.\" This manpage has been automatically generated by docbook2man .\" from a DocBook document. This tool can be found at: .\" .\" Please send any bug reports, improvements, comments, patches, .\" etc. to Steve Cheng . .\"******************************************************************* .\" .\" This file was generated with po4a. Translate the source file. .\" .\"******************************************************************* .\" .\" Japanese Version Copyright (C) 2005 Suzuki Takashi .\" all rights reserved. .\" Translated Sun Jul 10 00:42:36 JST 2005 .\" by Suzuki Takashi . .\" .TH MODPROBE 8 "08 May 2005" "" "" .SH 名前 modprobe \- Linux カーネルにモジュールを追加したり削除したりするプログラム .SH 書式 \fBmodprobe\fP [ \fB\-v\fP ] [ \fB\-V\fP ] [ \fB\-C \fP\fIconfig\-file\fP ] [ \fB\-n\fP ] [ \fB\-i\fP ] [ \fB\-q\fP ] [ \fB\-o \fP\fImodulename\fP ] [ \fImodulename\fP ] [ \fImodule parameters\fP\fI \&...\fP ] \fBmodprobe\fP [ \fB\-r\fP ] [ \fB\-v\fP ] [ \fB\-n\fP ] [ \fB\-i\fP ] [ \fImodulename\fP\fI ...\fP ] \fBmodprobe\fP [ \fB\-l\fP ] [ \fB\-t \fP\fIdirname\fP ] [ \fIwildcard\fP ] \fBmodprobe\fP [ \fB\-c\fP ] .SH 説明 .PP \fBmodprobe\fP は Linux カーネルに賢くモジュールを追加したり削除したりする。 利便性のため、モジュール名において _ と \- の違いはないことに注意。 \fBmodprobe\fP は、 全てのモジュールと他のファイルを モジュールディレクトリ \fI/lib/modules/`uname \-r`\fP から参照する。 このほかに、もしあれば \fI/etc/modprobe.conf\fP 設定ファイルと \fI/etc/modprobe.d\fP ディレクトリを参照する (\fBmodprobe.conf\fP(5) を参照) 。 .PP このバージョンの \fBmodprobe\fP は、 自身ではモジュールに対して何もしないことに注意。 シンボルの解決やパラメータの解釈といった処理はカーネルの中で行なわれる。 そのため、モジュールの不具合はカーネルのメッセージとして報告されることもある。 \fBdmesg\fP(8) を参照。 .PP \fBmodprobe\fP を実行するときは、 \fBdepmod\fP (\fBdepmod\fP(8) を参照) で生成された \fImodules.dep\fP が最新の状態になっていなければならない。 このファイルには、 それぞれのモジュールが (もしあれば) 他のどのモジュールを 必要としているかが列挙されていて、 \fBmodprobe\fP はこれを使って依存するモジュールを自動的に追加したり削除したりする。 (\fBmodules.dep\fP(5) を参照) 。 .PP \fImodulename\fP の後ろに指定された引数は、 カーネルに渡される (設定ファイルに列挙されたオプションに追加される) 。 .SH オプション .TP \fB\-v \-\-verbose \fP プログラムが何をしているかに関するメッセージを表示する。 通常、 \fBmodprobe\fP は何かまずいことが起こった場合に限って メッセージを表示する。 このオプションは \fBinstall\fP および \fBremove\fP コマンドを通じて、 MODPROBE_OPTIONS 環境変数にある \fBmodprobe\fP の他のコマンドに渡される。 .TP \fB\-C \-\-config \fP このオプションはデフォルトの設定ファイル (\fI/etc/modprobe.conf\fP や \fI/etc/modprobe.d/\fP) を無視する。 このオプションは \fBinstall\fP および \fBremove\fP コマンドを通じて、 MODPROBE_OPTIONS 環境変数にある \fBmodprobe\fP の他のコマンドに渡される。 .TP \fB\-c \-\-showconfig \fP 設定ファイルの内容を表示し、終了する。 .TP \fB\-n \-\-dry\-run \fP このオプションは実際にモジュールを登録したり削除したりする (あるいは install や remove コマンドを実行する) 以外の、 全ての処理を行なう。 \fB\-v\fP と組み合わせて使うと、不具合をデバッグするのに便利である。 .TP \fB\-i \-\-ignore\-install \-\-ignore\-remove \fP このオプションを使うと、 \fBmodprobe\fP は コマンドラインで指定されたモジュールに対する 設定ファイル中の \fBinstall\fP および \fBremove\fP コマンドを (もしあれば) 無視する (ただし、依存するモジュールは設定ファイル中のコマンドに従う) 。 \fBmodprobe.conf\fP(5) を参照。 .TP \fB\-q \-\-quiet \fP 通常、 \fBmodprobe\fP は 見つからない (かつエイリアスでもないか \fBinstall\fP/\fBremove\fP コマンドでもない) モジュールを 削除したり登録したりしようとすると、エラーを通知する。 このフラグを使うと、 \fBmodprobe\fP は でたらめな名前は単に無視する (カーネルはこの名前を使って 存在するかもしれないモジュールを日和見的にプローブする) 。 .TP \fB\-r \-\-remove \fP このオプションで \fBmodprobe\fP は モジュールを削除する。 このオプションがない場合は登録する。 依存するモジュールも使われていない場合、 \fBmodprobe\fP はそれらも削除しようとする。 登録とは異なり、複数のモジュールをコマンドラインで指定することができる (モジュールを削除するときにモジュールパラメータを指定するのは意味がない) 。 通常は、モジュールを削除する理由などないが、 不具合のあるモジュールには必要である。 使っているカーネルがモジュールの削除に対応していないかもしれない。 .TP \fB\-V \-\-version \fP プログラムのバージョンを表示し、終了する。 古いカーネルで実行する場合の注意については下を参照。 .TP \fB\-f \-\-force \fP モジュールからバージョンに関する情報を取り除こうとする (そうしないとロードできないモジュールに対して) 。 このオプションは \fB\-\-force\-vermagic\fP と \fB\-\-force\-modversion\fP オプションの 両方を使ったのと同じである。 当然のことながら、 これらのチェックはあなたを守るために存在するのであって、 このオプションを使うのは危険である。 このオプションは登録されるすべてのモジュールに適用される。 つまり、 コマンドラインで指定したモジュール (またはエイリアス) だけでなく、 依存するモジュールにも有効である。 .TP \fB\-\-force\-vermagic \fP どのモジュールにも、 カーネルやコンパイラのバージョンといった、 重要な情報を持つ短い文字列がある。 モジュールがロードに失敗し、カーネルが "version magic" が 一致しないと文句を言う場合、このオプションを使って "version magic" を削除することができる。 当然のことながら、 これらのチェックはあなたを守るために存在するのであって、 このオプションを使うのは危険である。 このオプションは登録されるすべてのモジュールに適用される。 つまり、 コマンドラインで指定したモジュール (またはエイリアス) だけでなく、 依存するモジュールにも有効である。 .TP \fB\-\-force\-modversion \fP モジュールが CONFIG_MODVERSIONS をセットして コンパイルされている場合、 モジュールが使っている (または提供する) ひとつひとつのインタフェースのバージョンを記したセクションが生成される。 モジュールがロードに失敗し、 カーネルがインタフェースのバージョンの一致しないものがあると文句を言う場合、 "\-\-force\-modversion" を使ってバージョン情報をばっさり削除することができる。 当然のことながら、 これらのチェックはあなたを守るために存在するのであって、 このオプションを使うのは危険である。 このオプションは登録されるすべてのモジュールに適用される。 つまり、 コマンドラインで指定したモジュール (またはエイリアス) だけでなく、 依存するモジュールにも有効である。 .TP \fB\-l \-\-list \fP 指定されたワイルドカード (あるいはワイルドカードが指定されない場合 "*") に一致する すべてのモジュールを列挙する。 このオプションは下位互換性のために用意されている。 もっと柔軟性のある代替品として、 \fBfind\fP(1) や \fBbasename\fP(1) を参照。 .TP \fB\-a \-\-all \fP 指定されたワイルドカードに一致する全てのモジュールを登録する。 このオプションは下位互換性のために用意されている。 もっと柔軟性のある代替品として、 \fBfind\fP(1) や \fBbasename\fP(1) を参照。 .TP \fB\-t \-\-type \fP \fB\-l\fP を 指定された \fIdirname\fP に一致するディレクトリにあるモジュールに限定する。 このオプションは下位互換性のために用意されている。 もっと柔軟性のある代替品として、 \fBfind\fP(1) や \fBbasename\fP(1) を参照。 .TP \fB\-s \-\-syslog \fP このオプションを使うと、 すべてのエラーメッセージが syslog の仕組みで (LOG_NOTICE というレベルの LOG_DAEMON として) 通知されるようになる。 このオプションがない場合は標準エラーに出力される。 このオプションは標準エラーが使えない場合、自動的に有効になる。 このオプションは \fBinstall\fP および \fBremove\fP コマンドを通じて、 MODPROBE_OPTIONS 環境変数にある \fBmodprobe\fP の他のコマンドに渡される。 .TP \fB\-\-set\-version \fP カーネルバージョンを設定する。 このオプションがない場合、 カーネルバージョン (モジュールを検索する場所を表す) を 決定するために \fBuname\fP(2) が使われる。 このオプションは下位互換性のチェックも無効にする (そのため \fBmodprobe.old\fP(8) は一切実行されない) 。 .TP \fB\-\-show\-depends \fP モジュール (またはエイリアス) の依存関係を列挙する。 モジュール自身も含まれる。 このオプションは モジュールのファイル名の集合 (空の場合もある) を生成する。 1 行に 1 個のモジュールが表示され、先頭に "insmod" が付く。 install コマンドが適用される場合、先頭に "install" が付く。 install コマンドは一切実行しない。 \fBmodinfo\fP(8) を使えば モジュール自身からモジュールの依存関係を取り出すことができるが、 エイリアスや install コマンドについては全く分からないことに注意。 .TP \fB\-o \-\-name \fP このオプションはカーネルに登録されるモジュールの名前を変更しようとする。 テスト用のモジュールには複数回登録することのできるものがあり便利だが、 カーネルは同じ名前のモジュールが 2 個あると拒否する。 通常、モジュールを複数回登録する必要はないはずである。 なぜならモジュールに対応していない場合に役に立たないからである。 .TP \fB\-\-first\-time \fP 通常、 \fBmodprobe\fP は すでに存在するモジュールを登録しようとした場合や 存在しないモジュールを削除しようとした場合にも 成功する (そして何もしない) 。 この振る舞いは modutils と下位互換性があり、 単純なスクリプトにとっては望ましい。 しかし、もっと複雑なスクリプトでは \fBmodprobe\fP が実際に何かをしたかどうかを知りたくなることも多い。 このオプションは上のような場合、 modprobe が失敗するようにする。 .SH 下位互換性 .PP このバージョンの \fBmodprobe\fP は、 カーネル \fB2.5.48\fP およびそれ以降のためのものである。 古い形式のモジュールに対応したカーネルを検出すると (そのためのほとんどの処理はユーザ空間で行なわれる) 、 その場で \fBmodprobe.old\fP を実行しようとする。 そのため、ユーザは全く意識しなくてよい。 .SH 環境変数 .PP MODPROBE_OPTIONS 環境変数も \fBmodprobe\fP に引数を渡すのに使うことができる。 .SH 著作権 .PP このマニュアルページの著作権表示は Copyright 2002, Rusty Russell, IBM Corporation. .SH 関連項目 .PP \fBmodprobe.conf\fP(5), \fBlsmod\fP(8), \fBmodprobe.old\fP(8)