.\" Copyright (c) 1986 The Regents of the University of California. .\" All rights reserved. .\" .\" %%%LICENSE_START(PERMISSIVE_MISC) .\" Redistribution and use in source and binary forms are permitted .\" provided that the above copyright notice and this paragraph are .\" duplicated in all such forms and that any documentation, .\" advertising materials, and other materials related to such .\" distribution and use acknowledge that the software was developed .\" by the University of California, Berkeley. 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\fBRES_DEBUG\fP を \fI_res.options\fP にセットする (glibc がデバッグを有効にしてコンパイルされている場合にのみ有効である; \fBresolver\fP(3) を参照)。 .TP \fBndots:\fP\fIn\fP .\" Since glibc 2.2 「\fI最初の完全な名前での問い合わせ\fPが実行される前に、 \fBres_query\fP(3) (\fBresolver\fP(3) を参照) に与えられる名前に含まれているべきドットの数の閾値」を設定する。 \fIn\fP のデフォルトは 1 である。 これは、名前にドットがある場合、\fIsearch list\fP の要素が付加される前に、 その名前が完全な名前として最初に試されるということを意味している。 このオプションの値の上限は 15 であり、黙ってこの値まで切り詰められる。 .TP \fBtimeout:\fP\fIn\fP .\" Since glibc 2.2 「レゾルバが他のネームサーバで問い合わせをリトライする前に、 リモートネームサーバからの応答を待つ時間」を設定する。 単位は秒で、デフォルトは \fBRES_TIMEOUT\fP である (現状では 5 秒、\fI\fP を参照)。 このオプションの値の上限は 30 であり、黙ってこの値まで切り詰められる。 .TP \fBattempts:\fP\fIn\fP 「レゾルバが諦めて呼び出し元のアプリケーションにエラーを返すまでに、 ネームサーバに問い合わせを行う回数」を設定する。 デフォルトは \fBRES_DFLRETRY\fP 回である (現状では 2 回、\fI\fP を参照)。 このオプションの値の上限は 5 であり、黙ってこの値まで切り詰められる。 .TP \fBrotate\fP .\" Since glibc 2.2 \fI_res.options\fP に RES_ROTATE を設定する。リストされているネームサーバから選ぶときに、ラウンドロビン (round\-robin) 選択を行わせる。リストされている全てのサーバで問い合わせの負荷を分散する効果があり、最初にリストされたサーバに全てのクライアントが毎回最初に問い合わせを行うわけではなくなる。 .TP \fBno\-check\-names\fP .\" since glibc 2.2 \fI_res.options\fP に \fBRES_NOCHECKNAME\fP を設定する。 入ってくるホスト名とメールアドレスに、 アンダースコア (_)・ASCII 以外の文字・制御文字といった 不正な文字が含まれていないかを調べる 最近の BIND のチェックを無効にする。 .TP \fBinet6\fP .\" Since glibc 2.2 \fI_res.options\fP に \fBRES_USE_INET6\fP を設定する。このオプションが設定されると、 \fBgethostbyname\fP(3) 関数の内部で A レコードの問い合わせを行う前に AAAA レコードの問い合わせを行うようになる。 また、AAAA レコードは見つからないが A レコードセットが存在する場合に、 IPv4 の応答を IPv6「トンネル形式」にマップするようになる。 .TP \fBip6\-bytestring\fP (glibc 2.3.4 以降) \fI_res.options\fP に \fBRES_USE_BSTRING\fP を設定する。このオプションが設定されると、IPv6 アドレスの逆引きで RFC\ 2673 で規定された bit\-label 形式が使用されるようになる。 このオプションが設定されない場合、nibble 形式が使用される。 .TP \fBip6\-dotint\fP/\fBno\-ip6\-dotint\fP (glibc 2.3.4 以降) \fI_res.options\fP への \fBRES_NOIP6DOTINT\fP のセット/クリアを行う。 このオプションがクリアされると (\fBip6\-dotint\fP)、 IPv6 アドレスの逆引きが (非推奨の) \fIip6.int\fP ゾーンで行われるようになり、 このオプションがセットされると (\fBno\-ip6\-dotint\fP)、 IPv6 アドレスの逆引きがデフォルトの \fIip6.arpa\fP ゾーンで行われるようになる。 このオプションはデフォルトでセットされる。 .TP \fBedns0\fP (glibc 2.6 以降) \fI_res.options\fP に \fBRES_USE_EDNSO\fP をセットする。これにより、RFC\ 2671 で規定されている DNS 拡張のサポートが有効になる。 .TP \fBsingle\-request\fP (glibc 2.10 以降) \fI_res.options\fP に \fBRES_SNGLKUP\fP をセットする。 glibc バージョン 2.9 以降では、 glibc はデフォルトでは IPv4 と IPv6 の検索を並行して実行する。 アプライアンス DNS サーバの中には、このような問い合わせを 適切に処理できず、検索要求がタイムアウトになってしまう。 このオプションをセットすると、このデフォルトの動作が無効になり、 glibc は IPv6 と IPv4 の検索を順番に実行するようになる (名前解決処理が若干遅くなるというデメリットがある)。 .TP \fBsingle\-request\-reopen\fP (glibc 2.9 以降) リゾルバは同じソケットを使って A レコードと AAAA レコードの検索要求を行う。 いくつかのハードウェアは実装が間違っており、応答を一つしか返さない。 この状況になると、クライアントシステムは 2 番目の応答を待ち続けてしまう。 このオプションを有効にすると、この動作が変更され、 同じポートからの 2 つの検索要求が正しく処理されなかった場合、 2 番目の検索要求を送信する前にソケットをクローズし 新しいソケットをオープンするようになる。 .TP \fBno\-tld\-query\fP (glibc 2.14 以降) RES_NOTLDQUERY を \fI_res.options\fP にセットする。 このオプションを設定すると、 \fBres_nsearch\fP() が完全なドメイン名ではない名前のトップレベルドメイン (TLD) としての検索を行わなくなる。 これにより、localhost に検索リストの要素をつけるのではなく、\*(lqlocalhost\*(rq を TLD として設定しているようなサイトでは問題が起こる可能性がある。 RES_DEFNAMES も RES_DNSRCH もセットされていない場合には、このオプションは効果はない。 .RE .LP \fIdomain\fP と \fIsearch\fP キーワードは、互いに排他的である。 これらのキーワードが 2 つ以上記述されている場合、 最後に記述されているものが有効になる。 .LP システムの \fIresolv.conf\fP ファイルにある \fIsearch\fP キーワードは、 スペースで区切った検索ドメインのリストを 環境変数 \fBLOCALDOMAIN\fP に設定することにより、各プロセス毎に上書きすることができる。 .LP システムの \fIresolv.conf\fP ファイルにある \fIoptions\fP キーワードは、 上の \fBoptions\fP セクションで説明したように、 スペースで区切ったレゾルバオプションのリストを 環境変数 \fBRES_OPTIONS\fP に設定することにより、各プロセス毎に修正することができる。 .LP キーワードと値は同じ行に書かなければならない。 また、(\fBnameserver\fP のような) キーワードが行の先頭になければならない。 値はキーワードの後にスペースで区切って続ける。 セミコロン (;) かハッシュ文字 (#) で始まる行はコメントとして扱われる。 .SH ファイル \fI/etc/resolv.conf\fP, \fI\fP .SH 関連項目 \fBgethostbyname\fP(3), \fBresolver\fP(3), \fBhostname\fP(7), \fBnamed\fP(8) .br BIND のネームサーバオペレーションガイド .SH この文書について この man ページは Linux \fIman\-pages\fP プロジェクトのリリース 3.79 の一部 である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は http://www.kernel.org/doc/man\-pages/ に書かれている。