.\" .\" Author: Lasse Collin .\" .\" This file has been put into the public domain. .\" You can do whatever you want with this file. .\" .\"******************************************************************* .\" .\" This file was generated with po4a. Translate the source file. .\" .\"******************************************************************* .\" .\" translated for 5.2.5, 2022-05-21 ribbon .\" .TH XZDEC 1 2017\-04\-19 Tukaani "XZ Utils" .SH 名前 xzdec, lzmadec \- .xz および .lzma の伸長を行う簡易版 .SH 書式 \fBxzdec\fP [\fIoption...\fP] [\fIfile...\fP] .br \fBlzmadec\fP [\fIoption...\fP] [\fIfile...\fP] .SH 説明 \fBxzdec\fP は \fB.xz\fP に対しての (そして \fB.xz\fP のみの) 伸長処理を行うだけの liblzma ベースのツールです。\fBxzdec\fP は \fBxz\fP(1) のドロップインとしての置き換えが意識されています。つまり \fBxz \-\-decompress \-\-stdout\fP という形で (そしておそらくはよく使われる他のオプションをともなって) \fB.xz\fP ファイルの伸長を行うスクリプト内において利用するといった場面です。\fBlzmadec\fP は \fBxzdec\fP と同等であり、ただしサポートするファイルが \&\fB.xz\fP ではなく \fB.lzma\fP になります。 .PP 実行モジュールサイズを小さく抑えていることから、\fBxzdec\fP はマルチスレッドやローカライゼーションをサポートしていません。また環境変数 \fBXZ_DEFAULTS\fP や \fBXZ_OPT\fP からのオプション読み込みも行いません。\fBxzdec\fP は処理途中の進行情報も表示しません。つまり \fBxzdec\fP に対して \fBSIGINFO\fP を送信しても何も起きません。ただし \fBSIGUSR1\fP を送信すると、進行情報が表示されるわけではなく、プロセスが停止します。 .SH オプション .TP \fB\-d\fP, \fB\-\-decompress\fP, \fB\-\-uncompress\fP \fBxz\fP(1) との互換性のために無視されます。\fBxzdec\fP では伸長処理のみがサポートされています。 .TP \fB\-k\fP, \fB\-\-keep\fP \fBxz\fP(1) との互換性のために無視されます。\fBxzdec\fP ではファイルの生成削除は行いません。 .TP \fB\-c\fP, \fB\-\-stdout\fP, \fB\-\-to\-stdout\fP \fBxz\fP(1) との互換性のために無視されます。\fBxzdec\fP では伸長したデータを常に標準出力します。 .TP \fB\-q\fP, \fB\-\-quiet\fP \fBxzdec\fP からの警告や通知の表示を行いません。一度これを指定した後は、何も表示されなくなります。二度指定すると、エラー表示が行われなくなります。 .TP \fB\-Q\fP, \fB\-\-no\-warn\fP \fBxz\fP(1) との互換性のために無視されます。\fBxzdec\fP では終了コード 2 は用いません。 .TP \fB\-h\fP, \fB\-\-help\fP ヘルプメッセージを表示して正常終了します。 .TP \fB\-V\fP, \fB\-\-version\fP \fBxzdec\fP と liblzma のバージョン番号を表示します。 .SH 終了ステータス .TP \fB0\fP 処理正常。 .TP \fB1\fP エラー発生。 .PP \fBxzdec\fP には \fBxz\fP(1) にあるような警告メッセージはありません。したがって終了ステータス 2 は \fBxzdec\fP では利用されません。 .SH 情報 普段利用するには \fBxzdec\fP や \fBlzmadec\fP ではなく \fBxz\fP(1) としてください。\fBxzdec\fP や \fBlzmadec\fP は、\fBxz\fP(1) の機能をフル活用するような場面ではなく、よりコンパクトに伸長処理だけが必要となる場面での利用が想定されています。 .PP \fBxzdec\fP と \fBlzmadec\fP は、そう言うほどにコンパクトではありません。コンパイル時に liblzma の機能を削れば、さらにサイズを小さくすることができます。ただしオペレーティングシステムが配布する、通常の非埋め込みタイプの実行モジュールにおいては、サイズ縮小を行うことは好ましくありません。本当にコンパクトな \&\fB.xz\fP 伸長処理が必要であれば、埋め込み XZ (XZ Embedded) の利用を検討してください。 .SH 関連項目 \fBxz\fP(1) .PP 埋め込み XZ: