.\" Copyright (c) 2007 Silicon Graphics, Inc. All Rights Reserved .\" Written by Dave Chinner .\" .\" %%%LICENSE_START(GPLv2_ONELINE) .\" May be distributed as per GNU General Public License version 2. .\" %%%LICENSE_END .\" .\" 2011-09-19: Added FALLOC_FL_PUNCH_HOLE .\" 2011-09-19: Substantial restructuring of the page .\" .\"******************************************************************* .\" .\" This file was generated with po4a. 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That would be consistent with .\" similar APIs for the len==0 case. .\" See "Re: [PATCH] fallocate.2: add FALLOC_FL_PUNCH_HOLE flag definition" .\" 21 Sep 2012 .\" http://thread.gmane.org/gmane.linux.file-systems/48331/focus=1193526 \fIoffset\fP が 0 未満だったか、 \fIlen\fP が 0 以下だった。 .TP \fBEINVAL\fP \fImode\fP が \fBFALLOC_FL_COLLAPSE_RANGE\fP で、 \fIoffset\fP と \fIlen\fP で指定された範囲がファイルの末尾かそれより先まで達している。 .TP \fBEINVAL\fP \fImode\fP が \fBFALLOC_FL_COLLAPSE_RANGE\fP だが、 \fIoffset\fP か \fIlen\fP のいずれかがファイルシステムのブロックサイズの倍数ではない。 .TP \fBEINVAL\fP \fImode\fP に \fBFALLOC_FL_COLLAPSE_RANGE\fP と他のフラグの両方が指定されている。 \fBFALLOC_FL_COLLAPSE_RANGE\fP と他のフラグを一緒に使うことができない。 .TP \fBEINVAL\fP .\" There was a inconsistency in 3.15-rc1, that should be resolved so that all .\" filesystems use this error for this case. (Tytso says ex4 will change.) .\" http://thread.gmane.org/gmane.comp.file-systems.xfs.general/60485/focus=5521 .\" From: Michael Kerrisk (man-pages .\" Subject: Re: [PATCH v5 10/10] manpage: update FALLOC_FL_COLLAPSE_RANGE flag in fallocate .\" Newsgroups: gmane.linux.man, gmane.linux.file-systems .\" Date: 2014-04-17 13:40:05 GMT \fImode\fP が \fBFALLOC_FL_COLLAPSE_RANGE\fP だが、 \fIfd\fP が参照しているファイルが通常のファイルではない。 .TP \fBEIO\fP ファイルシステムとの読み書き中に入出力エラーが発生した。 .TP \fBENODEV\fP \fIfd\fP が通常のファイルかディレクトリを参照していない (\fIfd\fP がパイプや FIFO を参照している場合、別のエラーが発生する)。 .TP \fBENOSPC\fP \fIfd\fP が参照するファイルを含むデバイスに十分な空き領域がない。 .TP \fBENOSYS\fP このカーネルでは \fBfallocate\fP() は実装されていない。 .TP \fBEOPNOTSUPP\fP \fIfd\fP が参照するファイルを含むファイルシステムが 指定された操作を サポートしていない。 \fIfd\fP が参照するファイルを含むファイルシステムが \fImode\fP をサポートしていない。 .TP \fBEPERM\fP \fIfd\fP が参照するファイルに変更不可 (immutable) の属性が付いている (\fBchattr\fP(1) 参照)。 \fImode\fP に \fBFALLOC_FL_PUNCH_HOLE\fP か \fBFALLOC_FL_COLLAPSE_RANGE\fP が指定されたが、 \fIfd\fP が参照するファイルに追加のみ (append\-only) の属性が付いている (\fBchattr\fP(1) 参照)。 .TP \fBESPIPE\fP \fIfd\fP がパイプか FIFO を参照している。 .TP \fBETXTBSY\fP \fImode\fP に \fBFALLOC_FL_COLLAPSE_RANGE\fP が指定されたが、 \fIfd\fP が参照するファイルは現在実行中である。 .SH バージョン .\" See http://sourceware.org/bugzilla/show_bug.cgi?id=14964 \fBfallocate\fP() はカーネル 2.6.23 以降の Linux で利用可能である。 glibc での対応はバージョン 3.10 以降で行われている。 \fBFALLOC_FL_*\fP が glibc のヘッダファイルで定義されているのは、バージョン 2.18 以降のみである。 .SH 準拠 \fBfallocate\fP() は Linux 固有である。 .SH 関連項目 \fBfallocate\fP(1), \fBftruncate\fP(2), \fBposix_fadvise\fP(3), \fBposix_fallocate\fP(3) .SH この文書について この man ページは Linux \fIman\-pages\fP プロジェクトのリリース 3.65 の一部 である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は http://www.kernel.org/doc/man\-pages/ に書かれている。