lpc —
ラインプリンタ制御プログラム
lpc [
command
[argument ...]]
Lpc
はシステム管理者用のツールで、ラインプリンタシステムを制御するために用いられる。
/etc/printcap
で設定されている各ラインプリンタに対し、
lpc
は以下のことに利用できる
:
- プリンタを使用不可もしくは使用可にする
- プリンタのスプーリングキューを使用不可もしくは使用可にする
- スプーリングキューの中にあるジョブの順序を変更する
- プリンタとそれに関連するスプーリングキュー、プリンタデーモンの状態を調べる
引数を省略すると、
lpc
はプロンプトを出して、標準入力からコマンドを受け付ける。
引数が与えられると、
lpc
は最初の引数をコマンドとして解釈し、
残りの引数をコマンドに対するパラメーターとして解釈する。
標準入力はリダイレクトしてもよく、そうすると
lpc
はファイルからコマンドを読み込む。
コマンドは短縮してもよい。
以下は指定できるコマンドの一覧である。
- ?
[command ...]
-
- help
[command ...]
- 引数リストで指定された各コマンドの簡潔な説明を表示する。
引数が与えられていないときは、指定できるコマンドの一覧を表示する。
- abort
{ all | printer }
- ローカルホストのアクティブなスプーリングデーモンをただちに停止させる。
そして、指定されたプリンタでは印刷できないようにする(新しいデーモンが
lpr
によって起動されないようにする)。
- clean
{ all | printer }
- 印刷されることのない(つまり、完全なプリンタジョブの形にはなっていない)すべての
一時ファイル・データファイル・制御ファイルを、
ローカルマシンの指定されたプリンタキューから削除する。
- disable
{ all | printer }
- 指定されたプリンタキューを止める。
lpr
は、新しいプリンタジョブをキューへ投入できなくなる。
- down
{ all | printer } message
...
- 指定されたプリンタのキューを止め、印刷できないようにし、
message
をプリンタのステータス(状態)ファイルに書き込む。
メッセージ(message)を引用符で囲む必要はないが、その場合残りの引数は
echo(1)
と同様に扱われる。
これは通常、プリンタの運転を止め、その理由(
lpq(1)
は、プリンタが停止していることを示し、ステータスメッセージを表示する)
を他の人たちに知らせるために使われる。
- enable
{ all | printer }
- 指定されたプリンタのローカルキューにおけるスプーリングを可能にする。
これにより lpr(1)
は、新しいジョブをスプールキューへ投入できるようになる。
- exit
-
- quit
- lpc
の処理を終了する。
- restart
{ all | printer }
- 新しいプリンタデーモンを起動しようと試みる。
これは、デーモンが何らかの異常状態に陥って、キューにジョブを残したまま
突如死んでしまった場合に有用である。
この状態に陥ると、
lpq
はデーモンが存在しないと報告する。
(lpqを動かした)ユーザーがスーパーユーザーならば、
まず現在のデーモンを停止させてみよ
(つまり、問題となっているデーモンを殺し、再起動させよ)。
- start
{ all | printer }
- 指定されたプリンタでの印刷を可能にし、スプーリングデーモンを起動させる。
- status
{ all | printer }
- ローカルマシン上のデーモンとキューの状態を表示する。
- stop
{ all | printer }
- 現在のジョブが完了した後、スプーリングデーモンを停止させ、
印刷できないようにする。
- topq
printer [ jobnum ... ] [ user ... ]
- 指定されたジョブを、指定された順序で、プリンタキューの先頭に配置する。
- up
{ all | printer }
- すべてを使用可能にして新しいプリンタデーモンを起動させる。
down
の効果を無効にする。
ファイル¶
- /etc/printcap
- プリンタ記述ファイル
- /var/spool/*
- スプールディレクトリ
- /var/spool/*/lock
- キュー制御のためのロックファイル
関連項目¶
lpd(8),
lpr(1),
lpq(1),
lprm(1),
printcap(5)
返り値¶
- ?Ambiguous
command
- コマンドの短縮形が
1
個以上のコマンドとマッチしている
- ?Invalid
command
- コマンドが見つからなかった
- ?Privileged
command
- このコマンドを実行するには
"operator"
グループのメンバーか
root
でなければならない
lpc コマンドは
4.2BSD
で登場した。