.\" Copyright 1993 David Metcalfe (david@prism.demon.co.uk) .\" .\" %%%LICENSE_START(VERBATIM) .\" Permission is granted to make and distribute verbatim copies of this .\" manual provided the copyright notice and this permission notice are .\" preserved on all copies. .\" .\" Permission is granted to copy and distribute modified versions of this .\" manual under the conditions for verbatim copying, provided that the .\" entire resulting derived work is distributed under the terms of a .\" permission notice identical to this one. .\" .\" Since the Linux kernel and libraries are constantly changing, this .\" manual page may be incorrect or out-of-date. The author(s) assume no .\" responsibility for errors or omissions, or for damages resulting from .\" the use of the information contained herein. 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Translate the source file. .\" .\"******************************************************************* .\" .\" Japanese Version Copyright (c) 1998 NAKANO Takeo all rights reserved. .\" Translated 1998-03-23, NAKANO Takeo .\" Updated 2000-09-14, Kentaro Shirakata .\" Updated 2002-01-06, NAKANO Takeo .\" Updated 2007-01-07, Akihiro MOTOKI, catch up to LDP v2.43 .\" .TH TZSET 3 2012\-03\-25 "" "Linux Programmer's Manual" .SH 名前 tzset, tzname, timezone, daylight \- 時刻の変換情報を初期化する .SH 書式 .nf \fB#include \fP .sp \fBvoid tzset (void);\fP .sp \fBextern char *\fP\fItzname\fP\fB[2];\fP \fBextern long \fP\fItimezone\fP\fB;\fP \fBextern int \fP\fIdaylight\fP\fB;\fP .fi .sp .in -4n glibc 向けの機能検査マクロの要件 (\fBfeature_test_macros\fP(7) 参照): .in .sp \fBtzset\fP(): _POSIX_C_SOURCE\ >=\ 1 || _XOPEN_SOURCE || _POSIX_SOURCE .br \fItzname\fP: _POSIX_C_SOURCE\ >=\ 1 || _XOPEN_SOURCE || _POSIX_SOURCE .br \fItimezone\fP: _SVID_SOURCE || _XOPEN_SOURCE .br \fIdaylight\fP: _SVID_SOURCE || _XOPEN_SOURCE .SH 説明 \fBtzset\fP() 関数は \fBTZ\fP 環境変数を用いて \fItzname\fP 変数を初期化する。 この関数は、タイムゾーンに依存する他の時刻変換関数から自動的に呼び出される。 System V 的な環境では、この関数は変数 \fItimezone\fP (UTC からの西向きの秒数) と \fIdaylight\fP (このタイムゾーンにサマータイムに関するルールがなければ 0、 サマータイム期間が一年のどこかにあれば 0 以外) も設定する。 .PP \fBTZ\fP 環境変数が設定されていない場合には、 \fItzname\fP 変数はローカルな壁時計時刻 (wall clock time) に 最も近い値に初期化される。 このローカルな壁時計時刻としては、 システムのタイムゾーンディレクトリ (後述) にある \fBtzfile\fP(5) 形式のファイル \fIlocaltime\fP で指定されている値が用いられる。 (この際には \fI/etc/localtime\fP もよく用いられる。 これはシステムのタイムゾーンディレクトリにある 適切なファイルへのシンボリックリンクになっている。) .PP \fBTZ\fP 環境変数が存在しているが、その値が空だったり、 以下に示す形式のどれにもあてはまらない場合は、 協定世界時 (Coordinated Universal Time: UTC) が用いられる。 .PP \fBTZ\fP の値は以下の 3 つの形式のいずれかを取ることができる。 最初の形式はサマータイム (daylight saving time) を持たないローカルタイムゾーンに対して用いる。 .sp .RS \fIstd offset\fP .RE .sp \fIstd\fP 文字列はタイムゾーンの名前を指定する。 アルファベットからなる 3 文字以上の文字列でなければならない。 \fIoffset\fP 文字列は \fIstd\fP の直後に続き、 協定世界時 (UTC) を得るために ローカルな時刻に加えなければならない時間を指定する。 \fIoffset\fP は、ローカルタイムゾーンがグリニッジ子午線 (Prime Meridian) の西なら正の値、東なら負の値を取る。 時間 (hour) は 0 から 24 の間でなければならない。 分 (minute) と秒 (second) は 0 から 59 の間でなければならない。 .PP 2 番目の形式はサマータイムがある場合に用いられる。 .sp .RS \fIstd offset dst [offset],start[/time],end[/time]\fP .RE .sp 指定にはスペースを含めてはならない。 先頭の \fIstd\fP と \fIoffset\fP は 1 番目の形式と同じで、 標準のタイムゾーンを指定する。 \fIdst\fP 文字列と \fIoffset\fP は、 対応するサマータイムゾーンの名前とオフセットを指定する。 オフセットが省略されると、デフォルトでは標準の一時間前となる。 .PP \fIstart\fP フィールドはサマータイムが有効になる時刻、 \fIend\fP フィールドは標準に戻る時刻である。 これらのフィールドは以下の形式で指定する。 .TP J\fIn\fP 年の通日 (Julian day) で日にちを指定する。 \fIn\fP は 1 から 365 の間の数値。閏日は計算に入らない。 この形式では、2 月 29 日を表現することはできず、 2 月 28 日が第 59 日で、3 月 1 日が常に第 60 日となる。 .TP \fIn\fP 年の通日 (Julian day) で日にちを指定する。 \fIn\fP は 1 から 365 の間の数値。 閏年の場合も、2 月 29 日も日にちの計算に含められる。 .TP M\fIm\fP.\fIw\fP.\fId\fP \fIm\fP は月 (1 <= \fIm\fP <= 12) を、 \fIw\fP は月のうちの週 (1 <= \fIw\fP <= 5) を、 \fId\fP は週のうちの日にち (0 <= \fId\fP <= 6) を示す。 \fIw\fP = 1 は所属する \fId\fP が存在する最初の週、 \fIw\fP = 5 は最後の週である。 \fId\fP = 0 は日曜日である。 .PP \fItime\fP フィールドは、ローカルタイムを切り替える時刻を、 変更前のローカルタイムで表したものである。 省略された場合のデフォルトは 02:00:00 である。 ニュージーランドの例である。 ニュージーランドでは、標準のタイムゾーン (NZST) は UTC より 12時間進んでおり、 サマータイム (NZDT) は UTC の 13時間進んでいる。 サマータイムは 10月の第一日曜から 3月の第三日曜までであり、 ローカルタイムの切り替えはデフォルトの 02:00:00 に行われる。 .nf TZ="NZST\-12:00:00NZDT\-13:00:00,M10.1.0,M3.3.0" .fi .PP 3 番目の形式は、タイムゾーンの情報をファイルから読み込むように指定する。 .sp .RS :[filespec] .RE .sp ファイルの指定 \fIfilespec\fP が省略された場合は、 タイムゾーンの情報はシステムタイムゾーンディレクトリの \fIlocaltime\fP ファイルから読まれる。 最近ではシステムタイムゾーンディレクトリは普通 \fI/usr/share/zoneinfo/localtime\fP である。 このファイルは \fBtzfile\fP(5) 形式で書かれている。 \fIfilespec\fP が与えられた場合は、 タイムゾーンの情報をそのファイルから読み込む。このファイルも \fBtzfile\fP(5) 形式で書かれている必要がある。 \fIfilespec\fP が \(aq/\(aq で始まらなかった場合には、 システムタイムゾーンディレクトリからの相対パスで ファイルが指定されたことになる。 .PP 例を挙げておく。もう一度ニュージーランドの例である。 .nf TZ=":Pacific/Auckland" .fi .SH ファイル 用いられるシステムタイムゾーンディレクトリは (g)libc のバージョンに依存する。 libc4 と libc5 は \fI/usr/lib/zoneinfo\fP を用いる。libc\-5.4.6 以降では、これが使えなかった場合には \fI/usr/share/zoneinfo\fP を使おうとする。 glibc2 では環境変数 \fBTZDIR\fP が存在すればそれを用いる。 このデフォルトはどのようにインストールされたかによるが、 普通は \fI/usr/share/zoneinfo\fP である。 .LP このタイムゾーンディレクトリには以下のファイルが含まれる。 .nf localtime ローカルタイムゾーンのファイル posixrules POSIX 式の TZ 書式ルール .fi .LP \fI/etc/localtime\fP は、 \fIlocaltime\fP ファイルや、 システムのタイムゾーンディレクトリ中の適切なタイムゾーンファイルへの シンボリックリンクであることが多い。 .SH 準拠 SVr4, POSIX.1\-2001, 4.3BSD. .SH 注意 \fIdaylight\fP 変数は、現在がサマータイムであるかどうかを示しているのではない。 これはいくつかあるアルゴリズムのうちの番号を与える (アルゴリズムについては \fBgettimeofday\fP(2) の \fItz_dsttime\fP 変数を見よ)。 これはもう何年も使われていないが、SUSv2 では必要とされている。 .LP 4.3BSD には \fBchar *timezone(\fP\fIzone\fP\fB, \fP\fIdst\fP\fB)\fP というルーチンがあり、これは 最初の引数 (UTC からの西向きの分数) に対応するタイムゾーンの名前を返す。 二番目の引数が 0 の場合は標準の名前が用いられ、 それ以外はサマータイム版の名前が用いられる。 .SH 関連項目 \fBdate\fP(1), \fBgettimeofday\fP(2), \fBtime\fP(2), \fBctime\fP(3), \fBgetenv\fP(3), \fBtzfile\fP(5) .SH この文書について この man ページは Linux \fIman\-pages\fP プロジェクトのリリース 3.65 の一部 である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は http://www.kernel.org/doc/man\-pages/ に書かれている。