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POSIX_MEMALIGN(3) Linux Programmer's Manual POSIX_MEMALIGN(3)

名前

posix_memalign, aligned_alloc, memalign, valloc, pvalloc - アラインメント されたメモリの割り当てを行う

書式

#include <stdlib.h>
 
int posix_memalign(void **memptr, size_t alignment, size_t size); void *aligned_alloc(size_t alignment, size_t size); void *valloc(size_t size);
 
#include <malloc.h>
 
void *memalign(size_t alignment, size_t size); void *pvalloc(size_t size);
 

glibc 向けの機能検査マクロの要件 ( feature_test_macros(7) 参照):
 
posix_memalign(): _POSIX_C_SOURCE >= 200112L || _XOPEN_SOURCE >= 600
 
aligned_alloc(): _ISOC11_SOURCE
 
valloc():
 
glibc 2.12 以降:
_BSD_SOURCE ||
    (_XOPEN_SOURCE >= 500 ||
        _XOPEN_SOURCE && _XOPEN_SOURCE_EXTENDED) &&
    !(_POSIX_C_SOURCE >= 200112L || _XOPEN_SOURCE >= 600)
 
glibc 2.12 より前:
_BSD_SOURCE || _XOPEN_SOURCE >= 500 || _XOPEN_SOURCE && _XOPEN_SOURCE_EXTENDED
 
((非標準の) ヘッダファイル <malloc.h>valloc() の宣言も公開する。機能検査マクロは不要である。

説明

関数 posix_memalign() は、 size バイトのメモリを割り当て、割り当てられたメモリのアドレスを *memptr に設定する。 割り当てられたメモリのアドレスは alignment の倍数になっているはずである。 alignment は 2 のべき乗で、かつ sizeof(void *) の倍数でなければならない。 size が 0 の場合、 posix_memalign() は NULL か一意なポインタ値を返す。 このポインタ値は、後で free(3) に問題なく渡すことができる。
 
廃止された関数である memalign() は、 size バイトのメモリを割り当て、 割り当てられたメモリへのポインタを返す。 メモリのアドレスは alignment の倍数になっているはずである。 alignment は 2 のべき乗でなければならない。
 
関数 aligned_alloc() は memalign() と同じだが、 sizealignment の倍数でなければならないという追加の制限がある点が異なる。
 
 
廃止された関数である valloc() は size バイトのメモリを割り当て、割り当てられたメモリへのポインタを返す。 メモリのアドレスはページサイズの倍数になっているはずである。 これは memalign(sysconf(_SC_PAGESIZE),size) と等価である。
 
廃止された関数 pvalloc() は valloc() と同様だが、 割り当てられるサイズがシステムのページサイズの倍数に切り上げられる。
 
これらの関数はいずれもメモリのゼロクリアを行わない。

返り値

aligned_alloc(), memalign(), valloc(), pvalloc() は割り当てられた メモリへのポインタを返す。 割り当てに失敗した場合は NULL を返す。
 
posix_memalign() は成功した場合は 0 を返し、 失敗した場合は次のセクションに記載されたエラー値のいずれかを返す。 errno はセットされないことに注意すること。

エラー

EINVAL
alignment 引き数が 2 のべき乗でなかったか、 sizeof(void *) の倍数でなかった。
ENOMEM
割り当て要求を満たすのに十分なメモリがなかった。

バージョン

関数 memalign(), valloc(), pvalloc() は すべての Linux libc ライブラリで使用可能である。
 
関数 aligned_alloc() は glibc バージョン 2.16 で追加された。
 
関数 posix_fallocate() は glibc 2.1.91 以降で利用可能である。

準拠

関数 valloc() は 3.0BSD で登場した。4.3BSD では廃止されたと記載されており、 SUSv2 では過去の名残だと記載されている。 POSIX.1-2001 には存在しない。
 
関数 pvalloc() は GNU による拡張である。
 
関数 memalign() は SunOS 4.1.3 で登場したが、4.4BSD にはない。
 
関数 posix_memalign() は POSIX.1d に由来する。
 
関数 aligned_alloc() は C11 標準で規定されている。

ヘッダ

posix_memalign() の宣言を <stdlib.h> で行うことに関しては、 皆の意見が一致している。
 
いくつかのシステムでは、 memalign() は <malloc.h> ではなく <stdlib.h> で宣言されている。
 
SUSv2 によると、 valloc() は <stdlib.h> で宣言される。 libc4,5 や glibc では <malloc.h> で宣言されており、 さらに適切な機能検査 マクロが定義された場合には <stdlib.h> でも宣言される(上記を参照)。

注意

多くのシステムでは、アラインメントに関して制限がある。例えば、 ブロックデバイスに対するダイレクト I/O に使用するバッファには アラインメントに関する制限がある。 POSIX では、どんなアラインメントが必要かを知るために pathconf(path,_PC_REC_XFER_ALIGN) コールを規定している。ここで posix_memalign() を使うと、この必要条件を満たすことができる。
 
posix_memalign() は alignment が上で詳細に述べた必要条件を満たすか どうかを確かめる。 memalign() は alignment 引き数が正しいかどうかの 確認を行わないかもしれない。
 
POSIX では posix_memalign() によって獲得したメモリは free(3) を 使って解放することができる必要がある。 いくつかのシステムでは memalign() やvalloc() で割り当てられたメモリを再利用する手段が 提供されていない(なぜなら free(3) に渡すことができるのは malloc(3) から受け取ったポインタだけだが、例えば memalign() は malloc(3) を呼び出し、得た値をアラインメントしてしまうからである)。 glibc の実装では、 ここに述べた関数のいずれで獲得したメモリも free(3) で再利用することができる。
 
glibc の malloc(3) は常に 8 バイトにアラインメントされたメモリアドレスを 返すので、ここで述べた関数が必要になるのは 8 バイトよりも大きなアラインメント が必要な場合だけである。

関連項目

brk(2), getpagesize(2), free(3), malloc(3)

この文書について

この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 3.41 の一部 である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は http://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。
2012-03-23 GNU