'\" t
.\" Title: sources.list
.\" Author: Gunthorpe Jason[FAMILY Given]
.\" Generator: DocBook XSL Stylesheets v1.78.1
.\" Date: 18\ \&1 月\ \&2014
.\" Manual: APT
.\" Source: APT 1.0.9.8.4
.\" Language: Japanese
.\"
.TH "SOURCES\&.LIST" "5" "18\ \&1 月\ \&2014" "APT 1.0.9.8.4" "APT"
.\" -----------------------------------------------------------------
.\" * Define some portability stuff
.\" -----------------------------------------------------------------
.\" ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
.\" http://bugs.debian.org/507673
.\" http://lists.gnu.org/archive/html/groff/2009-02/msg00013.html
.\" ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
.ie \n(.g .ds Aq \(aq
.el .ds Aq '
.\" -----------------------------------------------------------------
.\" * set default formatting
.\" -----------------------------------------------------------------
.\" disable hyphenation
.nh
.\" disable justification (adjust text to left margin only)
.ad l
.\" -----------------------------------------------------------------
.\" * MAIN CONTENT STARTS HERE *
.\" -----------------------------------------------------------------
.SH "名前"
sources.list \- APT のデータ取得元の設定リスト
.SH "説明"
.PP
取得元リスト
/etc/apt/sources\&.list
は、複数の取得元や様々なメディアをサポートするよう設計されています。ファイルには、1 行にひとつ取得元を記述し、最も優先するものを先頭にします。設定した取得元から利用可能な情報は、\fBapt\-get update\fR
(や、他の APT フロントエンドの同等のコマンド) で取得します。
.PP
取得元の各行は、タイプ (例:
deb\-src) で始まり、そのタイプのオプションや引数が続きます。個々のエントリは、次行に続けられません。空行は無視され、#
文字を行のどこにおいても、それ以降はコメントになります。
.SH "SOURCES.LIST.D"
.PP
/etc/apt/sources\&.list\&.d
ディレクトリは、個別ファイルで source\&.list エントリを追加する方法を提供します。フォーマットは、通常の
sources\&.list
ファイルと同じです。ファイル名は、\&.list
で終わる必要があり、文字 (a\-z と A\-Z)、数字 (0\-9)、アンダースコア (_)、ハイフン (\-)、ピリオド (\&.) のみでできていなければなりません。そうでなければ、Dir::Ignore\-Files\-Silently
設定リストのパターンに一致するもの以外に対して、ファイルを無視するという注意を APT が出力します。一致する場合は黙って無視します。
.SH "DEB タイプと DEB-SRC タイプ"
.PP
deb
タイプでは典型的な 2 段階の Debian アーカイブ
distribution/component
を参照します。distribution
は通常
stable
や
testing
または
jessie
や
stretch
のようなコード名になります。component は、main,
contrib,
non\-free
のどれかです。deb\-src
タイプでは、debian ディストリビューションのソースコードを、deb
タイプと同じ形式で参照します。deb\-src
行は、ソースインデックスを取得するのに必要です。
.PP
deb
タイプと
deb\-src
タイプで使用する
sources\&.list
エントリのフォーマットは、以下のようになります。
.sp
.if n \{\
.RS 4
.\}
.nf
deb [ オプション ] uri スイート [コンポーネント1] [コンポーネント2] [\&.\&.\&.]
.fi
.if n \{\
.RE
.\}
.PP
他に rfc822 形式の表記もサポートしています:
.sp
.if n \{\
.RS 4
.\}
.nf
Types: deb deb\-src
URIs: http://example\&.com
Suites: stable testing
Sections: component1 component2
Description: short
long long long
[option1]: [option1\-value]
Types: deb
URIs: http://another\&.example\&.com
Suites: experimental
Sections: component1 component2
Enabled: no
Description: short
long long long
[option1]: [option1\-value]
.fi
.if n \{\
.RE
.\}
.PP
deb
タイプの URI は、APT が必要な情報を見つけられるように、Debian ディストリビューションの基底を指定しなければなりません。スイートには正確なパスを指定できます。その場合コンポーネントを省略し、スイートはスラッシュ (/) で終わらなくてはなりません。これは URL で指定されたアーカイブの、特定のサブセクションのみに関心があるときに役に立ちます。スイートに正確なパスを指定しないのなら、少なくともひとつは
コンポーネント
を指定しなければなりません。
.PP
スイート
は、$(ARCH)
変数を含む場合があります。$(ARCH)
変数は、システムで使用している Debian アーキテクチャ (amd64
や
armel
など) に展開されます。これにより、アーキテクチャに依存しない
sources\&.list
ファイルを使用できます。一般的に、これは正しいパスを指定するときに気にするだけです。そうでない場合は、APT
は現在のアーキテクチャで URI を自動的に生成します。
.PP
古い形式の sources\&.list の記法では有効なディストリビューションやコンポーネントの場所全てから、一部が必要な場合、1 行につき 1 つのディストリビューションしか指定できないため、同じ URI の行を複数記述することになるでしょう。APT は内部で URI リストを生成してから、並べ替えます。そして、同じインターネットホストに対しては複数の参照をまとめます。例えば FTP 接続後、切断してからまた同じホストに再接続するといった、効率の悪いことをせずに、1 接続にまとめます。この機能は、同時接続匿名ユーザ数を制限している、混んでいる FTP サイトにアクセスするのに便利です。APT は、帯域の狭いサイトを効率よく扱うのに、異なるホストへは、接続を並行して行うようにもしています。
.PP
オプション
は、常に省略可能で、角カッコで囲む必要があります。複数の設定を
\fI設定\fR=\fI値\fR
の形式で定義できます。複数の設定は空白で区切ります。以下の設定は APT がサポートしているものです (未サポートのものは黙って無視します)。
.sp
.RS 4
.ie n \{\
\h'-04'\(bu\h'+03'\c
.\}
.el \{\
.sp -1
.IP \(bu 2.3
.\}
arch=\fIarch1\fR,\fIarch2\fR,\&...
により、どのアーキテクチャ情報をダウンロードするか指定します。このオプションを指定していないと、APT::Architectures
オプションに定義してある、全アーキテクチャをダウンロードします。
.RE
.sp
.RS 4
.ie n \{\
\h'-04'\(bu\h'+03'\c
.\}
.el \{\
.sp -1
.IP \(bu 2.3
.\}
arch+=\fIarch1\fR,\fIarch2\fR,\&...
あるいは
arch\-=\fIarch1\fR,\fIarch2\fR,\&...
を使って、ダウンロードするアーキテクチャを追加、削除できます。
.RE
.sp
.RS 4
.ie n \{\
\h'-04'\(bu\h'+03'\c
.\}
.el \{\
.sp -1
.IP \(bu 2.3
.\}
trusted=yes
により、Release
ファイルが未署名だったり、署名がチェックできなかったりしても、この取得元からのパッケージを常に認証すると指定します。これは
\fBapt-secure\fR(8)
の一部を無効にしてしまうため、ローカルで信頼できる場合にのみ、使用するようにしてください。trusted=no
は反対に、正しく認証された取得元であっても、未認証として扱います。
.RE
.PP
最優先する取得元を最初に記述するというように、優先順に取得元を記述するのは重要です。一般的には、スピードの速い順に並べることになる (例えば、CD\-ROM に続いてローカルネットワークのホスト、さらに続いて彼方のインターネットホスト) でしょう。
.PP
例:
.sp
.if n \{\
.RS 4
.\}
.nf
deb http://ftp\&.debian\&.org/debian jessie main contrib non\-free
deb http://security\&.debian\&.org/ jessie/updates main contrib non\-free
.fi
.if n \{\
.RE
.\}
.SH "URI の仕様"
.PP
現在認識できる URI タイプは以下のとおりです。
.PP
\fBfile\fR
.RS 4
file スキームは、システム内の任意のディレクトリを、アーカイブとして扱えるようにします。これは NFS マウントやローカルミラーで便利です。
.RE
.PP
\fBcdrom\fR
.RS 4
cdrom スキームは、APT がローカル CD\-ROM ドライブを、メディア交換しながら使えるようにします。取得元リストに cdrom エントリを追加するには、\fBapt-cdrom\fR(8)
プログラムを使用してください。
.RE
.PP
\fBhttp\fR
.RS 4
http スキームはアーカイブとして、HTTP サーバを指定します。環境変数
\fBhttp_proxy\fR
が、http://server:port/ と言った形で指定されていれば、\fBhttp_proxy\fR
で指定したプロキシサーバを使用します。ユーザ認証が必要な HTTP/1\&.1 プロキシの場合、http://user:pass@server:port/ という形で指定してください。この認証方法は安全ではないことに注意してください。
.RE
.PP
\fBftp\fR
.RS 4
ftp スキームは、アーカイブに FTP サーバを指定します。APT の FTP の振る舞いは、高度に設定できます。詳細は、\fBapt.conf\fR(5)
のマニュアルページをご覧ください。FTP プロキシは、\fBftp_proxy\fR
環境変数で指定することに注意してください。この環境変数、さらにこの\fI環境変数のみ\fRを使用して、HTTP プロキシを使用できます (HTTP プロキシサーバは大抵 FTP URL も理解できます)。設定ファイルで HTTP を利用するプロキシが指定してあっても、無視されます。
.RE
.PP
\fBcopy\fR
.RS 4
copy スキームは、file スキームと同様ですが、パッケージをその場で使用せず、キャッシュディレクトリにコピーするところが違います。リムーバブルメディアを使用していて、APT でコピーを行う場合に便利です。
.RE
.PP
\fBrsh\fR, \fBssh\fR
.RS 4
rsh/ssh メソッドは、与えられたユーザでリモートホストに接続し、ファイルにアクセスするのに rsh/ssh を使用します。あらかじめ rhosts や RSA キーの設定をしておくことをお勧めします。リモートホストからのファイル転送に、標準の
\fBfind\fR
コマンドと
\fBdd\fR
コマンドを使用します。
.RE
.PP
さらに認識できる URI タイプの追加
.RS 4
APT は他の追加パッケージ (apt\-transport\-\fImethod\fR
という命名規則) により、より多くの方法を使えるよう拡張できます。例えば、APT チームは、http メソッドと似た機能で HTTPS URI でのアクセス方法を提供する
apt\-transport\-https
パッケージも保守しています。使用するメソッドには、例えば debtorrent も利用できます。\fBapt-transport-debtorrent\fR(1)
を参照してください。
.RE
.SH "サンプル"
.PP
/home/jason/debian に格納されている stable/main, stable/contrib, stable/non\-free 用のローカル (または NFS) アーカイブを使用します。
.sp
.if n \{\
.RS 4
.\}
.nf
deb file:/home/jason/debian stable main contrib non\-free
.fi
.if n \{\
.RE
.\}
.PP
上記と同様ですが、不安定版 (開発版) を使用します。
.sp
.if n \{\
.RS 4
.\}
.nf
deb file:/home/jason/debian unstable main contrib non\-free
.fi
.if n \{\
.RE
.\}
.PP
上記のソース行は以下のようになります。
.sp
.if n \{\
.RS 4
.\}
.nf
deb\-src file:/home/jason/debian unstable main contrib non\-free
.fi
.if n \{\
.RE
.\}
.PP
1 行目は
APT::Architectures
にあるアーキテクチャのパッケージ情報を取得し、2 行目は常に
amd64
アーキテクチャと
armel
アーキテクチャのパッケージ情報を取得します。
.sp
.if n \{\
.RS 4
.\}
.nf
deb http://ftp\&.debian\&.org/debian jessie main
deb [ arch=amd64,armel ] http://ftp\&.debian\&.org/debian jessie main
.fi
.if n \{\
.RE
.\}
.PP
archive\&.debian\&.org のアーカイブに HTTP アクセスし、hamm/main のみを使用します。
.sp
.if n \{\
.RS 4
.\}
.nf
deb http://archive\&.debian\&.org/debian\-archive hamm main
.fi
.if n \{\
.RE
.\}
.PP
ftp\&.debian\&.org のアーカイブに FTP アクセスし、debian ディレクトリ以下の jessie/contrib のみを使用します。
.sp
.if n \{\
.RS 4
.\}
.nf
deb ftp://ftp\&.debian\&.org/debian jessie contrib
.fi
.if n \{\
.RE
.\}
.PP
ftp\&.debian\&.org のアーカイブに FTP アクセスし、debian ディレクトリ以下の unstable/contrib のみを使用します。sources\&.list
に上記サンプルと一緒に指定された場合、両方のリソース行に対応する FTP セッションはひとつだけになります。
.sp
.if n \{\
.RS 4
.\}
.nf
deb ftp://ftp\&.debian\&.org/debian unstable contrib
.fi
.if n \{\
.RE
.\}
.PP
ftp\&.tlh\&.debian\&.org のアーカイブに HTTP アクセスし、universe ディレクトリ以下を使用します。また、i386 マシンでは
unstable/binary\-i386
以下にあるファイル、amd64 マシンでは
unstable/binary\-amd64
以下にあるファイル、その他サポートするアーキテクチャごとのファイルのみ使用します。[このサンプルは変数展開の使用法の説明でしかないことに注意してください。公式 debian アーカイブはこのような構造になっていません]
.sp
.if n \{\
.RS 4
.\}
.nf
deb http://ftp\&.tlh\&.debian\&.org/universe unstable/binary\-$(ARCH)/
.fi
.if n \{\
.RE
.\}
.sp
.SH "関連項目"
.PP
\fBapt-cache\fR(8)\fBapt.conf\fR(5)
.SH "バグ"
.PP
\m[blue]\fBAPT バグページ\fR\m[]\&\s-2\u[1]\d\s+2
をご覧ください。 APT のバグを報告する場合は、
/usr/share/doc/debian/bug\-reporting\&.txt
や
\fBreportbug\fR(1)
コマンドをご覧ください。
.SH "翻訳"
.PP
倉澤 望
(2003\-2006,2009\-2012), Debian JP Documentation ML
.PP
この翻訳文書には未訳部分が含まれていることに注意してください。 翻訳がオリジナルに追従できていない場合、 内容を失わないようにこのようにしています。
.SH "著者"
.PP
\fBGunthorpe Jason[FAMILY Given]\fR
.RS 4
.RE
.PP
\fB[FAMILY Given]\fR
.RS 4
.RE
.SH "注記"
.IP " 1." 4
APT バグページ
.RS 4
\%http://bugs.debian.org/src:apt
.RE