STRTOD(3) | Linux Programmer's Manual | STRTOD(3) |
名前¶
strtod, strtof, strtold - ASCII 文字列を浮動小数点実数に変換する
書式¶
#include <stdlib.h>
double strtod(const char *nptr, char
**endptr);
float strtof(const char *nptr, char
**endptr);
long double strtold(const char *nptr, char
**endptr);
glibc
向けの機能検査マクロの要件
(feature_test_macros(7) 参照):
strtof(), strtold():
または cc -std=c99
説明¶
strtod(), strtof(), strtold() 関数は、 nptr が指し示す文字列のはじめの部分を double, float, long double 型の値にそれぞれ変換する。
入力する文字列 (の先頭部分) は以下の形式が期待されている。 先頭にホワイトスペース、 次にプラス ('+') またはマイナス ('-') の記号、 その後に (i) 10 進数、(ii) 16 進数、(iii) 無限、 (iv) NAN (計算できない数、not-a-number) のいずれかがある (ホワイトスペース、符号は省略可能。 ホワイトスペースは isspace(3) で識別される)。
10 進数 は 1 文字以上の 10 進の数字の列からなり、 基を表す文字 (radix charater) (小数点。ロケールに依存するが、通常は '.') が含まれることもある。 この後に 10 進の指数部が続いても良い。 10 進の指数部は 'E' または 'e' と、その後に置かれる正負記号 (省略可)、 およびその後に続く 1 文字以上の 10 進の数字の列からなり、 10 の何乗であるかを表す。
16 進数 は、"0x" または "0X" とその後に続く 1 文字以上の 16 進の数字の列からなり、 基を表す文字が含まれることもある。 この後に 2 進の指数部が続いても良い。 2 進の指数部は 'P' または 'p' と、その後に置かれる正負記号 (省略可)、 およびその後に続く 1 文字以上の 10 進の数字の列から構成され、 2 の何乗であるかを表す。 基を表す文字と 2 進の指数部は、どちらか一方しか存在してはならない。
無限 は "INF" または "INFINITY" で表され、大文字小文字は区別されない。
NAN は "NAN" (大文字小文字は区別されない) で表され、 その後に文字列 (n-char-sequence) が続く場合もある。 (n-char-sequence) は実装に依存する NAN の型を指定する。
返り値¶
これらの関数は、変換された値があれば、それを返す。
endptr が NULL でないときは、変換に使われた最終文字の次の文字へのポインターが endptr で参照される場所へ保存される。
変換が行われなかったときには 0 が返る。そして endptr が参照している場所に nptr の値 (変換対象である文字列の開始アドレス) が保存される。
正しい形式の数値文字列であるが、変換結果がオーバーフローを起こした場合 には、プラスまたはマイナスの HUGE_VAL (HUGE_VALF, HUGE_VALL) が返り (値の符号による)、 ERANGE が errno に代入される。変換結果がアンダーフローを起こした場合には 0 が返り、 ERANGE が errno に代入される。
エラー¶
- ERANGE
- オーバーフローまたはアンダーフローが起こった。
属性¶
マルチスレッディング (pthreads(7) 参照)¶
関数 strtod(), strtof(), strtold() は、例外付きのスレッドセーフである。実行中に setlocale(3) を呼び出してロケールを変更しない限り、マルチスレッドアプリケーションで安全に使用することができる。
準拠¶
C89 では strtod() が、C99 では残りの 2 つの関数が記述されている。
注意¶
成功、失敗どちらの場合でも 0 を返す可能性があるので、 プログラムは呼び出す前に errno を 0 に設定し、呼び出し後に errno が 0 以外の値かどうかを確認しエラーが発生したかどうかを判断する 必要がある。
glibc の実装では、"NAN" の後ろに置くことができる n-char-sequence は、整数値として解釈される (基数の 8 や 16 を示す '0' や '0x' を接頭辞として付けることができる)。 この整数値は返り値の仮数部として使われる。
例¶
strtol(3) のマニュアルページの例を参照。 このページで説明した関数の使用方法も同様である。
関連項目¶
atof(3), atoi(3), atol(3), nan(3), nanf(3), nanl(3), strtol(3), strtoul(3)
この文書について¶
この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 3.79 の一部 である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は http://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。
2014-08-19 | Linux |