.\" $Id: kterm.jman,v 6.4 1996/07/12 05:01:34 kagotani Rel $ .\" .\" Copyright (c) 1988, 1989, 1990, 1991, 1992, 1993 and 1994 .\" XXI working group in Japan Unix Society (XXI). .\" .\" The X Consortium, and any party obtaining a copy of these files from .\" the X Consortium, directly or indirectly, is granted, free of charge, a .\" full and unrestricted irrevocable, world-wide, paid up, royalty-free, .\" nonexclusive right and license to deal in this software and .\" documentation files (the "Software"), including without limitation the .\" rights to use, copy, modify, merge, publish, distribute, sublicense, .\" and/or sell copies of the Software, and to permit persons who receive .\" copies from any such party to do so. This license includes without .\" limitation a license to do the foregoing actions under any patents of .\" the party supplying this software to the X Consortium. .\" " .TH KTERM 1 "12 July 1996" "X Version 11" .SH NAME kterm \- 多国語用 X 端末エミュレータ .SH SYNOPSIS .B kterm [-\fItoolkitoption\fP ...] [-\fIxtermoption\fP ...] [-option ...] .SH DESCRIPTION \fIkterm\fP は、\fIxterm\fP(1) をもとにした、多国語用端末のエミュレー タです。\fIxterm\fP との主な違いは、ISO2022 で符号化された多国語テキス トを扱うことができ、色の付いたテキストを表示でき、ステータスライン機能 を持つという点です。多国語テキストの入力には、X Input Method (XIM) プ ロトコルと、kinput2 プロトコルの両方を利用することができます。詳しくは USING XIM と USING KINPUT2 の節を参照してください。 .PP .SH OPTIONS \fIkterm\fP は、\fIxterm\fP(1) のコマンドラインオプションに加え、 以下のオプションを受け付けます: .TP 8 .BI \-dfl \fIkterm\fP がフォントを動的に(要求があったときに)ロードすることを指示 します。大きなフォントをロードする際に、\fIkterm\fP や X サーバが一瞬 止まってしまうことがあります。 .TP 8 .BI \+dfl \fIkterm\fP がフォントをあらかじめロードしておくことを指示します。 .TP 8 .BI \-fl " fontlist" フォントのリストを指定します。\fIfontlist\fP は任意のワイルドカードを 含む XLFD を、カンマで区切って並べたリストです。\fIkterm\fP は、必要な 文字セットを持つフォントをこのリストから選択します。本リリースでは以下 の文字セットを使用することがあります: .br "iso8859-1", .br "iso8859-2", .br "iso8859-3", .br "iso8859-4", .br "iso8859-5", .br "iso8859-6", .br "iso8859-7", .br "iso8859-8", .br "iso8859-9", .br "jisx0201.1976-0", .br "jisx0208.1990-0" または "jisx0208.1983-0", .br "jisx0212.1990-0", .br "gb2312.1980-0", .br "ksc5601.1987-0", .br "jisc6226.1978-0" または "jisx0208.1983-0"。 .TP 8 .BI \-fn " iso8859/1-font" Latin-1 (ASCII を含む) のテキストを表示する時に用いる、通常の(ボールド でない) ISO8859/1 のフォントを指定します。指定されていない時は、 \fIfontlist\fP の中から探します。 .TP 8 .BI \-fr " roman-kana-font" 通常の JISX0201 のフォントを指定します。このフォントは、ISO8859/1 のフォ ントと同じ高さと幅を持っていなければなりません。指定されていない時は、 \fIfontlist\fP の中から探します。 .TP 8 .BI \-fk " kanji-font" 漢字テキストを表示する時に用いる通常の JISX0208 のフォントを指定します。 このフォントは、ISO8859/1 のフォントと同じ高さで、2倍の幅を持っていな ければなりません。指定されていない時は、\fIfontlist\fP の中から探しま す。 .TP .BI \-flb " bold-fontlist" .TP .BI \-fb " bold-font" .TP .BI \-frb " roman-kana-bold-font" .TP 8 .BI \-fkb " kanji-bold-font" ボールドフォントを指定します。 .TP 8 .BI \-lsp " dots" このオプションは各行間に挿入するスペースのドット数を指定します。 .TP 8 .BI \-ka \fIkterm\fP が X サーバとのソケット接続に KEEPALIVE オプションを用いる ことを指示します。サーバが電源をしばしば切る X 端末であるような時に有 用です。 .TP 8 .BI \+ka \fIkterm\fP が X サーバとのソケット接続に KEEPALIVE オプションを用いな いことを指示します。 .TP 8 .BI \-km " kanji-mode" pty とやりとりされる漢字コードを指定します。漢字モードが ``euc'' の場 合、入出力は日本語 EUC であると仮定します。``sjis'' の場合、Shift-JIS コード(マイクロソフト漢字コード)であると仮定します。 .TP 8 .BI \-sn デフォルトでは、ステータスラインは(ウインドウの他の部分に対して相対的 に)反転します。このオプションはステータスラインを反転しなくします(しか し、箱で囲まれます)。 .TP 8 .BI \+sn このオプションはステータスラインを反転します。 .TP 8 .BI \-st ステータスラインがスタート時に表示されるようにします。 .TP 8 .BI \+st ステータスラインがスタート時に表示されないようにします。 .TP 8 .BI \-version 単に \fIkterm\fP のバージョンを表示します。 .TP 8 .BI \-xim \fIkterm\fP の起動時に IM をオープン(しようと)することを指示します。適 切な IM サーバが走っていない場合は、\fIkterm\fP はそれを待つことはなく、 サーバが利用可能になってから接続を行います。 .TP 8 .BI \+xim \fIkterm\fP が起動時に IM をオープンしないことを指示します。 .SH RESOURCES このプログラムは、\fIxterm\fP のすべてのリソースと同様に、以下の \fIvt100\fP ウィジェット用リソースも解釈します。 .TP 8 .B "dynamicFontLoad (\fPclass\fB DynamicFontLoad)" \fIkterm\fP がフォントを動的にロードするかどうかを指定します。 デフォルトは ``true'' です。 .TP 8 .B "fontList (\fPclass\fB FontList)" フォント名のリストを指定します。デフォルトは ``-*-fixed-medium-r-normal--14-*, -*-gothic-medium-r-normal--14-*, -*-mincho-medium-r-normal--14-*'' です。 .TP 8 .B "boldFontList (\fPclass\fB FontList)" ボールドフォント名のリストを指定します。デフォルトでは指定しません。 .TP 8 .B "font (\fPclass\fB Font)" Latin-1 のフォント名を指定します。デフォルトでは指定しません。 .TP 8 .B "boldFont (\fPclass\fB Font)" Latin-1 のボールドフォント名を指定します。デフォルトでは指定しません。 .TP 8 .B "romanKanaFont (\fPclass\fB RomanKanaFont)" JIS-Roman と片仮名のフォント名を指定します。デフォルトでは指定しません。 .TP 8 .B "romanKanaBoldFont (\fPclass\fB RomanKanaFont)" JIS-Roman と片仮名のボールドフォント名を指定します。デフォルトでは指定しません。 .TP 8 .B "kanjiFont (\fPclass\fB KanjiFont)" 漢字のフォント名を指定します。デフォルトでは指定しません。 .TP 8 .B "kanjiBoldFont (\fPclass\fB KanjiFont)" 漢字のボールドフォント名を指定します。デフォルトでは指定しません。 .TP 8 .B "kanjiMode (\fPclass\fB KanjiMode)" pty とやりとりする漢字コードを指定します。デフォルトは ``jis'' です。 .TP 8 .B "lineSpace (\fPclass\fB LineSpace)" 各行間に挿入するスペース量を指定します。デフォルトは ``0'' です。 .TP 8 .B "keepAlive (\fPclass\fB KeepAlive)" \fIkterm\fP が X サーバとのソケット接続に KEEPALIVE オプションを用いるかどうか指定します。 デフォルトは ``false'' です。 .TP 8 .B "statusLine (\fPclass\fB StatusLine)" ステータスラインをスタート時に表示します。デフォルトは ``false'' です。 .TP 8 .B "statusNormal (\fPclass\fB StatusNormal)" ステータスラインが反転しないことを指定します。デフォルトは ``false'' です。 .TP 8 .B "forwardKeyEvent (\fPclass\fB ForwardKeyEvent)" false だと変換サーバにキーイベントを送りません。この場合、フォーカスが \fIkterm\fP にあるがポインタは他のウインドウ上にある時には変換サーバは イベントを受け取ることができません。その代わり遅いネットワークでは変換 時のレスポンスが改善されることがあります。デフォルトは ``true'' です。 .TP 8 .B "openIm (\fPclass\fB OpenIm)" \fIkterm\fP の起動時に IM をオープン(しようと)するかどうかを指定します。 デフォルトは ``false'' です。 .TP 8 .B "eucJPLocale (\fPclass\fB EucJPLocale)" 入力メソッドのロケールを、カンマで区切ったリストの形式で指定します。デ フォルトは``ja_JP.eucJP,ja_JP.ujis,ja_JP.EUC,japanese.euc, Japanese-EUC,ja,japan'' です。詳しくは USING XIM の節を参照してくださ い。 .TP 8 .B "inputMethod (\fPclass\fB InputMethod)" 入力メソッドモディファイアを指定します。デフォルトでは指定しません。 (これは、環境変数 XMODIFIERS を使用するという意味です) .TP 8 .B "preeditType (\fPclass\fB PreeditType)" XIM プロトコルで用いる入力スタイルを、カンマで区切ったリストの形式で指 定します。現在は ``OverTheSpot'' と ``Root'' がサポートされています。 デフォルトは ``OverTheSpot,Root'' です。 .SH ACTIONS \fIvt100\fP のトランスレーションリソース内で利用できるアクションが以下 のように追加されています: .TP 8 .B "open-im([\fIinput-method\fP])" このアクションは、指定された入力メソッドモディファイアの IM をオープン (しようと)します。もし \fIinput-method\fP が省略されれば、最後に指定さ れたモディファイアがそのまま使用されます。もし \fIinput-method\fP がキー ワード XMODIFIERS ならば、環境変数 XMODIFIERS が使用されます。 .TP 8 .B "close-im()" このアクションは IM をクローズします。 .TP 8 .B "begin-conversion(\fIconversion-atom\fP)" このアクションは、kinput2 プロトコルを用いて、テキスト入力のための変換 を開始します。日本語変換のための \fIconversion-atom\fP は ``_JAPANESE_CONVERSION'' です。 .SH TERMCAP \fIkterm\fP で利用できる \fItermcap\fP(5) エントリには、``kterm'', ``xterm'', ``vt102'', ``vt100'' および ``ansi'' があります。 .SH "USING XIM" \fIkterm\fP は、まず国際環境(ロケール)を、\fIvt100\fP リソース "eucJPLocale" を用いて設定します。環境変数 LANG は無視されます。これは \fIkterm\fP が日本語 EUC を内部入力コードとして用いているためです。も し、お使いのシステムが、デフォルトで用意されているロケール名をサポート していない場合は、app-defaults ファイルに適切に設定してください。その 後 \fIkterm\fP は、ロケールモディファイアを、リソース "inputMethod" ま たは環境変数 XMODIFIERS に従って設定します。 .PP \fIkterm\fP が、"-xim" オプションで起動されたり、vtMenu 内の "Open Input Method" が選択されると、\fIkterm\fP は単に IM サーバの起動を知ら せるためのコールバックを登録することしかしません。この時点で適切なサー バが走っていたり、後から利用可能になると \fIkterm\fP はそのサーバに接 続します。変換の開始は、IM サーバの設定に依存します。 .PP もし、\fIkterm\fP が kinput2 プロトコルのサーバと接続していると、IM は オープンできません。 .PP さらに詳しい情報(テキストの入力/変換/修正方法など)は変換サーバのドキュ メント(\fIkinput2\fP(1))を参照して下さい。 .sp .B 日本語以外の言語 .br 日本語以外の言語を入力するには、\fIvt100\fP リソース "eucJPLocale" を 必要なロケール名に設定し、漢字モードを("-km euc" オプション、 "*vt100.kanjiMode: euc" リソース、あるいは vtMenu の "Japanese EUC Mode" エントリを用いて)日本語 EUC に設定してください。日本語 EUC モー ドでは、IM から入力された文字は、修正されずに pty に渡されるので、この 方法はどのようなロケールに対しても動作するはずです。ただし、この機構は、 将来変更される可能性があります。 .sp .B 注意 .br 接続している IM サーバがあるタイミングで死ぬと \fIkterm\fP がハングし てしまうことがあります。ある \fIkterm\fP 上でそれに接続しているサーバ、 および、\fIkterm\fP と接続を確立しようとしているサーバを殺してはいけま せん。IM サーバを殺すときは、どの \fIkterm\fP もそのサーバに接続してい ないことを必ず確かめてください。 .sp .B お知らせ .br \fIkterm\fP は、X11R5 に基づく XIMP プロトコルを用いたサーバとは通信で きません。 .SH "USING KINPUT2" デフォルトでは、control-Kanji キーを押すと、kinput2 プロトコルを用いた 日本語テキストのための変換が始まります。\fIkinput2\fP(1) などの変換サー バはそれまでに走らせてある必要があり、でなければ `Conversion Server not found' という警告メッセージが現れます。他の言語については、もしサー バが利用可能ならば、トランスレーションテーブルを変更することによって、 変換を開始するためのキーをバインドすることができます。 .PP IM がオープンされ(ようとし)ている場合は、kinput2 プロトコルを用いた変 換は開始できません。 .PP さらに詳しい情報(テキストの入力/変換/修正方法など)は変換サーバのドキュ メント(\fIkinput2\fP(1))を参照して下さい。 .SH "SEE ALSO" xterm(1), resize(1), X(1), kinput2(1), pty(4), tty(4) .br .I ``Xterm Control Sequences'' .SH BUGS \fIkterm\fP は2バイト文字が1バイト文字の二倍の幅を持っているものと仮定 します。不定幅のフォントは \fIxterm\fP 同様扱うことができません。 .PP 本バージョンでは JIS モードで漢字を入力する際、``ESC $ B'' を漢字文字 セットの割当に用います。 .SH AUTHORS 以下を含む多くの人々: .sp 佐野勝也 (株式会社東芝), 入江英夫 (ソニー株式会社), 加藤朗 (東京大学), 有座道春 (株式会社 SRA), 石曽根信 (株式会社 SRA), 籠谷裕人 (岡山大学), 武川進 (日本電信電話株式会社)