detached' と記されているセッションは "screen -r" で再開できる。 `attached' と記されているセッションは動作中であり、 これを制御している端末がある。 セッションがマルチユーザモードで動作している場合は、`multi' と記される。 `unreachable' と記されているセッションは、 別のホストで動作しているか `dead' の状態にある。 unreachable なセッションのうち、名前がローカルホストや 指定したパラメータがあればそれにマッチするものは、 dead であると思われる。 マッチの作りかたの説明は -r フラグの項目を見てほしい。 `dead' とされたセッションは、厳しくチェックしてから削除すべきである。 よくわからない場合はシステム管理者に相談すること。 セッションは -wipe オプションで削除する。
- -L
- ウィンドウの自動出力ログを有効にするよう screen に伝える。
- -m
- screen に $STY 環境変数を無視させる。 "screen -m" とすると、この screen が他の screen セッションから呼び出されたかどうかに関わらず、 新たなセッションの生成が強制される。 このフラグは、`-d' オプションと組み合わせると特別な意味を持つ。
- -d -m
- screen を "detached" モードで起動する。新たなセッションが生成されるが、 そのセッションへアタッチしない。 これはシステムのスタートアップスクリプトで便利である。
- -D -m
- これも screen を "detached" モードで起動するが、 新たなプロセスをフォークしない。 このコマンドは、セッションが終わったら終了する。
- -O
- 完全な VT100 エミュレーションではなく、 使っている端末に対してより最適な出力モードを選択する (`LP' のない自動マージン端末にのみ影響する)。 これは .screenrc の "termcap" コマンドに `OP' を指定することによっても設定できる。
- -p (番号または名前)
- あらかじめウィンドウを選択する。これは特定のウィンドウに アタッチしなおしたいときや、"-X" オプションを用いて 特定のウィンドウにコマンドを送りたいときに便利である。 スクリーン選択コマンドと同じく、"-" を用いると ブランクのウィンドウが選択される。再アタッチの場合においては、 "=" によってブランクのウィンドウにウィンドウのリストが表示される。
- -q
- エラーメッセージを表示しない。"-ls" と同時に用いた場合の返り値は次の通り: 9 はセッションのないディレクトリ、 10 は動作中だがアタッチできないセッションのあるディレクトリ、 11 (またはそれ以上) は 1 (以上) の利用できるセッションのあるディレクトリ。 "-r" と同時に用いた場合の返り値は次の通り: 10 はレジュームできるセッションがない、12 (またはそれ以上) は 2 つ (以上) のレジューム可能なセッションがあり、 どちらかを選ばなければならない。 これ以外の場合には、"-q" には何の効果もない。
- -r [pid.tty.host]
- -r sessionowner/[pid.tty.host]
- デタッチされている screen セッションをレジュームする。他のオプション ("-d"/"-D" と同時に用いる場合を除く) を指定することはできないが、複数の screen セッションがデタッチされている場合は、 それらを区別するために [ pid.]tty.host という余分な プレフィックスが必要かもしれない。 二番目の形式は、マルチユーザモードで動作している他のユーザの screen セッションに接続する場合に用いる。 この場合 screen は、他のユーザのディレクトリで セッション探索ができなければならない。これには setuid-root が必要とされる。
- -R
- デタッチされている screen セッションのうち最初に見つかったものを再開しようと試みる。 成功すれば他のコマンドラインオプションはすべて無視される。 デタッチされているセッションがひとつも無い場合には、 -R が指定されていなかったかのように、 他のオプションを使って新しいセッションを開始する。このオプションは、 screen がログインシェルとして実行される場合にはデフォルトで設定される (実際にはこの場合 screen は "-xRR" を使う)。 -d/-D オプションとの組み合わせについては、 これらのオプションに関する説明の部分を参照すること。
- -s
- デフォルトのシェルとして、環境変数 $SHELL の値 (これが定義されていなければ "/bin/sh") ではなく、 指定されたプログラムを設定する。 これは .screenrc コマンドの "shell" を使っても定義できる。
- -S セッション名
- 新しいセッションを作る際、 このオプションを使えばセッションに意味のある名前を付けることができる。 この名前を使うと、 "screen -list" や "screen -r" の使用時にセッションを識別できる。 これはデフォルトの [ tty.host] サフィックスに置き換わる。
- -t 名前
- デフォルトのシェルまたは指定プログラムに対してタイトル (別名) を設定する。.screenrc コマンド "shelltitle" も参照のこと。
- -U
- UTF-8 モードで screen を動作させる。 このオプションは、ユーザの端末が UTF-8 エンコードされた 文字を理解し、また送信してくることを screen に伝える。 また新規ウィンドウのデフォルトエンコーディングが `utf8' になる。
- -v
- バージョン番号を表示する。
- -wipe [マッチ]
- "screen -ls" とほぼ同じ動作であるが、 破棄されたセッションに `dead' と印を付けるのではなく、これを削除する。 到達できないセッションのうち、 ローカルホストの名前か、パラメータを与えた場合はそれにマッチしたものは、 dead とみなされる。 マッチの作り方については -r フラグの項を参照のこと。
- -x
- デタッチされていない screen セッションへのアタッチを行う (マルチディスプレイモード)。
- -X
- 動作中の screen セッションに特定のコマンドを送る。 -d や -r オプションを用いれば、 アタッチされているセッションやデタッチされているセッション のみを探すよう、screen に伝えることもできる。ただしこのコマンドは、 セッションがパスワードで保護されている場合には動作しないことに注意。
デフォルトのキー割り当て¶
既に説明したように、 screen の各コマンドは "C-a" の後に、もう 1 文字を続けたものである。 ユーザの利便のため、小文字に割り当てられたすべてのコマンドは、 それぞれ対応する制御文字にも割り当てられる (ただし "C-a a" は例外である。これについては後述する)。 したがって、"C-a c" でも "C-a C-c" でもウィンドウを生成できる。 コマンドの説明については 『カスタマイズ』のセクションを参照すること。- 以下の表はデフォルトのキー割り当てである:
- C-a ' (select)
- 切り替え先のウィンドウ名またはウィンドウ番号を問い合わせる。
- C-a " (windowlist -b)
- 選択できるウィンドウのリストを表示する。
- C-a 0 (select 0)
- ... ...
- C-a 9 (select 9)
- C-a - (select -)
- 番号 0 - 9 のウィンドウ、またはブランクウィンドウへ切り替える。
- C-a tab (focus)
- 入力フォーカスを次のリージョンに切り替える。
- C-a C-a (other)
- 直前に表示していたウィンドウにトグルする。 この割り当ては、変更しない限り、 デフォルトではコマンド文字の 2 回の繰り返しである。 例えば、オプション " -e]x" を使うと、 このコマンドは "]C-a" でなく "]]"となる。
- C-a a (meta)
- コマンド文字(C-a)をウィンドウに送る。escape コマンドを参照のこと。
- C-a A (title)
- 現在のウィンドウの名前をユーザに入力させる。
- C-a b
- C-a C-b (break)
- ブレーク信号をウィンドウに送る。
- C-a B (pow_break)
- 端末ラインを再オープンし、ブレーク信号を送る。
- C-a c
- C-a C-c (screen)
- 新しいウィンドウとシェルを生成し、そのウィンドウに切り替える。
- C-a C (clear)
- 画面をクリアする。
- C-a d
- C-a C-d (detach)
- 現在の端末から screen をデタッチする。
- C-a D (pow_detach)
- デタッチとログアウトを行う。
- C-a f
- C-a C-f (flow)
- フロー制御の on, off, auto をトグルする。
- C-a F (fit)
- ウィンドウを現在のリージョの大きさにリサイズする。
- C-a C-g (vbell)
- screen の可視ベルモードをトグルする。
- C-a h (hardcopy)
- 現在のウィンドウのハードコピーをファイル "hardcopy. n" に書き込む。
- C-a H (log)
- 現在のウィンドウのファイル "screenlog. n" へのログ出力を開始/終了する。
- C-a i
- C-a C-i (info)
- 現在のウィンドウに関する情報を表示する。
- C-a k
- C-a C-k (kill)
- 現在のウィンドウを破棄する。
- C-a l
- C-a C-l (redisplay)
- 現在のウィンドウ全体をリフレッシュする。
- C-a L (login)
- このウィンドウのログインスロットをトグルする。 これが可能なのは、 screen が utmp データベースを更新するよう設定されている場合に限られる。
- C-a m
- C-a C-m (lastmsg)
- メッセージ行に表示された直前のメッセージを繰り返す。
- C-a M (monitor)
- 現在のウィンドウの監視をトグルする。
- C-a space
- C-a n
- C-a C-n (next)
- 次のウィンドウに切り替える。
- C-a N (number)
- 現在のウィンドウの番号(とタイトル)を表示する。
- C-a backspace
- C-a h
- C-a p
- C-a C-p (prev)
- 前のウィンドウに切り替える ( C-a n の反対)。
- C-a q
- C-a C-q (xon)
- 現在のウィンドウに Control-q を送る。
- C-a Q (only)
- 現在のリージョンを残して他はすべて消す。
- C-a r
- C-a C-r (wrap)
- 現在のウィンドウの行折り返しに関する設定をトグルする (現在のウィンドウの自動マージンのオン/オフを切り替える)。
- C-a s
- C-a C-s (xoff)
- 現在のウィンドウに Control-s を送る。
- C-a S (split)
- 現在のリージョンを 2 つに分ける。
- C-a t
- C-a C-t (time)
- システム情報を表示する。
- C-a v (version)
- バージョンとコンパイルされた日時を表示する。
- C-a C-v (digraph)
- 二重字 (digraph) を入力する。 (訳注: 二重字とはアクセント記号等が付いた文字のこと)
- C-a w
- C-a C-w (windows)
- ウィンドウのリストを表示する。
- C-a W (width)
- 80/132 カラムをトグルする。
- C-a x
- C-a C-x (lockscreen)
- この端末をロックする。
- C-a X (remove)
- 現在のリージョンを破棄する。
- C-a z
- C-a C-z (suspend)
- screen をサスペンドする。 システムが BSD 形式のジョブ制御をサポートしていなければならない。
- C-a Z (reset)
- 仮想端末を "power-on" の値にリセットする。
- C-a . (dumptermcap)
- ".termcap" ファイルを出力する。
- C-a ? (help)
- キー割り当てを表示する。
- C-a C-\ (quit)
- すべてのウィンドウを破棄し、 screen を終了する。
- C-a : (colon)
- コマンドラインモードに入る。
- C-a [
- C-a C-[
- C-a esc (copy)
- コピー/スクロールバックモードに入る。
- C-a ] (paste .)
- ペーストバッファの内容を現在のウィンドウの標準入力のキューに書き込む。
- C-a {
- C-a } (history)
- 前の (コマンド) 行をコピー&ペーストする。
- C-a > (writebuf)
- ペーストバッファをファイルに書き出す。
- C-a < (readbuf)
- 画面交換ファイルをペーストバッファに読み込む。
- C-a = (removebuf)
- C-a < と C-a > で使ったファイルを削除する。
- C-a , (license)
- screen の由来を表示する。これは screen が来た道であり、あなたが screen を利用できている理由である。
- C-a _ (silence)
- 現在のウィンドウが非アクティブかどうかの監視を開始/停止する。
- C-a * (displays)
- 現在アタッチしているすべての画面のリストを表示する。
カスタマイズ¶
「ソケットディレクトリ」は、デフォルトでは $HOME/.screen または単に /tmp/screens だが、 コンパイル時に選択すれば /var/run/screen にもできる。 screen を setuid-root でインストールする場合、 システム管理者は適切な (NFS マウントではない) ソケットディレクトリを使うよう screen をコンパイルしなければならない。 screen が setuid-root でない状態で動作する場合なら、 ユーザは環境変数 $SCREENDIR を使って、 モード 700 の任意のディレクトリを指定できる。 screen は起動されると、2 つのファイル ("/etc/screenrc" とそのユーザのホームディレクトリの ".screenrc") から初期化コマンドを読み込んで実行する。 これらは「プログラマのデフォルト値」であり、 以下のようにすれば変更できる: システム全体の screenrc として、 screen は環境変数 $SYSSCREENRC を検索する (この変更機能はコンパイル時に無効にできる)。 ユーザ固有の screenrc ファイルは $SCREENRC, $HOME/.screenrc の順で検索される。 コマンドラインオプション -c は、 これらのユーザ用 screenrc ファイルよりも優先される。 これらのファイルに書かれたコマンドは、オプションの設定や キーへの機能の割り当て、 screen セッション開始時の自動的なウィンドウ生成 (複数可) に用いられる。 コマンドは 1 行に 1 つ書かれ、空の行は無視される。コマンドの引き数は タブまたは空白で区切られ、 シングルクォートまたはダブルクォートで括ることができる。 `#' があると、その行の残りの部分はコメントとなる。 ただし `#' がクォートの内部にある場合は除く。 判読できない行には警告が出され、無視される。 コマンドでは環境変数を参照できる。 記法はシェルと同様に "$VAR " または "${VAR}" の形式である。 これは screen の古いバージョンとの非互換性の原因になっており、 現在は変数代入を行わせない場合 '$' は '\' で保護しなければならない。 screen の配布パッケージには、 2 つの設定ファイル、 "etc/screenrc" と "etc/etcscreenrc" とが例として同梱されている。 これらには様々なコマンドの便利な例がたくさん載っている。 カスタマイズは「オンライン」で行うこともできる。 コマンドモードに入るには `C-a :' を入力する。 "def" で始まるコマンドはデフォルト値を変更し、 他のコマンドは現在の設定を変更する。 利用できるコマンドを以降に示す: acladd usernames [crypted-pw]'Activity in window %n' である。 デフォルトではすべてのウィンドウに対して監視はオフになっているが、 "monitor" コマンド(C-a M) で変更できる。 allpartial on|off on にすると、ウィンドウが変化した時に現在のカーソル行だけがリフレッシュされる。 これはすべてのウィンドウに影響し、端末ラインが遅い場合に役に立つ。 各ウィンドウにおける全体/部分リフレッシュの直前の設定は、 "allpartial off" で復元される。 これはグローバルなフラグであり、 即座にすべてのウィンドウに影響を及ぼし、"partial" の設定を変更する。 これ以降に新しく生成されるウィンドウのデフォルトの再描画の動作は、 これによっては変わらない。 altscreen on|off on にすると仮想端末で「別画面 (alternate screen)」のサポートが有効になる。 これは xterm のと同様のものである。初期設定では off になっている。 at [identifier][#|*|%] command [args ... ] 他の画面やウィンドウで (あたかもそこで入力したかのように) コマンドを実行する。 "at" はコマンドのコンテクスト (「現在のウィンドウ」や「現在の画面」の設定) を変更する。 最初のパラメータでコンテクストがひとつに定まらない場合には、 そのコマンドは複数回実行される。最初のパラメータが ` identifier*' の形式ならば、 ユーザ名に対して identifier のマッチを試みる。 指定されたコマンドは、選択されたユーザ (複数可) の画面それぞれにおいて 1 度ずつ実行される。最初のパラメータが ` identifier%' の形式ならば、 画面に対して identifier のマッチを試みる。 画面の名前はアタッチしている tty に基づいて付けられる。 プレフィックス `/dev/' や `/dev/tty' は identifier から省略できる。 identifier に `#' が付いた (あるいは末尾に何も付いていない) 場合は、 ウィンドウ番号とタイトルにマッチする。`*', `%', `#' 文字の前に置く識別子を省略すると、 すべてのユーザ、画面、ウィンドウが選択される。 影響を受ける画面 (複数のこともある) では、 起こったことが短いメッセージで表示される。 "at" コマンドの実行者に対しては権限のチェックが行なわれ、 影響される画面の所有者に対しては行なわれない。'#' 文字の後に空白文字が 置かれるとコメントの開始になるが、これは '\' を前置することでエスケープできる。
- attrcolor b "R"
- attrcolor u "-u b"
- attrcolor b ".I"
- attrcolor i "+b"
'Bell in window %n' "bell_msg" コマンドには空のメッセージを与えることもでき、 その場合メッセージ行の出力はされなくなる (bell_msg "")。 パラメータを与えないと、現在のメッセージが表示される。 bind [-c class] key [command [args]] コマンドをキーに割り当てる。 デフォルトでは、 screen に用意されているほとんどのコマンドは 1 つないし複数のキーに割り当てられており、これらは 『デフォルトのキー割り当て』のセクションに示されている。 例えば新しいウィンドウを生成するコマンドは "C-c" と "c" とに割り当てられている。 "bind" コマンドを用いると、キー割り当てを再定義したり、 新しい割り当てを定義したりできる。 引き数 key には、文字 1 つ、"^x" 形式("C-x" の意味)の 2 文字 からなるシーケンス、バックスラッシュの後に 8 進数を続けたもの (文字の ASCII コードを示す)、バックスラッシュの後に 2 番目の文字を続けたもの ("\^" や "\\" 等) のいずれかを与える。 引き数はクォートしてもよい。 key 以外の引き数が与えられなかった場合は、 以前にこのキーに対して与えられた割り当てが削除される。 command 引き数には、このセクションにリストされている 任意のコマンドを指定できる。 "-c" オプションによってコマンドクラスが指定された場合には、 そのキーは指定されたクラスに割り当てられる。 クラスを有効にするには "command" コマンドを用いる。 コマンドクラスは、コマンドキーを複数使いたいときや、 二文字以上のシーケンスを割り当てたい場合に利用できる。 例をいくつか示す:
bind ' ' windows bind ^k bind k bind K kill bind ^f screen telnet foobar bind \033 screen -ln -t root -h 1000 9 suこれは、まずウィンドウのリスト表示のコマンドをスペースキーに割り当てる (通常は "C-a C-w" で呼び出されるコマンドが "C-a スペース" でも呼び出せるようになる)。 続く 3 行では、デフォルトで kill が割り当てられている "C-a C-k" と "C-a k" の両方を無効にし、 そして "C-a K" を kill コマンドに割り当てている。 次の行は、「ウィンドウを生成してホスト foobar への TELNET 接続を行う」 コマンドを "C-f" に割り当てている。 最後の行は、別名 "root" を持ち、 番号が 9 で、スーパーユーザのシェルを持ち、 スクロールバック用のバッファのサイズが 1000 行であるような、 非ログインウィンドウを生成するコマンドを エスケープキーに割り当てる。
bind -c demo1 0 select 10 bind -c demo1 1 select 11 bind -c demo1 2 select 12 bindkey "^B" command -c demo1"C-b 0" をウィンドウ 10 の選択、"C-b 1" をウィンドウ 11 の選択、 のようにする。
bind -c demo2 0 select 10 bind -c demo2 1 select 11 bind -c demo2 2 select 12 bind - command -c demo2"C-a - 0" をウィンドウ 10 の選択、"C-a - 1" をウィンドウ 11 の選択、 のようにする。 bindkey [-d] [-m] [-a] [[-k|-t] string [ cmd args]] このコマンドは screen の入力変換テーブルを管理する。 テーブルのどれか 1 つに含まれる各エントリは、 特定の文字シーケンスに出会ったときに行うべき応答を screen に指示する。 このようなテーブルは 3 つ存在する。 ユーザがプログラムした動作を含むテーブル、 端末エミュレーションで使われるデフォルトの動作を含むテーブル、 screen のコピーモードでカーソル移動を行うためのテーブル、 である。デフォルトのキー割り当てのリストは、 『入力の変換』のセクションを参照すること。
bindkey -dデフォルトのキー割当をすべて表示する。 アプリケーションモードのエントリには [A] が付く。
bindkey -k k1 select 1"F1" キーでウィンドウ 1 に切り替わるようにする。
bindkey -t foo stuff barfoo"foo" を単語 "barfoo" の省略形とする。 タイムアウトを無効にしてあるので、ユーザがゆっくり入力できる。
bindkey "\024" mapdefaultこのキー割り当ては、"^T" をキー割り当て用のエスケープ文字にする。 先程挙げた "stuff barfoo" の設定がされている場合、 "^Tfoo" とタイプすれば単語 "foo" が入力できる。 "^T" を挿入したい場合には、このキーを 2 回押す必要がある (つまりエスケープの割り当てをエスケープする)。
bindkey -k F1 commandF11 (F1 ではない!) キーにも screen のエスケープ機能 (^A と同じもの) を与える。 break [duration] このウィンドウにブレーク信号を duration*0.25 秒間送る。 非 Posix システムでは送信時間は 1 秒単位に丸められる。 シェルプロセスの場合よりは、 キャラクタ型デバイスがウィンドウにアタッチされている場合に非常に役に立つ (『ウィンドウの種類』の章も参照のこと)。ブレーク信号の最大継続時間は 15 秒に制限されている。 blanker 画面のブランク機能を有効にする。まず最初に画面はクリアされる。 ブランク用のプログラムが定義されていない場合は、カーソルも消える。 定義されている場合はそのプログラムが起動され、出力が画面に書き出される。 画面ブランク機能は、何かのキーが押された段階で終了し、 そのとき読み込んだキー入力は捨てられる。
C-a : bufferfile /etc/passwd C-a < C-a ] C-a : bufferfilec1 [on|off] c1 コードの処理を変更する。"c1 on" を指定すると、 screen は 128 から 159 までの入力文字を制御機能として扱う。 このような 8 ビットコードは、通常は ESC の後に対応する 7 ビットコードを続けたものと同じ意味になる。 デフォルトの設定では c1 コードを処理する。これは "defc1" コマンドで変更できる。 c1 領域に利用可能な文字があるフォントを使っているユーザは、 このオプションを off にするとよい。 caption always|splitonly [string]
h, j, k, l は、 カーソルを上下左右に移動する。
copy_reg [key] もう無い。代わりに "readreg" を使うこと。 crlf [on|off] `C-a [' コマンドを用いたテキスト領域のコピーに影響を与える。 これを `on' に設定すると、各行は 2 文字からなるシーケンス `CR' - `LF' によって分割される。`off' だと `LF' だけが使われる。 debug on|off 実行時デバッグのオン/オフを行う。 screen にオプション -DDEBUG を付けてコンパイルするとデバッグが使えるようになり、 デフォルトでオンになる。このコマンドが影響を与えるのは、 メインの "SCREEN" のプロセスからのデバッグ出力だけである。 アタッチしたプロセスのデバッグ出力は、 一度無効にすると再度有効にすることはできない。 defc1 on|off c1 コマンドとほぼ同じであるが、 新しいウィンドウに対するデフォルト設定を変える点が異なる。 初期設定は `on' である。 defautonuke on|off autonuke コマンドとほぼ同じであるが、 新しいディスプレイに対するデフォルト設定を変える点が異なる。 初期設定は `off' である。 端末のタイプに対する依存性を持たせたい場合は、 特殊な端末機能である `AN' を用いると良い。 defbce on|off bce コマンドとほぼ同じであるが、 新しいディスプレイに対するデフォルト設定を変える点が異なる。 初期設定は `off' である。 defbreaktype [tcsendbreak|TIOCSBRK|TCSBRK] 端末デバイスに対してブレーク信号を生成する方法を、可能なものの中から選ぶ。 tcsendbreak および TIOCSBRK にすることを勧める。三番目の TCSBRK は、ブレークの間 screen セッションを完全にブロックしてしまうが、 長いブレークを発生させるにはこれしかないこともある。 tcsendbreak や TIOCSBRK では、長いブレークの際にスパイクが出てしまう (例えば毎秒 4 回など) ことがある (そうでないこともある)。これはシステムに依存するだけでなく、 シリアルボードドライバによっても異なる。 "defbreaktype" をパラメータ無しで呼ぶと、 現在の設定を表示する。 defcharset [set] charset コマンドと似ているが、 新しいウィンドウに対するデフォルト設定を変える点が異なる。 引き数なしで呼び出された場合には、現在のデフォルト値を表示する。 defescape xy デフォルトのコマンド文字を設定する。 これは "escape" とほぼ同じであるが、 マルチユーザのセッションでしか役に立たない点が異なる。 マルチユーザセッションでは、"escape" は呼び出したユーザのコマンド文字を変更する。 一方 "defescape" は、 これ以後に追加されるユーザのコマンド文字列のデフォルト値を変更する。 defflow on|off|auto [interrupt] flow コマンドとほぼ同じであるが、 新しいウィンドウに対するデフォルト設定を変える点が異なる。 初期設定は `auto' である。 "defflow auto interrupt" と指定すると、 コマンドラインオプションに -fa と -i とを与えた場合と同じになる。 defgr on|off gr コマンドとほぼ同じであるが、 新しいウィンドウに対するデフォルト設定を変える点が異なる。 初期設定は `off' である。 defhstatus [status] 以降作られる新しいウィンドウのハードステータス行を status にする。このコマンドは、すべてのウィンドウのハードステータス行に、 ウィンドウ番号やタイトル等を表示させるのに便利である。 status にはウィンドウメッセージの場合と同様の指定機能が利用できるが、 このエスケープ文字は '%' ではなく '^E' (8 進値で 005) である。 こうなっているのは、プログラムの生成したハードステータス行を、 間違って解釈しないようにするためである。パラメータ status を省略すると、現在のデフォルト文字列が表示される。 デフォルトでは、新しいウィンドウのハードステータス行は空である。 defencoding enc encoding コマンドとほぼ同じであるが、 新しいウィンドウに対するデフォルト設定を変える点が異なる。 初期設定では、エンコーディングは端末から取得する。 deflog on|off log コマンドとほぼ同じであるが、 新しいウィンドウに対するデフォルト設定を変える点が異なる。 初期設定は `off' である。 deflogin on|off login コマンドとほぼ同じであるが、 新しいウィンドウに対するデフォルト設定を変える点が異なる。 配布状態での初期設定は `on' である (config.h.in を見よ)。 defmode mode 新しく割り当てられる仮想 tty のモードを mode に設定する。 mode は 8 進数の値である。 "defmode" コマンドが与えられていない場合は、モード 0622 が使われる。 defmonitor on|off monitor コマンドとほぼ同じであるが、 新しいウィンドウに対するデフォルトの設定を変える点が異なる。 初期設定は `off' である。 defnonblock on|off|numsecs nonblock コマンドとほぼ同じであるが、 新しいウィンドウに対するデフォルトの設定を変える点が異なる。 初期設定は `off' である。 defobuflimit limit obuflimit コマンドとほぼ同じであるが、 新しいディスプレイに対するデフォルト設定を変える点が異なる。 初期設定は 256 バイトである。 端末の種類への依存性を持たせたい場合には、 特殊な端末機能である 'OL' が利用できる。 defscrollback num scrollback コマンドとほぼ同じであるが、 新しいウィンドウに対するデフォルトの設定を変える点が異なる。 初期設定値は 100 である。 defshell command shell コマンドの同義語である。そちらを参照のこと。 defsilence on|off silence コマンドとほぼ同じであるが、 新しいウィンドウに対するデフォルトの設定を変える点が異なる。 初期設定値は `off' である。 defslowpaste msec" slowpaste コマンドとほぼ同じであるが、 新しいウィンドウに対するデフォルトの設定を変える点が異なる。 初期設定値は 0 ミリ秒であり、これは `off' の意味になる。 defutf8 on|off utf8 コマンドとほぼ同じであるが、 新しいウィンドウに対するデフォルトの設定を変える点が異なる。 screen の起動時に "-U" を指定した場合の初期設定値は `on' になり、 それ以外の場合の初期設定値は `off' になる。 defwrap on|off wrap コマンドとほぼ同じであるが、 新しいウィンドウに対するデフォルト設定を変える点が異なる。 初期設定では行の折り返しは有効であり、"wrap" コマンド ("C-a r") や "C-a : wrap on|off" を使うとトグルできる。 defwritelock on|off|auto writelock コマンドとほぼ同じであるが、 新しいウィンドウに対するデフォルト設定を変える点が異なる。 初期状態では、書き込みロックは無効になる。 defzombie [keys] zombie コマンドと同じである。 現在はどちらもデフォルト値を変更する。 zombie コマンドの説明を参照すること。 detach [-h] screen のセッションをデタッチする (セッションを端末から切り離し、バックグラウンドに回す)。 これにより、ユーザは screen を起動したシェルに戻る。デタッチされた screen は、 -r オプションを付けて screen を実行すれば復元できる (『コマンドラインオプション』を参照)。 -h オプションを指定すると、screen は直ちに端末との接続を閉じる ("hangup")。 dinfo screen があなたの端末について想定している内容を表示する。 色付けや文字セット指定が効かない原因を調査したい場合に便利。 displays 現在接続されているユーザのフロントエンド (ディスプレイ) を表にして示す。 これはマルチユーザセッションにおいて特に便利。 digraph [preset] このコマンドはユーザに二重字 (digraph sequence) を入力させる。 この次に入力された 2 文字は、組み込みのテーブルで検索され、 得られた文字が入力ストリームに挿入される。 例えばユーザが 'a"' を入力すると、ウムラウト付きの a が挿入される。 最初に入力された文字が 0 (ゼロ)ならば、 screen はこれに続く文字 (3 文字まで) を文字としてではなく 8 進数の値として扱う。 (省略可能な) 引き数 preset はユーザの入力として扱われるので、 これを利用すると「ウムラウト」キーが作れる。 例えば "bindkey ^K digraph '"'" というコマンドを使うと、 CTRL-K a という入力によってウムラウト付きの a を生成できる。 dumptermcap 現在アクティブなウィンドウに対して最適化された 仮想端末用の termcap エントリを、 ユーザの "$HOME/.screen" ディレクトリ (あるいは screen がソケットを格納している場所のどこか。詳しくは後述の『ファイル』 セクションを参照) に書き出す。 この termcap エントリは、 screen が各ウィンドウに対して設定する環境変数 $TERMCAP の値と同じである。 terminfo ベースのシステムでは、 captoinfo のような変換プログラムを実行し、 tic を使ってそのエントリをコンパイルする必要があるだろう。 echo [-n] message echo コマンドを使うと、「今日のメッセージ」で screen ユーザに嫌がらせができる。通常はシステムグローバルの /etc/screenrc に設定する。 "-n" を使うと行送りを抑制できる。"sleep" も参照すること。 echo は環境変数をオンラインで調べる時にも便利である。 encoding enc [enc] 入出力の解釈方法を screen に伝える。最初の引き数はカレントウィンドウのエンコーディングを設定する。 各ウィンドウは別々のエンコーディングをエミュレートできる。 二番目のパラメータは省略可能であるが、 これを指定すると接続している端末のエンコーディングを上書き設定する。 screen はエンコーディングの検知にロケール設定を利用するので、 これが必要になることは無いはずである。端末のエンコーディングを 端末のタイプによって変更する方法としては、termcap の "KJ" エントリを用いる方法もある。 サポートされているエンコーディングは次の通り: eucJP, SJIS, eucKR, eucCN, Big5, GBK, KOI8-R, CP1251, UTF-8, ISO8859-2, ISO8859-3, ISO8859-4, ISO8859-5, ISO8859-6, ISO8859-7, ISO8859-8, ISO8859-9, ISO8859-10, ISO8859-15, jis "defencoding" も参照のこと。 これは新規ウィンドウに対するデフォルト値を変更する。 escape xy コマンド文字を x に設定し、 ("meta" コマンドを呼んで) リテラルコマンド文字を生成する文字を y に設定する (-e オプションと同様)。 各引き数には、文字 1 つ、 "^x" 形式 ("C-x" の意味) の 2 文字からなるシーケンス、 バックスラッシュの後に 8 進数を続けたもの (その文字の ASCII コードを指定する)、 バックスラッシュの後に 2 番目の文字を続けたもの ("\^" や "\\" など)、のいずれかを指定できる。 デフォルト値は "^Aa" である。 eval command1 [command2 ...] 各引き数をパースして、別々のコマンドとして実行する。 exec [[fdpat] newcommand [args ...]] 実行パス newcommand およびその引き数 (省略可) で指定された unix サブプロセスを現在のウィンドウで実行する。 newcommand と標準入力/標準出力/標準エラー出力の間のデータフロー、 もともとこのウィンドウで開始されたプロセス (これを「アプリケーションプロセス」と呼ぼう)、 screen そのもの (ウィンドウ)、の三つは、 ファイルディスクリプタパターン fdpat で制御する。 このパターンは基本的に 3 つの文字からなるシーケンスで、 newcommand の標準入力、標準出力、標準エラー出力を表す。 ドット (.) はファイルディスクリプタを screen に接続する。 感嘆符 (!) はファイルディスクリプタを既に実行中のプロセスに接続する。 コロン (:) は両方を結合させる。 ユーザ入力は newcommand に送られる。 ただし newcommand が「アプリケーションプロセス」 の出力を受けていたり (fdpats の最初の文字が `!' または `:')、 パイプ (|) が fdpat の最後に (4 番目の文字として) 追加されている場合は別である。
- exec ... /bin/sh
- exec !.. stty 19200
- exec !..| less
- !:sed -n s/.*Error.*/\007/p
bind j focus down bind k focus up bind t focus top bind b focus bottomgr [on|off] GR 文字集合のオン/オフを切り替える。 screen は、8 ビット目が立っている入力文字を見つけると、 必ず GR スロットに格納されている文字集合を使用し、 8 番目のビットを取り除いて文字を出力する。 デフォルトでは ("defgr" も参照) GR 切り替えは処理しない (処理してしまうと ISO8859-1 文字集合が使えないためである)。 hardcopy [-h] [file] 現在表示されている画面イメージを Ifile に書き込む。 ファイル名を指定しないと、デフォルトディレクトリの hardcopy.n というファイルに書き込む ( n はカレントウィンドウの番号)。 ファイルが存在する場合には、追加か上書きのどちらかが行われる。 詳しくは次項を参照。 -h オプションを与えると、 スクロールバックバッファの内容も書き込まれる。 hardcopy_append on|off "on" に設定されていると、 screen はコマンド "C-a h" で生成される "hardcopy.n" ファイルに対して追加書き込みを行う。 "off" の場合には、このファイルは毎回上書きされる。 デフォルト値は `off' である。 hardcopydir directory ハードコピーファイルが置かれるディレクトリを定義する。 設定されていない場合には、ハードコピーは screen のカレントワーキングディレクトリにダンプされる。 hardstatus [on|off]
+flow 自動フローコントロール、現在は on。 -flow 自動フローコントロール、現在は off。 +(+)flow フローコントロール有効。自動コントロールと一致。 -(+)flow フローコントロール無効。自動コントロールとは不一致。 +(-)flow フローコントロール有効。自動コントロールとは不一致。 -(-)flow フローコントロール無効。自動コントロールと一致。現在の折り返しモードも表示される (`+wrap は有効、`-wrap' は無効)。
`ins', `org', `app', `log', `mon', `nored' の各フラグは、 それぞれウィンドウがインサートモード、オリジンモード、 アプリケーションキーパッドモード、出力ログあり、 アクティビティ監視中、部分再描画有効、の状態のときに表示される。 現在有効な文字集合 ( G0, G1, G2, G3 のいずれか) と、 現在 G0 から G3 に指定されている端末の文字集合 (角括弧で括られている) が表示される。 ウィンドウが UTF-8 モードのときは、これらの代わりに "UTF-8" が表示される。 ウィンドウのタイプに応じて、追加モードがステータス行の最下行に表示される (『ウィンドウの種類』の章も見よ)。
C-a : readreg p /etc/passwd C-a : paste predisplay 現在のウィンドウを再描画する。 部分再描画モード時に画面全体を書き直す場合に必要となる。 register [-e encoding] key string 指定された string をレジスタ key に保存する。 ファイルのエンコーディングを -e オプションで screen に知らせることもできる。 "paste" コマンドも参照すること。 remove 現在のリージョンを kill する。リージョンがひとつしかない場合は no-op となる。 removebuf "writebuf" コマンドと "readbuf" コマンドが使う画面交換ファイルを削除 (unlink) する。 reset 仮想端末を "電源投入状態" の値にリセットする。 アプリケーションが設定 (スクロール領域やグラフィック文字集合など) をおかしくした場合に役に立つ。 resize 現在のリージョンのサイズを変更する。 スペースは下方のリージョンから取ったり (に渡したり) するが、 もし余裕がなければ上方のリージョンとやり取りする。
- resize +N 現在のリージョンの高さを N 増やす
- resize -N 現在のリージョンの高さを N 減らす
- resize N 現在のリージョンの高さを N にする
- resize = すべてのウィンドウを同じ高さにする
- resize max 現在のリージョンの高さを最大にする
- resize min 現在のリージョンの高さを最小にする
# example for .screenrc: screen 1 screen -fn -t foobar -L 2 telnet foobar以前のバージョンの screen とは異なり、"screen" コマンドが ".screenrc" ファイルに含まれている時には、余分のデフォルトウィンドウは 生成されない点に注意すること。初期化が終了すると、 screen は .screenrc ファイルで指定した最後のウィンドウに切り替わる。 ウィンドウが指定されていないと、 デフォルトの番号 0 のウィンドウを開く。
- termcap xterm* LP:hs@
- termcap vt* LP
- termcap vt100 "" l0=PF1:l1=PF2:l2=PF3:l3=PF4
- termcap h19|z19 am@:im=\E@:ei=\EO dc=\E[P
メッセージ行¶
screen は情報メッセージや診断メッセージを メッセージ行に表示する。 この行は通常画面の一番下に配置されるが、 コンパイル時の設定で画面の一番上に現れるようにも定義できる。 使っている端末の termcap にステータス行の定義がある場合、 screen はこれをメッセージ表示に用いる。それ以外の場合には、 現在の画面のうち 1 行が一時的に上書きされ、 出力がしばらく中断される。数秒後にこのメッセージ行は自動的に消されるが、 (ステータス行の無い端末では) キー入力を行えばすぐに消すこともできる。 メッセージ行の機能は、 カレントウィンドウで動作中のアプリケーションからも利用できる。 これには ANSI の プライバシーメッセージ (Privacy message) 制御シーケンスを使う。 例えば、シェルから以下のようなコマンドを試してみよ:- echo '<esc>^Hello world from window '$WINDOW'<esc>\\'
ウィンドウの種類¶
screen は 3 種類のウィンドウを提供している。新しいウィンドウは screen の screen コマンドで生成される (『カスタマイズ』の章のエントリも参照)。 どのタイプのウィンドウが生成されるかは、 screen コマンドに与える最初のパラメータによって決まる。 各タイプは、それぞれ基本タイプの特殊ケースである。 これらは screen を 100 以上のウィンドウを扱うコンソールマルチプレクサとして 効率良く利用できるように追加されてきた。- •
- 基本ウィンドウは、シェル (パラメータが与えられない場合のデフォルト) またはシェルから起動される何らかのシステムコマンド (例: slogin など) を内部で実行する。
- •
- tty (キャラクタスペシャルデバイス) の名前 (例えば "/dev/ttya") を最初のパラメータに指定すると、そのウィンドウはこのデバイスに直接接続する。 このウィンドウタイプは "screen cu -l /dev/ttya" と似ている。 指定するデバイスノードには読み書きのアクセス権が必要で、 ノードには排他オープンが試みられ、接続ラインを busy 状態にしようとする。 追加パラメータを与えることもできる。 これはコンマ区切りのフラグの並びで、各フラグの意味は stty(1) のものと同様である:
- <baud_rate>
- 通常は 300, 1200, 9600, 19200 のいずれか。 この指定は送信・受信両方の速度に影響する。
- cs8 または cs7
- 1 バイトあたり 8 ビット (または 7 ビット) を送るよう指定する。
- ixon または -ixon
- データ送信におけるソフトウェアフローコントロール (CTRL-S/CTRL-Q) を有効に (無効に) する。
- ixoff または -ixoff
- データ受信におけるソフトウェアフローコントロールを有効に (無効に) する。
- istrip または -istrip
- 各受信バイトの 8 ビット目を消去 (保持) する。
- •
- 最初のパラメータが
"/telnet" だと、
二番目のパラメータはホスト名とされ、
三番目のパラメータ
(省略可) は TCP
のポート番号を指定することになる
(デフォルトは 10
進数の 23)。 screen
はリモートホストでリッスンしているサーバに接続し、
そのサーバとの通信に
telnet
プロトコルを用いる。
- b
- BINARY。この接続はバイナリモードである。
- e
- ECHO。ローカルエコーは無効になっている。
- c
- SGA。この接続は「キャラクタモード」である (デフォルトは「ラインモード」)。
- t
- TTYPE。この端末タイプはリモートホストからリクエストされた。 screen は、特に指定がなければ端末名 "screen" を送る (`term' コマンドも参照)。
- w
- NAWS。リモートサイトはウィンドウサイズの変更を通知される。
- f
- LFLOW。リモートホストはフロー制御情報を送る (現時点では無視される)。
文字エスケープ¶
screen には、 現在時刻のメッセージやファイル名などの情報を表示するための、 エスケープの仕組みがある。エスケープ文字は '%' であるが、 ひとつだけ例外があり、ウィンドウのハードステータスの内部では これの代わりに '^%' ('^E') を用いる。 以下にサポートされているエスケープの完全なリストを示す:- %
- エスケープ文字自身
- a
- 'am' または 'pm' のどちらか
- A
- 'AM' または 'PM' のどちらか
- c
- 現在の時刻 HH:MM (24h 表記)
- C
- 現在の時刻 HH:MM (12h 表記)
- d
- 月内日
- D
- 曜日
- f
- ウィンドウのフラグ
- F
- ウィンドウにフォーカスがあると %? を真にする
- h
- ウィンドウのハードステータス
- H
- システムのホスト名
- l
- システムの現在の負荷 (load)
- m
- 月 (数値)
- M
- 月 (名前)
- n
- ウィンドウ番号
- s
- 秒
- t
- ウィンドウのタイトル
- u
- このウィンドウを使っている他のユーザすべて
- w
- 全ウィンドウの番号と名前。限定詞 '-' をつけると現在のウィンドウまで、 限定詞 '+' をつけると現在のウィンドウ以降、となる。
- W
- 現在のウィンドウを除く、全ウィンドウの番号と名前
- y
- 年 (下二桁)
- Y
- 年 (全表示)
- ?
- 次の '%?' までの部分が表示される。 ただしその内部の '%' エスケープが空でない文字列に展開される場合に限られる。
- :
- '%?' の else 部
- =
- (TeX の hfill のように) ディスプレイの幅に合わせて文字埋めをする。 数値を指定すると、ウィンドウ幅のそのパーセント分を埋める。 限定詞 '0' をつけると、screen はその数値を絶対位置として扱う。 直前に指定された絶対位置から相対的な文字埋めをするには、 限定詞 '+' を付ける。また相対的な右マージンを文字埋めするには 限定詞 '-' を付ける。文字埋め動作では、 指定位置が現在位置よりも前にあると、文字列を切り捨てて短縮する。 これを変更するには限定詞 'L' を加える。
- <
- '%=' と同様だが、切り捨てのみを行い、スペースによる埋めを行わない。
- >
- 現在のテキスト位置を、次回の文字列短縮用にマークする。 短縮が必要になると、screen はこのマークした位置を 出力領域の指定パーセントの位置に移動することによって、 文字列を短縮しようとする (この領域は、直前の絶対文字埋め位置から文字列短縮演算子で指定した位置まで)。 限定詞 'L' をつけると、screen は切り捨て部を '...' で示すようになる。
- {
- 次の "}" の間にある文字列の属性/色を変更する。
- `
- 'backtick' コマンドの結果を代入する。 ここでは長さ限定詞がコマンドの特定に用いられる (本来は誤用だが)。
- +
- 現在の属性に指定セットを追加する
- -
- 現在の属性から指定セットを削除する
- !
- 現在の属性において、指定セットを反転させる
- =
- 現在の属性を、指定セットに変更する
- d
- 暗くする (dim)
- u
- アンダーライン
- b
- ボールド
- r
- リバース
- s
- 強調 (standout)
- B
- ブリンク
- k
- ブラック
- r
- レッド
- g
- グリーン
- y
- イエロー
- b
- ブルー
- m
- マゼンダ
- c
- シアン
- w
- ホワイト
- d
- デフォルト色
- .
- 色を変更しない
- "G"
- 明るいグリーン
- ボールドのレッド
- 全属性をクリア、イエローの背景にデフォルト色で書く。
- %-Lw%{= BW}%50>%n%f* %t%{-}%+Lw%<
- 現在のウィンドウを中心として、利用できるウィンドウを、 現在の幅に表示できるだけ表示する。 現在のウィンドウはブルーの背景にホワイトで書かれる。 これは "hardstatus alwayslastline" と一緒に使える。
- %?%F%{.R.}%?%3n %t%? [%h]%?
- ウィンドウの番号・タイトル・ハードステータス (設定されている場合)。 また、これがフォーカスされている場合は背景を赤にする。 "caption string" に便利。
フロー制御¶
各ウィンドウにはフロー制御の設定があり、 screen はこれを基に、XON 文字と XOFF 文字 (およびおそらく割り込み文字) の扱い方を決める。フロー制御が無効になっていると、 screen は XON 文字と XOFF 文字を無視する。この場合、ユーザは単に入力するだけで これらの文字を実行中のプログラムに送れる (例えば、 emacs エディタ等ではこの設定が便利である)。 その代わり、"普通"のプログラムからの出力が、 XOFF に応答して一時停止するまでに、より長い時間がかかる。 フロー制御が有効になっていると、XON 文字と XOFF 文字を使って、 現在のウィンドウの出力を即座に停止できる。 この場合でも、XON 文字や XOFF 文字を実行中プログラムへ送信することはできるが、 これにはそれぞれに対応する screen の 2 文字コマンドを使わなければならない (普通は "C-a q" (xon) と "C-a s" (xoff))。 xon/xoff コマンドは、C-s と C-q を横取りしてしまうような端末越しに、 これらの文字を入力する場合にも役立つ。 各ウィンドウはフロー制御に関する初期値を持ち、これは -f オプションまたは .screenrc コマンドの "defflow" で設定できる。 デフォルトでは、各ウィンドウには自動フロー切り替えが設定される。 この値は、"flow" コマンド ("C-a f" に割り当てられている) を用いると、'fixed on', 'fixed off', 'automatic' の 3 つの状態に、 順々にトグルできる。 自動フロー切り替えモードは ("rlogin" のように) TIOCPKT モードを用いてフロー制御を扱う。 tty ドライバが TIOCPKT をサポートしていない場合、 screen はアプリケーションテンキーの現在の状態に基づいて 正しいモードを見つけようとする。 つまり、テンキーがアプリケーションモードならフロー制御無効、およびその逆、 である。もちろん、必要ならば手動でフロー制御を操作することもできる。 フロー制御を有効にしているにもかかわらず、 割り込みキー (通常は C-c) を押してから表示に割り込みがかかるまでに 6-8 行スクロールしてしまうような場合には、"interrupt" オプションを与えて screen を起動してみること (.screenrc で "flow" コマンドに "interrupt" フラグを追加するか、コマンドラインオプションの -i を用いる)。 こうすると、割り込みを受けたプログラムから screen が受け取って蓄積していた出力はフラッシュされるようになる。 これによる不都合は、仮想端末のメモリが非フラッシュ出力を含むことであり、 これによって、まれに出力に多少不正確な部分が現れるかもしれない。 例えば画面の切り替えと復帰を行ったり、 "C-a l" を使って画面の更新を行うと、 "interrupt" をオンにしていなかった場合に得られたはずの出力が得られる。 また、割り込み文字を入力として期待するプログラムを実行する際には、 フロー制御を無効にする (あるいは自動フロー制御を用いてこれを自動的に無効にする) 必要があるかもしれない。なぜなら、フロー制御が有効だと、 仮想端末から物理端末への出力に割り込みがかかることがあり得るからである。 このようになった場合も、"C-a l" を行って画面をリフレッシュしさえすれば、 元に戻るはずである。各モードを試してみて、 一番都合が良いと思ったものを使うとよいだろう。タイトル (ウィンドウの命名)¶
ウィンドウ表示に現れる各ウィンドウの名前 ("windows" コマンド (C-a w) で表示される) は、 title コマンドのどれかを用いればカスタマイズできる。 通常この名前は、そのウィンドウで生成されるプログラムの実際のコマンド名になる。 しかし、同じ名前の複数のプログラムを区別したり、 ウィンドウの現在の状態をその場で名前に反映させたりできれば、 便利な場合もあるだろう。 すべてのシェルウィンドウに対するデフォルト名は .screenrc ファイルの "shelltitle" コマンドで設定できる。 一方、他のウィンドウはすべて "screen" コマンドで生成されるので、 -t オプションを使えば名前を設定できる。 対話的に行うには、タイトル文字列用エスケープシーケンス (<esc>k name<esc>\)と "title" コマンド(C-a A)がある。 前者をアプリケーションから出力させれば、 ソフトウェア制御でウィンドウの名前を変更できる。 後者は名前の入力をユーザに求める。 定義済みの名前を "title" コマンドのキーに割り当てておいて、 入力なしに即座に設定を行わせることもできる。 最後に、 screen にはシェルの場合にのみ使われるヒューリスティックなタイトル指定方法がある。 これを実現するには、ウィンドウの名前を " search|name" に設定し、 プロンプトの一部で空の title エスケープシーケンスが出力されるようにする。 search の部分には「プロンプト末尾」の検索文字列を指定し、 name の部分にはそのウィンドウのデフォルトのシェル名を指定する。 name が `:' で終わる場合、 screen は、そのウィンドウで現在実行中のコマンドと認識しているものを ウィンドウのシェル名の最後に追加する (例えば " name:cmd")。 それ以外の場合には、コマンドの実行中にはそのコマンド名がシェル名を上書きする。 以下にその動作を示す: ユーザはシェルのプロンプトを変更して、 空の title エスケープシーケンス (<esc>k<esc>\) がプロンプトの一部に 出力されるようにしなければならない。プロンプトの末尾は、 タイトルの search 部分に指定した文字列と同じでなければならない。 このようにすると、 screen はタイトルエスケープシーケンスを使って以前のコマンド名をクリアし、 次のコマンドのための準備を行う。 次に、シェルから改行文字を受け取ると、プロンプトの末尾を検索する。 検索にマッチする部分が見つかると、 マッチした文字列の後ろの最初の単語が取り出され、 これがコマンド名として使われる。 コマンド名が '!', '%', '^' のいずれかで始まる場合、 screen は次の行に出てくる最初の単語を (もし見つかれば) いま見つかった名前よりも優先する。 これにより、csh ユーザがジョブ制御や履歴の再呼び出しコマンドを使ったときでも、 まともなコマンド名を取得できる。 以下に .screenrc での指定例をいくつか示す:- screen -t top 2 nice top
shelltitle '> |csh' screen 1このコマンドでは、与えられた shelltitle を持つシェルが起動される。 指定されたタイトルは自動設定タイトルであり、 次のような形のプロンプト+コマンド入力を監視する:
- /usr/joe/src/dir> trn
- bind R screen -t '% |root:' su
% !em emacs file.cここでは、ユーザは csh の履歴コマンド "!em" を入力している。 これは以前に入力した "emacs" コマンドを実行するものである。 このコマンドの実行中には、ウィンドウのステータスには "root:emacs" が表示され、実行の終了時には "root:" だけの表示に戻る。
bind o title bind E title "" bind u title (unknown)最初の割り当てには全く引き数がないので、 ユーザに対してタイトルの問い合わせが行われる("C-a o" を入力した時と同様)。 2 番目の割り当ては現在の自動タイトル設定をクリアする(C-a E)。 3 番目の割り当ては現在のウィンドウのタイトルに "(unknown)" を設定する (C-a u)。 空の title エスケープシーケンスをプロンプトに追加する際に注意すべきなのは、 一部のシェル (csh など) では、 制御文字などもすべてプロンプトの長さに数え入れる点である。 このような表示されない文字の数が 8 の倍数でないと、 バックスペースでタブを消した時の表示がおかしくなる。 これを回避する方法の 1 つは、以下のようなプロンプトを使うことである:
- set prompt='^[[0000m^[k^[\% '
- PROMPT_COMMAND='echo -n -e "\033k\033\134"'
仮想端末¶
screen セッションの各ウィンドウは VT100 端末をエミュートしており、 いくつかの機能も追加されている。 VT100 エミュレータはハードコーディングされており、 他の種類の端末をエミュレートすることはできない。- ESC E
- 次の行
- ESC D
- インデックス
- ESC M
- 逆順のインデックス
- ESC H
- 水平タブセット
- ESC Z
- VT100 識別文字列を送る
- ESC 7 (V)
- カーソルと属性を保存する
- ESC 8 (V)
- カーソルと属性を復元する
- ESC [s (A)
- カーソルと属性を保存する
- ESC [u (A)
- カーソルと属性を復元する
- ESC c
- 初期状態へのリセット
- ESC g
- 可視ベル
- ESC Pn p
- カーソルの可視制御 (97801)
- Pn = 6
- 不可視
- 7
- 可視
- ESC = (V)
- アプリケーションキーパッドモード
- ESC > (V)
- 数値キーパッドモード
- ESC # 8 (V)
- 画面を E で埋める
- ESC \ (A)
- 文字列の終端子
- ESC ^ (A)
- プライベートなメッセージ文字列 (メッセージ行)
- ESC !
- グローバルなメッセージ文字列 (メッセージ行)
- ESC k
- 定義文字列の別名
- ESC P (A)
- デバイス制御文字列。文字列を、解釈せず、直接ホストの端末に出力する。
- ESC _ (A)
- アプリケーションプログラムコマンド (ハードステータス)
- ESC ] 0 ; string ^G (A)
- オペレーティングシステムのコマンド (ハードステータス、xterm のタイトルのハック)
- ESC ] 83 ; cmd ^G (A)
- screen コマンドを実行する。 これは screen にマルチユーザのサポートが組み込まれている場合にのみ動作する。 アクセスコントロールリストのチェックには、疑似ユーザ ":window:" が用いられる。権限を持たず、 必要なコマンドだけを実行できるようなユーザを作るには、 "addacl :window: -rwx #?" を用いること。
- Control-N (A)
- ロックシフト G1 (SO)
- Control-O (A)
- ロックシフト G0 (SI)
- ESC n (A)
- ロックシフト G2
- ESC o (A)
- ロックシフト G3
- ESC N (A)
- シングルシフト G2
- ESC O (A)
- シングルシフト G3
- ESC ( Pcs (A)
- 文字集合として G0 を指定
- ESC ) Pcs (A)
- 文字集合として G1 を指定
- ESC * Pcs (A)
- 文字集合として G2 を指定
- ESC + Pcs (A)
- 文字集合として G3 を指定
- ESC [ Pn ; Pn H
- カーソルの位置の直接指定
- ESC [ Pn ; Pn f
- 同上
- ESC [ Pn J
- ディスプレイの中での削除
- Pn = None か 0
- カーソル位置からスクリーン末尾まで
- 1
- スクリーン先頭からカーソル位置まで
- 2
- スクリーン全体
- ESC [ Pn K
- 行の中での削除
- Pn = None か 0
- カーソル位置から行末まで
- 1
- 行頭からカーソル位置まで
- 2
- 行全体
- ESC [ Pn X
- 文字削除
- ESC [ Pn A
- カーソルを上に移動
- ESC [ Pn B
- カーソルを下に移動
- ESC [ Pn C
- カーソルを右に移動
- ESC [ Pn D
- カーソルを左に移動
- ESC [ Pn E
- カーソルを次の行へ移動
- ESC [ Pn F
- カーソルを前の行へ移動
- ESC [ Pn G
- カーソルを水平位置へ
- ESC [ Pn `
- 同上
- ESC [ Pn d
- カーソルを垂直位置へ
- ESC [ Ps ;...; Ps m
- グラフィックスの解釈を選択
- Ps = None か 0
- デフォルトの解釈を行う
- 1
- ボールド
- 2 (A)
- 薄い色で描画
- 3 (A)
- 強調モード (ANSI ではイタリック表示)
- 4
- アンダーラインを引く
- 5
- ブリンクさせる
- 7
- イメージを反転させる
- 22 (A)
- 通常の明度
- 23 (A)
- 強調 モードをオフにする (ANSI: イタリック化のオフ)
- 24 (A)
- アンダーラインを引かない
- 25 (A)
- ブリンクしない
- 27 (A)
- ポジティブ (反転していない) イメージ
- 30 (A)
- 前景色をブラックにする
- 31 (A)
- 前景色をレッドにする
- 32 (A)
- 前景色をグリーンにする
- 33 (A)
- 前景色をイエローにする
- 34 (A)
- 前景色をブルーにする
- 35 (A)
- 前景色をマゼンダにする
- 36 (A)
- 前景色をシアンにする
- 37 (A)
- 前景色をホワイトにする
- 39 (A)
- 前景色をデフォルト色にする
- 40 (A)
- 背景色をブラックにする
- ...
- 49 (A)
- 背景色をデフォルト色にする
- ESC [ Pn g
- タブクリア
- Pn = None か 0
- 現在位置のタブをクリアする
- 3
- すべてのタブをクリアする
- ESC [ Pn ; Pn r (V)
- スクロール領域を設定する
- ESC [ Pn I (A)
- 水平タブ
- ESC [ Pn Z (A)
- 後方タブ
- ESC [ Pn L (A)
- 行を挿入する
- ESC [ Pn M (A)
- 行を削除する
- ESC [ Pn @ (A)
- 文字を挿入する
- ESC [ Pn P (A)
- 文字を削除する
- ESC [ Pn S
- スクロール領域を上にスクロールする
- ESC [ Pn T
- スクロール領域を下にスクロールする
- ESC [ Pn ^
- 同上
- ESC [ Ps ;...; Ps h
- モード設定
- ESC [ Ps ;...; Ps l
- モード解除
- Ps = 4 (A)
- 挿入モード
- 20 (A)
- 自動ラインフィードモード
- 34
- 通常のカーソル表示
- ?1 (V)
- アプリケーションカーソルキー
- ?3 (V)
- 端末の幅を 132 カラムに変更
- ?5 (V)
- ビデオ反転
- ?6 (V)
- オリジン (origin) モード
- ?7 (V)
- 折り返し (wrap) モード
- ?9
- X10 マウス追跡
- ?25 (V)
- 可視カーソル
- ?47
- 別画面 (古い xterm コード)
- ?1000 (V)
- VT200 マウス追跡
- ?1047
- 別画面 (新しい xterm コード)
- ?1049
- 別画面 (新しい xterm コード)
- ESC [ 5 i (A)
- プリンタへの転送を開始する (ANSI の Media Copy シーケンス)
- ESC [ 4 i (A)
- プリンタへの転送を止める (ANSI の Media Copy シーケンス)
- ESC [ 8 ; Ph ; Pw t
- ウィンドウを `Ph' 行、`Pw' カラムにリサイズする (SunView 用の特別シーケンス)
- ESC [ c
- VT100 識別文字列を送る
- ESC [ x
- 端末パラメータ報告を送る
- ESC [ > c
- VT220 のセカンダリデバイス属性文字列を送る
- ESC [ 6 n
- カーソル位置の報告を送る
入力の変換¶
VT100 のエミュレーションを完全に行うには、 screen はユーザのキー入力によって生成される入力ストリーム中から 文字シーケンスを検出して、 VT100 形式のエスケープシーケンスを挿入しなければならない。 screen では、任意のコマンドを任意の文字シーケンスへ 割り当てることが可能であり、この動作を非常に柔軟に行える。 標準の VT100 エミュレーションの場合、 コマンドは常にウィンドウの入力バッファに文字列を挿入する (コマンド表の stuff コマンドも参照すること)。 キー入力によって生成されるシーケンスは、 異なるタイプの端末から再アタッチした後には変わることもあるので、 キーの termcap 名にコマンドを割り当てることもできるようになっている。 これにより screen は再アタッチの後でも必ず正しい割り当てを挿入できる。 詳しい文法と使用例については bindkey コマンドを参照すること。 以下にデフォルトのキー割り当ての表を示す。(A) はキーボードが アプリケーションモードに切り替えられている場合に 実行されるコマンドであることを示す。キーの名前 termcap 名 コマンド カーソルキー上 ku stuff \033[A stuff \033OA (A) カーソルキー下 kd stuff \033[B stuff \033OB (A) カーソルキー右 kr stuff \033[C stuff \033OC (A) カーソルキー左 kl stuff \033[D stuff \033OD (A) ファンクションキー 0 k0 stuff \033[10~ ファンクションキー 1 k1 stuff \033OP ファンクションキー 2 k2 stuff \033OQ ファンクションキー 3 k3 stuff \033OR ファンクションキー 4 k4 stuff \033OS ファンクションキー 5 k5 stuff \033[15~ ファンクションキー 6 k6 stuff \033[17~ ファンクションキー 7 k7 stuff \033[18~ ファンクションキー 8 k8 stuff \033[19~ ファンクションキー 9 k9 stuff \033[20~ ファンクションキー 10 k; stuff \033[21~ ファンクションキー 11 F1 stuff \033[22~ ファンクションキー 12 F2 stuff \033[23~ Home kh stuff \033[1~ End kH stuff \033[4~ Insert kI stuff \033[2~ Delete kD stuff \033[3~ Page up kP stuff \033[5~ Page down kN stuff \033[6~ テンキー 0 f0 stuff 0 stuff \033Op (A) テンキー 1 f1 stuff 1 stuff \033Oq (A) テンキー 2 f2 stuff 2 stuff \033Or (A) テンキー 3 f3 stuff 3 stuff \033Os (A) テンキー 4 f4 stuff 4 stuff \033Ot (A) テンキー 5 f5 stuff 5 stuff \033Ou (A) テンキー 6 f6 stuff 6 stuff \033Ov (A) テンキー 7 f7 stuff 7 stuff \033Ow (A) テンキー 8 f8 stuff 8 stuff \033Ox (A) テンキー 9 f9 stuff 9 stuff \033Oy (A) テンキー + f+ stuff + stuff \033Ok (A) テンキー - f- stuff - stuff \033Om (A) テンキー * f* stuff * stuff \033Oj (A) テンキー / f/ stuff / stuff \033Oo (A) テンキー = fq stuff = stuff \033OX (A) テンキー . f. stuff . stuff \033On (A) テンキー , f, stuff , stuff \033Ol (A) テンキー Enter fe stuff \015 stuff \033OM (A)
特殊な端末機能¶
以下の表では、 screen は認識するが、 termcap(5) のマニュアルには含まれていない端末機能をすべて示す。 これらの機能は (`/etc/termcap' の) termcap エントリに置いたり、 screenrc ファイルの `termcap', `terminfo', `termcapinfo' コマンドで 使える。これらの機能を terminfo データベースには入れるのは、 不可能な場合が多い。- LP (bool)
- 端末は VT100 形式のマージン (`magic マージン') を持つ。 screen は標準の 'xn' の方を使うようになったので、 この機能は obsolete になった。
- Z0 (str)
- 幅を 132 カラムに変更する。
- Z1 (str)
- 幅を 80 カラムに変更する。
- WS (str)
- ディスプレイをリサイズする。 この機能は指定する幅と高さを引き数に取る。 SunView(tm) における指定例: '\E[8;%d;%dt'
- NF (bool)
- 端末はフロー制御を必要としない。 アプリケーションに直接 ^S と ^Q を送信する。'flow off' と同じ意味である。 この反対の機能は 'nx' である。
- G0 (bool)
- 端末は ISO 2022 のフォント選択シーケンスを使用できる。
- S0 (str)
- 文字集合 'G0' を指定した文字集合に切り替える。 デフォルト値は '\E(%.' である。
- E0 (str)
- 文字集合 'G0' を標準の文字集合に戻す。デフォルト値は '\E(B' である。
- C0 (str)
- 文字列をフォント '0' の変換テーブルとして使用する。 詳しくは 'ac' 機能を参照すること。
- CS (str)
- カーソルキーをアプリケーションモードに切り替える。
- CE (str)
- カーソルキーを通常モードに戻す。
- AN (bool)
- autonuke をオンにする。詳しくは 'autonuke' コマンドを参照すること。
- OL (num)
- 出力バッファの上限値を設定する。詳しくは 'obuflimit' コマンドを参照すること。
- KJ (str)
- 端末で使う漢字の種類を設定する。有効な文字列は 'encoding' コマンドの解説を参照すること。
- AF (str)
- ANSI 準拠の方法で文字の前景色を変更する。この機能はほぼ常に '\E[3%dm' (terminfo を使うマシンでは '\E[3%p1%dm') に設定される。
- AB (str)
- これは 'AF' と同様だが、背景色を変更する。
- AX (bool)
- ANSI セットのデフォルトの前景色/背景色 (\E[39m / \E[49m) を認識する。
- XC (str)
- 現在のフォントに基づく、複数個の文字から文字列への変換を記述する。 詳細は次の節に書く。
- XT (bool)
- 端末は xterm の特殊シーケンス (OSC, マウス追跡) を理解する。
- C8 (bool)
- 端末は、高輝度色の表示にボールドを必要とする (例 Eterm)。
- TF (bool)
- 欠けている機能を termcap/terminfo のエントリに追加する (デフォルトで設定されている)。
文字の変換¶
screen には、現在のフォントや端末の種類に基づいて、 文字(列)を任意の文字列に変換する強力な機構がある。 この機能を用いれば、あまり使わない文字群が いろいろな国・言語のフォントページに散っているような端末でも、 通常の標準的な文字集合 (例えば ISO8851-latin1) を使える。 文法:XC=<charset-mapping>{,,<charset-mapping>} <charset-mapping> := <designator><template>{,<mapping>} <mapping> := <char-to-be-mapped><template-arg>ブレース内のものは任意の数だけ指定できる。 <charset-mapping> は、フォント指示子 <designator> ('B': ASCII, 'A': イギリス語, 'K': ドイツ語、など) に含まれる文字を、文字列にマップさせるやり方を screen に伝える。 それぞれの <mapping> では、 1 つの文字をどんな文字列にマップさせるかを記述する。 大抵の場合、各コードの大部分は共通なので、 ここではテンプレート機構が用いられる (例えば、別の文字集合に切り替える文字列など)。 <template> に '%' があると、 それはすべてその文字と同時に指定された <template-arg> に置き換えられる。 指定したい文字列が全く似ていない場合には、'%' をテンプレートとして用い、 文字列全体は <template-arg> に置くこと。'%' そのものも使えるようにするため、 クォート機構も後に追加された。'\' は特殊文字 '\', '%', ',' をクォートする。 以下に指定例を示す:
termcap hp700 'XC=B\E(K%\E(B,\304[,\326\\\\,\334]' これは ISOlatin1 (文字集合 'B') のウムラウト付きの大文字を、 ドイツ語の文字集合を持つ HP700 端末向けに変換する方法を screen に指定する。'\304' は '\E(K[\E(B' に変換される (以下同様)。 この行は内部参照テーブルが構築されるまでに * 3 回 * 展開されるため、 1 つの '\' を生成するにはいくつものクォートが必要になる点に注意すること。 さらに多くのエミュレーションができるように、別の拡張も加えられている: クォートされていない '%' がマッピングで変換された場合、 screen がその <designator> に切り替わると、 必ずこれが端末に送られる。この特殊な場合には、 テンプレートは単に '%' とみなされる。 文字集合切り替えシーケンスと文字マッピングは、 通常あまり共通部分を持たないからである。 以下の指定例は、この拡張の使い方の 1 つを示したものである:
termcap xterm 'XC=K%,%\E(B,[\304,\\\\\326,]\334' この例では、ドイツ語 ('K') 文字集合の一部が xterm 上でエミュレートされる。 screen が文字集合 'K' に切り替わらなければならない場合、'\E(B' が端末に送られる。つまり、 ASCII 文字集合がドイツ語文字集合の代わりに使われる。 テンプレートは '%' だけになり、したがってマッピングは単純である: '[' は '\304' に、'\' は '\326' に、']' は '\334' にマッピングされる。
環境変数¶
- COLUMNS
- 端末のカラム数 (termcap エントリより優先される)。
- HOME
- ファイル .screenrc を探すディレクトリ。
- LINES
- 端末の行数 (termcap エントリより優先される)。
- LOCKPRG
- 画面をロックするプログラム。
- NETHACKOPTIONS
- nethack オプションを有効にする。
- PATH
- 実行するプログラムの探索に用いられる。
- SCREENCAP
- 端末の TERMCAP 値のカスタマイズ用。
- SCREENDIR
- 別のソケットディレクトリ。
- SCREENRC
- 別のユーザ用 screenrc ファイル。
- SHELL
- ウィンドウをオープンした時のデフォルトのシェルプログラム (デフォルト値は "/bin/sh")。
- STY
- 別のソケット名。
- SYSSCREENRC
- 別のシステム用 screenrc ファイル。
- TERM
- 端末名。
- TERMCAP
- 端末記述。
- WINDOW
- ウィンドウの番号 (生成時)。
ファイル¶
- .../screen-4.?.??/etc/screenrc
- .../screen-4.?.??/etc/etcscreenrc
- screen の配布パッケージに含まれている、 プライベート用・グローバル用各初期化ファイルの例。
- $SYSSCREENRC
- /etc/screenrc
- screen の初期化コマンド群を含む。
- $SCREENRC
- $HOME/.screenrc
- /etc/screenrc の後に読み込まれる
- $SCREENDIR/S-<login>
- /var/run/screen/S-<login>
- ソケットディレクトリ (デフォルト)
- /usr/tmp/screens/S-<login>
- 別のソケットディレクトリ
- <socket directory>/.termcap
- "termcap" 出力関数が書き込む
- /usr/tmp/screens/screen-exchange
- または
- /tmp/screen-exchange
- screen の「プロセス間通信バッファ」
- hardcopy.[0-9]
- hardcopy 関数が生成する画面イメージ
- screenlog.[0-9]
- log 関数が生成するログファイル
- /usr/lib/terminfo/?/*
- または
- /etc/termcap
- 端末機能データベース
- /var/run/utmp
- ログイン記録
- $LOCKPRG
- 端末をロックするプログラム
関連項目¶
termcap(5), utmp(5), vi(1), captoinfo(1), tic(1)著者¶
最初に作成したのは Oliver Laumann であり、最新版を作ったのは Wayne Davison, Juergen Weigert, Michael Schroeder である。COPYLEFT¶
Copyright (C) 1993-2003 Juergen Weigert (jnweiger@immd4.informatik.uni-erlangen.de) Michael Schroeder (mlschroe@immd4.informatik.uni-erlangen.de) Copyright (C) 1987 Oliver LaumannThis program is free software; you can redistribute it and/or modify it under the terms of the GNU General Public License as published by the Free Software Foundation; either version 2, or (at your option) any later version. This program is distributed in the hope that it will be useful, but WITHOUT ANY WARRANTY; without even the implied warranty of MERCHANTABILITY or FITNESS FOR A PARTICULAR PURPOSE. See the GNU General Public License for more details. You should have received a copy of the GNU General Public License along with this program (see the file COPYING); if not, write to the Free Software Foundation, Inc., 59 Temple Place - Suite 330, Boston, MA 02111-1307, USA
貢献者¶
Ken Beal (kbeal@amber.ssd.csd.harris.com), Rudolf Koenig (rfkoenig@immd4.informatik.uni-erlangen.de), Toerless Eckert (eckert@immd4.informatik.uni-erlangen.de), Wayne Davison (davison@borland.com), Patrick Wolfe (pat@kai.com, kailand!pat), Bart Schaefer (schaefer@cse.ogi.edu), Nathan Glasser (nathan@brokaw.lcs.mit.edu), Larry W. Virden (lvirden@cas.org), Howard Chu (hyc@hanauma.jpl.nasa.gov), Tim MacKenzie (tym@dibbler.cs.monash.edu.au), Markku Jarvinen (mta@{cc,cs,ee}.tut.fi), Marc Boucher (marc@CAM.ORG), Doug Siebert (dsiebert@isca.uiowa.edu), Ken Stillson (stillson@tsfsrv.mitre.org), Ian Frechett (frechett@spot.Colorado.EDU), Brian Koehmstedt (bpk@gnu.ai.mit.edu), Don Smith (djs6015@ultb.isc.rit.edu), Frank van der Linden (vdlinden@fwi.uva.nl), Martin Schweikert (schweik@cpp.ob.open.de), David Vrona (dave@sashimi.lcu.com), E. Tye McQueen (tye%spillman.UUCP@uunet.uu.net), Matthew Green (mrg@eterna.com.au), Christopher Williams (cgw@pobox.com), Matt Mosley (mattm@access.digex.net), Gregory Neil Shapiro (gshapiro@wpi.WPI.EDU), Johannes Zellner (johannes@zellner.org), Pablo Averbuj (pablo@averbuj.com).
バージョン¶
これはバージョン 4.0.2 である。これは Wayne Davison による 2.3PR7 カスタム版をマージしたものと、 Oliver Laumann のバージョン 2.0 へのいくつかの改良とがもとになっている。 2.x の番号が付いているバージョンはすべて Oliver Laumann の著作物である。入手方法¶
screen の最新の公式リリースは、gnudist.gnu.org, nic.funet.fi その他の GNU 配布サイトから anonymous ftp で取得できる。 screen のホームサイトは ftp.uni-erlangen.de のディレクトリ pub/utilities/screen である。ここのサブディレクトリ `private' には、 最新のベータテスト版が置かれる。開発に協力したい場合は、 気付いた点を screen@uni-erlangen.de に送ってほしい。バグ¶
- •
- `dm' (削除モード)と `xs' を正しく扱うことができない (これらは無視される)。`xn' は magic-margin 指示子として扱われる。
- •
- screen は 2 倍高や 2 倍幅の文字を扱うことができない。 しかし、 vttest の失敗が許されるのはここだけである。
- •
- 異なる端末タイプから再アタッチを行ったとき、 環境変数 $TERMCAP を変更できない。
- •
- terminfo ベースのシステムのサポートが非常に限られている。 機能を $TERMCAP に追加しても全く効果が現われないことがある。
- •
- screen はハードウェアタブを利用していない。
- •
- screen は所有者 root に setuid してインストールしなければならない。 これは各ウィンドウに対する tty デバイスファイルの所有者を 正しく変更するためである。"/etc/utmp" ファイルに書き込みを行うためにも特殊な権限が必要である。
- •
- screen が SIGKILL で kill された時には、"/etc/utmp" のエントリが削除されない。 この場合、一部のプログラム ("w" や "rwho" 等) は、実際にはログインしていないユーザをログイン中であると表示する。
- •
- ユーザが使っている tty に utmp エントリが無いとき、 screen はおかしな警告を出す。
- •
- モデムラインのデバイスドライバが HANGUP シグナルを送るように 設定されていないと、このラインがハングアップした時に screen は自動的なデタッチ (あるいは終了) を行えないことがある。 screen セッションをデタッチするには コマンドラインオプション -D または -d を用いること。
- •
- パスワードを設定しているときでも、 コマンドラインオプション -D および -d によって、 パスワードを尋かれることなしにデタッチができてしまう。
- •
- "breaktype" と "defbreaktype" の両方ともが、 全端末デバイスで用いられるブレークの生成方法を変更してしまう。 前者はそのウィンドウの設定だけを変更すべきで、 後者は以降新規に生成されるウィンドウの設定だけを変更すべきである。
- •
- マルチユーザセッションにアタッチしようとすると、 そのユーザの .screenrc ファイルは評価されない。 各ユーザの個人設定は、そのセッションがブートされるときの .screenrc ファイルに書くか、あるいは手動で変更しなければならない。
- •
- 全機能を最大限に生かすためには、おかしな想像力が非常に有用となる。
- •
- バグ報告、修正、改良、T シャツ、お金、ビール、ピザ等は screen@uni-erlangen.de まで送ってほしい。
Aug 2003 | 4th Berkeley Distribution |