.\" lsblk(8) - list block devices .\" .\" Copyright (C) 2010-2018 Red Hat, Inc. All rights reserved. .\" Written by Milan Broz .\" Karel Zak .\" .\" This program is free software; you can redistribute it and/or modify .\" it under the terms of the GNU General Public License as published by .\" the Free Software Foundation; either version 2 of the License, or .\" (at your option) any later version. .\" .\" This program is distributed in the hope that it would be useful, .\" but WITHOUT ANY WARRANTY; without even the implied warranty of .\" MERCHANTABILITY or FITNESS FOR A PARTICULAR PURPOSE. See the .\" GNU General Public License for more details. .\" .\" You should have received a copy of the GNU General Public License along .\" with this program; if not, write to the Free Software Foundation, Inc., .\" 51 Franklin Street, Fifth Floor, Boston, MA 02110-1301 USA. .\" .\"******************************************************************* .\" .\" This file was generated with po4a. 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\fB\-\-list\fP を使用して、表示させたい項目が何と何かを、必ず明確に指定するべきである。 .PP \fBlsblk\fP を実行したとき、デバイスがつい今しがた追加、変更されたばかりで、 そうしたデバイスについての情報のすべてを、\fBudev\fP がまだ取得していない、ということがあるかもしれない。そうした場合には、現状と \fBudev\fP とを同期させるために、\fBlsblk\fP を使用する前に、\fBudevadm settle\fP を実行することをお勧めする。 .SH オプション .TP \fB\-a\fP,\fB \-\-all\fP 空っぽのデバイスや RAM ディスクデバイスもリストする。 .TP \fB\-b\fP,\fB \-\-bytes\fP SIZE の項目 (column) を人間に読みやすい表記ではなく、バイト単位で表示する。 .TP \fB\-D\fP,\fB \-\-discard\fP 各デバイスについて、そのディスカーディング能力 (discarding capabilities、TRIM や UNMAP) の情報を表示する。 .TP \fB\-d\fP,\fB \-\-nodeps\fP ホルダーデバイス (holder devices) やスレーブを表示しない。たとえば、\fBlsblk \-\-nodeps /dev/sda\fP は、sda というデバイスの情報しか表示しない。 .TP \fB\-E\fP,\fB \-\-dedup \fP\fIcolumn\fP 出力されるツリーの重複をなくすために、項目 \fIcolumn\fP を重複排除キーとして使用する。 ただし、そのデバイスでそのキーが利用できない場合や、そのデバイスがパーティションであり、 ディスク全体である親デバイスが同じキーの値を示している場合には、 そのデバイスはやはり表示されることになる。 よく使われる例としては、システムのマルチパスデバイスで、たとえば \fB\-E WWN\fP を指定して、出力の重複をなくすといったことがある。 .TP \fB\-e\fP,\fB \-\-exclude \fP\fIlist\fP \fIlist\fP で指定されたデバイスを表示から除外する。\fIlist\fP は、コンマで区切ったメージャーデバイス番号のリストである。なお、RAM ディスク (major=1) は、\fB\-\-all\fP が指定されないかぎり、デフォルトで除外されている。 このフィルターで適用対象に指定されるのは、トップレベルのデバイスだけである。 そのため、デバイスの階層関係をはっきり示さない \fB\-\-list\fP の出力形式では、パーティションまで表示されなくなることに戸惑うかもしれない。 .TP \fB\-f\fP,\fB \-\-fs\fP ファイルシステムの情報を表示する。このオプションは、\fB\-o NAME,FSTYPE,LABEL,UUID,FSAVAIL,FSUSE%,MOUNTPOINT\fP と等価である。 なお、ファイルシステムや RAID についての信頼できる確かな情報は、\fBblkid\fP コマンドが提供している (訳注: \fBblkid\fP は、root によって実行された場合、 必要に応じて、キャッシュではなく、デバイスそのものから情報を収集するので、その分信頼性が高い)。 .TP \fB\-h\fP,\fB \-\-help\fP ヘルプテキストを表示して終了する。 .TP \fB\-I\fP,\fB \-\-include \fP\fIlist\fP \fIlist\fP で指定されたデバイスを表示の対象にする。\fIlist\fP は、コンマで区切ったメージャーデバイス番号のリストである。 このフィルターで適用対象に指定されるのは、トップレベルのデバイスだけである。 そのため、デバイスの階層関係をはっきり示さない \fB\-\-list\fP の出力形式では、パーティションまで表示されるようになることに戸惑うかもしれない。 .TP \fB\-i\fP,\fB \-\-ascii\fP ツリー状の表示にするのに ASCII 文字を用いる。 .TP \fB\-J\fP,\fB \-\-json\fP JSON 出力フォーマットを使用する。\fB\-\-output\fP を一緒に使うことを強くお勧めする。必要ならば、\fB\-\-tree\fP も。 .TP \fB\-l\fP,\fB \-\-list\fP 一覧表 (list) 形式で出力を表示する。 この出力は、デバイス間にどんな関係があるかを明示しない。また、バージョン 2.34 以来、デバイスはどれも 1 度しか表示されないようになっている .RS .IP "[\fB訳注\fP]" 8 \fB\-\-list\fP は、\fB\-\-pairs\fP や \fB\-\-raw\fP と一緒に使うことができない。 .RE .TP \fB\-M\fP,\fB \-\-merge\fP RAID やマルチパスデバイスについて、出力を読みやすくするために、 サブツリーのペアレントをグループ化する。出力はツリー状である必要がある。 .TP \fB\-m\fP,\fB \-\-perms\fP デバイスの所有者、グループ、許可属性について情報を出力する。このオプションは、 \fB\-o\ NAME,SIZE,OWNER,GROUP,MODE\fP と等価である。 .TP \fB\-n\fP,\fB \-\-noheadings\fP ヘッダ行を表示しない。 .TP \fB\-o\fP,\fB \-\-output \fP\fIlist\fP 出力にどの項目 (columns) を表示するかを指定する。 使用できる全項目のリストを知るには、\fB\-\-help\fP オプションを使用すればよい。選択した項目によっては、ツリー状の出力に変化が生ずるかもしれない。 デフォルトでは、'NAME' の項目にツリー出力を使用している (\fB\-\-tree\fP も参照していただきたい)。 \fIlist\fP を \fI+list\fP の形で指定すれば、デフォルトのリストに項目を追加することができる (たとえば、\fBlsblk \-o +UUID\fP のように)。 .TP \fB\-O\fP,\fB \-\-output\-all \fP 使用できるすべての項目を出力する。 .TP \fB\-P\fP,\fB \-\-pairs\fP key="value" の対の形で出力を表示する。 問題を起こしかねない文字は、すべて 16 進数にエスケープされる (\ex)。 .TP \fB\-p\fP,\fB \-\-paths\fP デバイスのフルパスを表示する。 .TP \fB\-r\fP,\fB \-\-raw\fP 「生の」フォーマットで出力を表示する。NAME, KNAME, LABEL, PARTLABEL, MOUNTPOINT といった項目における、問題を起こしかねない文字は、すべて 16 進数にエスケープされる (\ex)。 .RS .IP "[\fB訳注\fP]" 8 「生の」フォーマット (raw format) というのは、未加工の出力フォーマット、 すなわち、最小限の整形しかしないフォーマットのこと。ちなみに raw の反対語は cooked である。 .RE .TP \fB\-S\fP,\fB \-\-scsi\fP SCSI デバイスに関する情報のみを出力する。 すべてのパーティション、スレーブ、ホルダーデバイスは無視される。 .TP \fB\-s\fP,\fB \-\-inverse\fP 依存関係を逆の順番で表示する。\fB\-\-list\fP 出力が要求された場合でも、 出力される行は、やはり依存関係に従って並べられる。 .TP \fB\-T\fP,\fB \-\-tree\fP[\fB=\fP\fIcolumn\fP] 強制的にツリー状の出力フォーマットにする。\fIcolumn\fP が指定されていれば、その項目でツリー表示が行われる (訳注: 現在のところ、\fIcolumn\fP の指定は必須)。デフォルトでツリー表示されるのは、NAME の項目である。 .TP \fB\-t\fP,\fB \-\-topology\fP ブロックデバイスのトポロジーについて情報を出力する。このオプションは、 \fB\-o NAME,ALIGNMENT,MIN\-IO,OPT\-IO,PHY\-SEC,LOG\-SEC,ROTA, SCHED,RQ\-SIZE,RA,WSAME\fP と等価である。 .TP \fB\-V\fP,\fB \-\-version\fP バージョン情報を表示して終了する。 .TP \fB\-x\fP,\fB \-\-sort \fP\fIcolumn\fP \fIcolumn\fP の項目を使って、出力行をソートする。このオプションは、デフォルトでは \fB\-\-list\fP 出力フォーマットを有効にする。\fI\-\-tree\fP オプションを使用して、 強制的にツリー状の出力にすることも可能であり、その場合は、ツリー表示の枝が、\fIcolumn\fP の値を元にしてソートされる。 .TP \fB\-z\fP,\fB \-\-zoned\fP 各デバイスについて zone model を表示する。 .TP \fB \-\-sysroot \fP\fIdirectory\fP \fBlsblk\fP コマンドが実行されているインスタンス以外の Linux インスタンスについてデータを収集する。指定するディレクトリは、調査対象となる Linux インスタンスのシステムルートである。このオプションは、テスト用である。 .SH 注記 個々のパーティションに対して、ある種の情報 (たとえば、キュー属性, queue attribures) は、親デバイスから継承される。 .PP \fBlsblk\fP コマンドでは、各ブロックデバイスを major:minor 番号によって検索できる必要があり、それは \fI/sys/dev/block\fP を使って行われる。この sysfs の block ディレクトリが登場したのは、カーネル 2.6.27 (2008 年 10 月) だった。十分に新しいカーネルで問題が生じる場合は、 カーネルをビルドしたときに、CONFIG_SYSFS を有効にしたかどうかを確認した方がよい。 .SH リターンコード .IP 0 成功 .IP 1 失敗 .IP 32 指定されたデバイスが一つも見つからなかった .IP 64 指定されたデバイスのうちに、見つかったものもあり、見つからないものもあった .SH 作者 .nf Milan Broz Karel Zak .fi .SH 環境変数 .IP LSBLK_DEBUG=all lsblk デバッグ出力を有効にする。 .IP LIBBLKID_DEBUG=all libblkid デバッグ出力を有効にする。 .IP LIBMOUNT_DEBUG=all libmount デバッグ出力を有効にする。 .IP LIBSMARTCOLS_DEBUG=all libsmartcols デバッグ出力を有効にする。 .IP LIBSMARTCOLS_DEBUG_PADDING=on 目に見える埋め文字 (padding characters) を使用する。LIBSMARTCOLS_DEBUG 有効にしておく必要がある。 .SH 関連項目 \fBls\fP(1), \fBblkid\fP(8), \fBfindmnt\fP(8) .SH 入手方法 この lsblk コマンドは、util\-linux パッケージの一部であり、次の URL から入手できる。https://www.kernel.org/pub/linux/utils/util\-linux/