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XSET(1) General Commands Manual XSET(1)

名前

xset - X のユーザ設定用ユーティリティ

書式

xset [-display display] [-b] [b on/off] [b [ volume [pitch [ duration]]] [[-]bc] [-c] [c on/off] [c [ volume]] [[+-]dpms] [dpms standby [ suspend [ off]]] [dpms force standby/suspend/off] [[-+]fp[-+=] path[,path[,...]]] [fp default] [fp rehash] [[-]led [ integer]] [led on/off] [m[ouse] [ accel_mult[/accel_div] [ threshold]]] [m[ouse] default] [p pixel color] [[-]r [keycode]] [r on/off] [r rate delay [rate]] [s [ length [period]]] [s blank/noblank] [s expose/noexpose] [s on/off] [s default] [s activate] [s reset] [q]

説明

このプログラムはディスプレイの様々なユーザ設定オプションを設定するのに 用いられる。

オプション

-display display
このオプションは使用するサーバを指定する。 X(7) のオンラインマニュアルを参照すること。
b
b オプションはベルの音量、音程、持続時間を制御する。 このオプションには 3 つまでの数値パラメータを指定するか、ハイフン(-)を 前に付けるか、'on/off' のフラグを指定できる。 パラメータが指定されない場合や 'on' フラグが使用されるとシステムのデフォルト値が使用される。ハイフンまたは 'off' が指定されるとベルが切られる。 数値パラメータを1つだけ与えると、ベルの音量が設定される。この値は最大 値に対するパーセント値として指定する。 同様に、2番目の数値パラメータにはベルの音程をヘルツで指定し、3番目の数値 パラメータには持続時間をミリ秒で指定する。全てのハードウェアでベルの特性 を変更できるとは限らない点に注意すること。X サーバはユーザの指定にでき るだけ近い設定を行う。
bc
bc オプションは、可能であればサーバの バグ互換モードを制御する。 ハイフン(-)を前に付けるとこのモードは無効になり、そうでない場合には このモードは有効となる。R4 よりも前のクライアントにはプロトコルのリク エストで不正な値を渡すものがあったが、この場合に R4 よりも前のサーバは 正しくエラーを生成しなかった。このようなクライアントが R4 以降のサーバ と接続して動作した場合には、異常終了するか、さもなければ正常な操作に失 敗する。バグ互換モードではこのようなバグを明示的に X サーバに再導入さ れるので、このような多くのクライアントを使い続けることができる。ただし、 このモードは注意して使用するべきであり、新しいアプリケーションを開発す るときはこのモードを無効にするべきである。このオプションを動作させるた めには、サーバが MIT-SUNDRY-NONSTANDARD プロトコル機能拡張をサポートす る必要がある。
c
c オプションはキーのクリック音を制御する。 このオプションには、数値を指定するか(省略可能)、ハイフン(-)を前に付け るか、または 'on/off' フラグを指定できる。 ハイフンまたは 'off' フラグを使用すると、キーのクリック音は無効になる。 0 から 100 の値を指定すると、最大値に対するパーセント値で表された 音量値として使われる。 X サーバはハードウェアがサポートしている最も近い値に音量を設定する。
-dpms
-dpms オプションは DPMS(Energy Star, 省電力)機能を無効にする。
+dpms
+dpms オプションは DPMS(Energy Star, 省電力)機能を有効にする。
dpms flags...
dpms オプションを使うと DPMS (Energy Star, 省電力) パラメータを 設定できる。このオプションには 3 つの数値を指定するか、`force' フラグを伴った DPMS 状態を指定できる。`force' フラグを指定すると、サーバは指定した DPMS 状態に 即座に切り替わる。 DPMS 状態は `standby', `suspend', `off' のいずれかである。 数値を与えた時は、これら 3 つのモードをアクティブにする前に取る 非アクティブ期間が設定される(秒単位)。 最初の値は `standby' モード用で、2 番目の数値は `suspend' モード用、3 番目の数値 は `off' モード用である。これらの値を設定すると、DPMS 機能が暗黙的に 有効になる。0 を指定すると、そのモードは無効になる。
fp= path,...
fp= は path 引き数で与えたエントリをフォントパスに設定する。 エントリはクライアントではなくサーバが解釈する。通常はディレクトリ名 かフォントサーバ名を指定するが、その解釈はサーバ依存である。
fp default
default 引き数を指定すると、フォントパスはサーバのデフォルト値に リセットされる。
fp rehash
rehash 引き数を指定すると、フォントパスを現在値にリセットし、現 在のフォントパスのフォントデータベースをサーバに再読み込みさせる。一般 にこのオプションを使用するのは、新しいフォントをフォントディレクトリに 追加したとき( mkfontdir でフォントデータベースを再作成した後)だけ である。
-fp または fp-
-fpfp- オプションは現在のフォントパスから要素を削除 する。この引き数の後には、コンマ区切りで要素リストを指定しなければな らない。
+fp または fp+
+fpfp+ オプションは、現在のフォントパスの前または後 に要素を追加する(+fp の場合は前で、fp+ の場合は後)。この引き数の後には、 コンマ区切りで要素リストを指定しなければならない。
led
led オプションはキーボードの LED を制御する。これは 1 つま たは全ての LED の点灯と消灯を制御する。このオプションには、整数値を指 定するか(省略可能)、ハイフン(-)を前に付けるか、'on/off' フラグを指定 できる。パラメータを指定しなかった場合と 'on' フラグを指定した場合には 全ての LED は点灯する。 ハイフンを前に付けるか 'off' フラグを指定した場合には全ての LED は消える。1 から 32 までの値を与えると、LED はハイフンが前に付けられて いるかどうかに従って点灯したり消灯したりする。 制御可能な一般的な LED は ``Caps Lock'' の LED である。``xset led 3'' を実行すると LED #3 が点灯する。``xset -led 3'' を指定するとこれが消灯される。ある LED の値はハードウェアが異なる と別の LED を指すこともある。
m
m オプションはマウスのパラメータを制御する。マウスのパラメータに は `acceleration'(加速値)と`threshold'(しきい値)がある。acceleration は整数か単純な分数で指定する。
 
マウスまたはこのマシンに接続している全てのポインタ、短時間に `threshold' ピクセル 数以上移動すると `acceleration' 倍速くなる。この方法により、マウスをゆっ くり動かしたときは正確な調整に利用でき、かつ必要ならば手首のスナップで 画面上を速く移動させることができる。 m オプション用の1つまたは両方のパラメータを省略することができるが、1つだ け指定した場合には、acceleration 値と解釈される。パラメータを指定しな かった場合や 'default' フラグを指定した場合には、システムのデフォルト 値がセットされる。
p
p オプションはピクセルの色の数値を制御する。 パラメータは10進数値のカラーマップエントリ番号と色指定である。サーバに よっては、BlackPixel と WhitePixel を変更することによってルートの背景 色を変更することができる。これらは 0 と 1 であることが多いが、必ずしも そうである必要はない。また、サーバはこれらの色をプライベートカラーマッ プとして割り当てようとするかもしれないが、この場合にはエラーが生成され る。マップエントリは読み出し専用であってはならず、そうでない場合には とエラーとなる。
r
r オプションはオートリピートを制御する。 ハイフンを前に付けるか 'on' フラグを使用した場合、オートリピートが 有効になる。固有のキーコードをパラメータとして指定した場合、その キーコードのオートリピートが有効または無効になる。 サーバが XFree86-Misc 機能拡張または XKB 機能拡張に対応している 場合は、'rate' パラメータを指定できる。 このパラメータの後には数値を指定しないか、数値を 1 つまたは 2 つ指定し なければならない。 最初の数値はオートリピートが始まるまでの待ち時間を指定し、2 番目の数値 はリピートの速さを指定する。 サーバが XKB 機能拡張に対応している場合は、待ち時間は オートリピートが始まるまでのミリ秒単位の時間であり、速さは秒あたりの リピート回数である。速さや待ち時間が指定されていない場合には、 デフォルト値が設定される。
s
s オプションはスクリーンセーバのパラメータを設定する。 このオプションには 2 つまでの数値パラメータ、'blank/noblank' フラグ、'expose/noexpose' フラグ、'on/off' フラグ、'activate/reset' フラグ、'default' フラグを指定することができる。 パラメータを指定しなかった場合と 'default' フラグを指定した場合、シス テムはデフォルトのスクリーンセーバの設定を使用する。
'on/off' フラグは単にスクリーンセーバ機能のオンとオフを設定するだけ である。
'activate' フラグを指定すると、スクリーンセーバが無効になっている場 合でも強制的にアクティブ状態となる。
'reset' フラグを指定すると、スクリーンセーバがアクティブ状態にある場 合でも強制的にアクティブ状態でなくなる。
'blank'フラグを指定すると背景パターンを表示するのではなく、ビデオ表示 を(ハードウェアで可能ならば)ブランク状態にするようになる。一方、'noblank' をセットするとビデオをブランク状態にするのではなく、背景パターンを表示 するようになる。 'expose' フラグはウィンドウの露出を許す設定にする(サーバはウィンドウ の内容を自由に破棄できる)。一方 'noexpose' フラグは、 露出イベントを起こさずにスクリーンを再生成することをサーバができない 場合に、スクリーンセーバを無効にする。 スクリーンセーバ機能に対する長さと間隔のパラメータは、サーバがスクリーンセーバ をアクティブにするまでにどれだけの間非アクティブであるか、スクリーン の焼き付きを防ぐためにどれくらいの期間で背景パターンを変更するかを決め る。 引き数は秒単位で指定する。 数値パラメータを1つだけ与えた場合、これは長さパラメータとして扱われる。
q
q オプションは現在の設定情報を表示する。
これらの設定はログアウトするとデフォルト値に戻る。
全ての X の実装でこれらのオプション全てが動作する保証はない点に注意 すること。

関連項目

X(7), Xserver(1), xmodmap(1), xrdb(1), xsetroot(1)

著者

Bob Scheifler, MIT Laboratory for Computer Science
 
David Krikorian, MIT Project Athena (X バージョン 11)
 
XFree86-Misc 拡張への対応は David Dawes と Joe Moss が行った。
 
Release 6.5 X Version 11