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dpkg-gencontrol(1) dpkg ユーティリティ dpkg-gencontrol(1)

名前

dpkg-gencontrol - Debian 制御ファイルの生成

書式

dpkg-gencontrol [option...]

説明

dpkg-gencontrol は展開された Debian ソースツリーから情報を読み取り、バイナリパッケージの control ファイル (デフォルトでは debian/tmp/DEBIAN/control) を生成する。生成の過程で、関連するフィールドの単純化も行う。
 
Pre-Depends, Depends, Recommends, Suggests については、より包括的な依存関係が既に確認されているため認識済の依存関係を削除することで、順に単純化が行われる。自己依存についても同様に削除される (実際には、パッケージの現在のバージョンがインストールされていれば満たされる依存関係が削除される)。論理的に、同じパッケージが複数の依存関係に共通に含まれている場合は、論理的に維持される。依存関係の順序は可能な限り維持される。あるフィールドにおいて、ある依存関係が後続の別の依存関係により破棄される場合、代替となる後続の依存関係は、破棄された依存関係の位置に挿入される。
 
その他の依存関係のフィールド ( Enhances, Conflicts, Breaks, Replaces, Provides) についても、フィールド内に同一のパッケージが複数回記載されている場合は、依存関係の統合可否を計算することで、各々に単純化される。
 
dpkg-gencontroldebian/files へのバイナリパッケージのエントリ追加も行う。

オプション

-vversion
生成されるバイナリパッケージのバージョン番号を設定する。
-Vname=value
変数を設定する。出力時の置換に関する詳細は、deb-substvars(5) を参照のこと。
-Tsubstvars-file
変数の設定を substvars-file から読み取る。デフォルトは debian/substvars である。このオプションを複数回設定することで、複数のファイルから変数置換の設定を読み取ることができる。
-Dfield=value
出力制御ファイルのフィールドを上書きもしくは追加する。
-Ufield
出力制御ファイルのフィールドを削除する。
-ccontrol-file
情報の読み取り元となる主なソース制御ファイルを指定する。デフォルトは debian/control
-lchangelog-file
情報の読み取り元となる changelog ファイルを指定する。デフォルトは debian/changelog
-ffiles-list-file
debian/files の代わりにこのファイルに記載されたファイルのリストを読み書きする。
-Fchangelog-format
changelog ファイルのフォーマットを指定する。指定可能なフォーマットについての情報は、 dpkg-parsechangelog(1) を参照のこと。
-ppackage
バイナリパッケージ package の情報を生成する。ソース制御ファイルに単一のバイナリパッケージだけが記載されていた場合、このオプションは省略してもよい。それ以外の場合は、どのバイナリパッケージの情報を生成するかを選択する上で、このオプションが不可欠である。
-nfilename
通常の package_version_arch.deb というファイル名ではなく、パッケージのファイル名を filename とする。
-is, -ip, -isp
これらのオプションは dpkg-dev の古いバージョンとの互換性のために残されているが、現在は廃止予定となっており無視される。これらは、以前のバージョンにおいて dpkg-gencontrol が control ファイルの Section と Priority フィールドを含めるよう設定するために用いられた。現在、この動作はデフォルトとなっている。以前の挙動をさせたい場合は、 -U オプションを用いて、これらのフィールドをcontrol ファイルから削除すること。
-Ppackage-build-dir
dpkg-source に対して、パッケージを debian/tmp ではなく package-build-dir 内でビルドするように設定する。この値は Installed-Size 変数や制御ファイルフィールドの値のデフォルト値を ( du を用いて) 算出する際に用いられる他、出力ファイルのデフォルトの場所としても用いられる。
-O
control ファイルの内容を debian/tmp/DEBIAN/control ( -P が指定されている場合は、 package-build-dir/DEBIAN/control) ではなく標準出力に出力する。
-?, --help
利用方法を表示して終了する。
--version
バージョン情報を表示して終了する。

ファイル

debian/control
主たるソース制御情報ファイルであり、生成可能なソースパッケージおよびバイナリパッケージに関するバージョン非依存の情報を提供する。
debian/files
アップロードの準備の一部をなす、生成されたファイルのリスト。dpkg-gencontrol は、制御ファイルを生成したバイナリパッケージのファイル名を追加する。

翻訳者

高橋 基信 <monyo@monyo.com>. 喜瀬 浩 <kise@fuyuneko.jp>. 関戸 幸一 <sekido@mbox.kyoto-inet.or.jp>. 鍋谷 栄展 <nabe@debian.or.jp>. 倉澤 望 <nabetaro@debian.or.jp>. 石川 睦 <ishikawa@linux.or.jp>. 鵜飼 文敏 <ukai@debian.or.jp>. 中野 武雄 <nakano@apm.seikei.ac.jp>.

翻訳校正

Debian JP Documentation ML <debian-doc@debian.or.jp>.
2012-05-04 Debian Project