xset - X
のユーザ設定用ユーティリティ
xset [-display
display] [-b] [b on/off] [b [
volume
[
pitch [
duration]]] [[-]bc] [-c] [c on/off] [c [
volume]] [[+-]dpms] [dpms
standby [
suspend [
off]]] [dpms force standby/suspend/off] [[-+]fp[-+=]
path[,
path[,...]]] [fp default] [fp rehash] [[-]led [
integer]] [led on/off] [m[ouse] [
accel_mult[/
accel_div]
[
threshold]]] [m[ouse] default] [p
pixel color] [[-]r
[keycode]] [r on/off] [r rate
delay [
rate]] [s [
length
[
period]]] [s blank/noblank] [s expose/noexpose] [s on/off] [s default]
[s activate] [s reset] [q]
このプログラムはディスプレイの様々なユーザ設定オプションを設定するのに
用いられる。
オプション¶
- -display display
- このオプションは使用するサーバを指定する。
X(7)
のオンラインマニュアルを参照すること。
- b
- b
オプションはベルの音量、音程、持続時間を制御する。
このオプションには 3
つまでの数値パラメータを指定するか、ハイフン(-)を
前に付けるか、'on/off'
のフラグを指定できる。
パラメータが指定されない場合や
'on'
フラグが使用されるとシステムのデフォルト値が使用される。ハイフンまたは
'off'
が指定されるとベルが切られる。
数値パラメータを1つだけ与えると、ベルの音量が設定される。この値は最大
値に対するパーセント値として指定する。
同様に、2番目の数値パラメータにはベルの音程をヘルツで指定し、3番目の数値
パラメータには持続時間をミリ秒で指定する。全てのハードウェアでベルの特性
を変更できるとは限らない点に注意すること。X
サーバはユーザの指定にでき
るだけ近い設定を行う。
- bc
- bc
オプションは、可能であればサーバの
バグ互換モードを制御する。
ハイフン(-)を前に付けるとこのモードは無効になり、そうでない場合には
このモードは有効となる。R4
よりも前のクライアントにはプロトコルのリク
エストで不正な値を渡すものがあったが、この場合に
R4
よりも前のサーバは
正しくエラーを生成しなかった。このようなクライアントが
R4 以降のサーバ
と接続して動作した場合には、異常終了するか、さもなければ正常な操作に失
敗する。バグ互換モードではこのようなバグを明示的に
X サーバに再導入さ
れるので、このような多くのクライアントを使い続けることができる。ただし、
このモードは注意して使用するべきであり、新しいアプリケーションを開発す
るときはこのモードを無効にするべきである。このオプションを動作させるた
めには、サーバが
MIT-SUNDRY-NONSTANDARD
プロトコル機能拡張をサポートす
る必要がある。
- c
- c
オプションはキーのクリック音を制御する。
このオプションには、数値を指定するか(省略可能)、ハイフン(-)を前に付け
るか、または 'on/off'
フラグを指定できる。
ハイフンまたは 'off'
フラグを使用すると、キーのクリック音は無効になる。
0 から 100
の値を指定すると、最大値に対するパーセント値で表された
音量値として使われる。
X
サーバはハードウェアがサポートしている最も近い値に音量を設定する。
- -dpms
- -dpms
オプションは DPMS(Energy Star,
省電力)機能を無効にする。
- +dpms
- +dpms
オプションは DPMS(Energy Star,
省電力)機能を有効にする。
- dpms flags...
- dpms
オプションを使うと
DPMS (Energy Star, 省電力)
パラメータを
設定できる。このオプションには
3
つの数値を指定するか、`force'
フラグを伴った DPMS
状態を指定できる。`force'
フラグを指定すると、サーバは指定した
DPMS 状態に
即座に切り替わる。
DPMS 状態は `standby', `suspend', `off'
のいずれかである。
数値を与えた時は、これら
3
つのモードをアクティブにする前に取る
非アクティブ期間が設定される(秒単位)。
最初の値は `standby'
モード用で、2
番目の数値は `suspend'
モード用、3
番目の数値 は `off'
モード用である。これらの値を設定すると、DPMS
機能が暗黙的に
有効になる。0
を指定すると、そのモードは無効になる。
- fp= path,...
- fp= は path
引き数で与えたエントリをフォントパスに設定する。
エントリはクライアントではなくサーバが解釈する。通常はディレクトリ名
かフォントサーバ名を指定するが、その解釈はサーバ依存である。
- fp default
- default
引き数を指定すると、フォントパスはサーバのデフォルト値に
リセットされる。
- fp rehash
- rehash
引き数を指定すると、フォントパスを現在値にリセットし、現
在のフォントパスのフォントデータベースをサーバに再読み込みさせる。一般
にこのオプションを使用するのは、新しいフォントをフォントディレクトリに
追加したとき( mkfontdir
でフォントデータベースを再作成した後)だけ
である。
- -fp または fp-
- -fp と fp-
オプションは現在のフォントパスから要素を削除
する。この引き数の後には、コンマ区切りで要素リストを指定しなければな
らない。
- +fp または fp+
- +fp と fp+
オプションは、現在のフォントパスの前または後
に要素を追加する(+fp
の場合は前で、fp+
の場合は後)。この引き数の後には、
コンマ区切りで要素リストを指定しなければならない。
- led
- led
オプションはキーボードの
LED
を制御する。これは 1
つま たは全ての LED
の点灯と消灯を制御する。このオプションには、整数値を指
定するか(省略可能)、ハイフン(-)を前に付けるか、'on/off'
フラグを指定
できる。パラメータを指定しなかった場合と
'on'
フラグを指定した場合には
全ての LED
は点灯する。
ハイフンを前に付けるか
'off'
フラグを指定した場合には全ての
LED は消える。1 から 32
までの値を与えると、LED
はハイフンが前に付けられて
いるかどうかに従って点灯したり消灯したりする。
制御可能な一般的な
LED は ``Caps Lock'' の LED
である。``xset led 3''
を実行すると LED #3
が点灯する。``xset -led 3''
を指定するとこれが消灯される。ある
LED
の値はハードウェアが異なる
と別の LED
を指すこともある。
- m
- m
オプションはマウスのパラメータを制御する。マウスのパラメータに
は
`acceleration'(加速値)と`threshold'(しきい値)がある。acceleration
は整数か単純な分数で指定する。
マウスまたはこのマシンに接続している全てのポインタ、短時間に
`threshold' ピクセル
数以上移動すると
`acceleration'
倍速くなる。この方法により、マウスをゆっ
くり動かしたときは正確な調整に利用でき、かつ必要ならば手首のスナップで
画面上を速く移動させることができる。
m
オプション用の1つまたは両方のパラメータを省略することができるが、1つだ
け指定した場合には、acceleration
値と解釈される。パラメータを指定しな
かった場合や 'default'
フラグを指定した場合には、システムのデフォルト
値がセットされる。
- p
- p
オプションはピクセルの色の数値を制御する。
パラメータは10進数値のカラーマップエントリ番号と色指定である。サーバに
よっては、BlackPixel と WhitePixel
を変更することによってルートの背景
色を変更することができる。これらは
0 と 1
であることが多いが、必ずしも
そうである必要はない。また、サーバはこれらの色をプライベートカラーマッ
プとして割り当てようとするかもしれないが、この場合にはエラーが生成され
る。マップエントリは読み出し専用であってはならず、そうでない場合には
とエラーとなる。
- r
- r
オプションはオートリピートを制御する。
ハイフンを前に付けるか
'on'
フラグを使用した場合、オートリピートが
有効になる。固有のキーコードをパラメータとして指定した場合、その
キーコードのオートリピートが有効または無効になる。
サーバが XFree86-Misc
機能拡張または XKB
機能拡張に対応している
場合は、'rate'
パラメータを指定できる。
このパラメータの後には数値を指定しないか、数値を
1 つまたは 2 つ指定し
なければならない。
最初の数値はオートリピートが始まるまでの待ち時間を指定し、2
番目の数値
はリピートの速さを指定する。
サーバが XKB
機能拡張に対応している場合は、待ち時間は
オートリピートが始まるまでのミリ秒単位の時間であり、速さは秒あたりの
リピート回数である。速さや待ち時間が指定されていない場合には、
デフォルト値が設定される。
- s
- s
オプションはスクリーンセーバのパラメータを設定する。
このオプションには 2
つまでの数値パラメータ、'blank/noblank'
フラグ、'expose/noexpose'
フラグ、'on/off'
フラグ、'activate/reset'
フラグ、'default'
フラグを指定することができる。
パラメータを指定しなかった場合と
'default'
フラグを指定した場合、シス
テムはデフォルトのスクリーンセーバの設定を使用する。
'on/off'
フラグは単にスクリーンセーバ機能のオンとオフを設定するだけ
である。
'activate'
フラグを指定すると、スクリーンセーバが無効になっている場
合でも強制的にアクティブ状態となる。
'reset'
フラグを指定すると、スクリーンセーバがアクティブ状態にある場
合でも強制的にアクティブ状態でなくなる。
'blank'フラグを指定すると背景パターンを表示するのではなく、ビデオ表示
を(ハードウェアで可能ならば)ブランク状態にするようになる。一方、'noblank'
をセットするとビデオをブランク状態にするのではなく、背景パターンを表示
するようになる。 'expose'
フラグはウィンドウの露出を許す設定にする(サーバはウィンドウ
の内容を自由に破棄できる)。一方
'noexpose' フラグは、
露出イベントを起こさずにスクリーンを再生成することをサーバができない
場合に、スクリーンセーバを無効にする。
スクリーンセーバ機能に対する長さと間隔のパラメータは、サーバがスクリーンセーバ
をアクティブにするまでにどれだけの間非アクティブであるか、スクリーン
の焼き付きを防ぐためにどれくらいの期間で背景パターンを変更するかを決め
る。
引き数は秒単位で指定する。
数値パラメータを1つだけ与えた場合、これは長さパラメータとして扱われる。
- q
- q
オプションは現在の設定情報を表示する。
これらの設定はログアウトするとデフォルト値に戻る。
全ての X
の実装でこれらのオプション全てが動作する保証はない点に注意
すること。
関連項目¶
X(7),
Xserver(1),
xmodmap(1),
xrdb(1),
xsetroot(1)
Bob Scheifler, MIT Laboratory for Computer Science
David Krikorian, MIT Project Athena (X バージョン
11)
XFree86-Misc 拡張への対応は David
Dawes と Joe Moss が行った。