'\" t
.\" Title: apt-secure
.\" Author: Gunthorpe Jason[FAMILY Given]
.\" Generator: DocBook XSL Stylesheets v1.78.1
.\" Date: 09\ \&6 月\ \&2012
.\" Manual: APT
.\" Source: APT 1.0.9.8.4
.\" Language: Japanese
.\"
.TH "APT\-SECURE" "8" "09\ \&6 月\ \&2012" "APT 1.0.9.8.4" "APT"
.\" -----------------------------------------------------------------
.\" * Define some portability stuff
.\" -----------------------------------------------------------------
.\" ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
.\" http://bugs.debian.org/507673
.\" http://lists.gnu.org/archive/html/groff/2009-02/msg00013.html
.\" ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
.ie \n(.g .ds Aq \(aq
.el .ds Aq '
.\" -----------------------------------------------------------------
.\" * set default formatting
.\" -----------------------------------------------------------------
.\" disable hyphenation
.nh
.\" disable justification (adjust text to left margin only)
.ad l
.\" -----------------------------------------------------------------
.\" * MAIN CONTENT STARTS HERE *
.\" -----------------------------------------------------------------
.SH "名前"
apt-secure \- APT アーカイブ認証サポート
.SH "説明"
.PP
バージョン 0\&.6 より、\fBapt\fR
全アーカイブに対する Release ファイルの署名チェックコードが含まれています。これにより、アーカイブのパッケージが、Release ファイル署名キーにアクセスできない人によって変更されていないことを保証します。
.PP
アーカイブ由来のパッケージが、署名されなかったり、apt が持っていないキーで署名されていた場合、信頼されていないと見なし、インストールの際に重要な警告を表示します。\fBapt\-get\fR
は、現在未署名のパッケージに対して警告するだけですが、将来のリリースでは、アーカイブからパッケージをダウンロードする前に、すべてのソースに対して、強制的に検証される可能性があります。
.PP
\fBapt-get\fR(8),
\fBaptitude\fR(8),
\fBsynaptic\fR(8)
といったパッケージフロントエンドは、この新認証機能をサポートしています。
.SH "信頼済アーカイブ"
.PP
apt アーカイブからエンドユーザまでの信頼の輪は、いくつかのステップで構成されています。\fBapt\-secure\fR
は、この輪の最後のステップで、「アーカイブを信頼する」ということは、パッケージに悪意のあるコードが含まれていないことを信頼するということではなく、アーカイブメンテナを信頼するということを意味します。これは、アーカイブの完全性が保たれていることを保証するのは、アーカイブメンテナの責任だということです。
.PP
apt\-secure はパッケージレベルの署名検証は行いません。そのようなツールが必要な場合は、\fBdebsig\-verify\fR
や
\fBdebsign\fR
(debsig\-verify パッケージと devscripts パッケージでそれぞれ提供されています) を確認してください。
.PP
Debian における信頼の輪は、新しいパッケージやパッケージの新バージョンを、メンテナが Debian アーカイブにアップロードすることから始まります。これが有効になるには、アップロードの際に、Debian メンテナキーリング (debian\-keyring パッケージに収録) にあるメンテナのキーで署名する必要があります。メンテナのキーは、キーの所有者の ID を確保するため、事前に確立した手続きの後で、他のメンテナに署名されています。
.PP
アップロードされたパッケージが検証されてアーカイブに格納されると、メンテナの署名を取り外し、パッケージのチェックサムを計算して、Packages ファイルに格納します。その後、全 Packages ファイルのチェックサムを計算して、Release ファイルに格納します。Release ファイルは、その Debian リリースのアーカイブキーで署名され、Debian ミラーサイトでパッケージや Packages ファイルとともに配布されます。このキーは、debian\-archive\-keyring
パッケージに収録されている、Debian アーカイブキーリングに含まれます。
.PP
エンドユーザは誰でも、Release ファイルの署名をチェックし、パッケージのチェックサムを抽出して、手でダウンロードしたパッケージのチェックサムと比較できます。また、APT が自動的に行うのに任せることもできます。
.PP
以上は、パッケージごとの署名チェックとは違うことに注意してください。以下のように考えられる 2 種類の攻撃を防ぐよう設計されています。
.sp
.RS 4
.ie n \{\
\h'-04'\(bu\h'+03'\c
.\}
.el \{\
.sp -1
.IP \(bu 2.3
.\}
ネットワーク中間者攻撃。署名をチェックしないと、悪意あるエージェントがパッケージダウンロードプロセスに割り込んだり、ネットワーク構成要素 (ルータ、スイッチなど) の制御や、悪漢サーバへのネットワークトラフィックのリダイレクトなど (ARP スプーフィング攻撃や DNS スプーフィング攻撃) で、悪意あるソフトウェアを掴まされたりします。
.RE
.sp
.RS 4
.ie n \{\
\h'-04'\(bu\h'+03'\c
.\}
.el \{\
.sp -1
.IP \(bu 2.3
.\}
ミラーネットワーク感染。署名をチェックしないと、悪意あるエージェントがミラーホストに感染し、このホストからダウンロードしたユーザすべてに、悪意あるソフトウェアが伝播するようにファイルを変更できます。
.RE
.PP
しかしこれは、(パッケージに署名する) Debian マスターサーバ自体の侵害や、Release ファイルに署名するのに使用したキーの漏洩を防げません。いずれにせよ、この機構はパッケージごとの署名を補完することができます。
.SH "ユーザの設定"
.PP
\fBapt\-key\fR
は、apt が使用するキーリストを管理するプログラムです。このリリースのインストールでは、Debian パッケージリポジトリで使用する、デフォルトの Debian アーカイブ署名キーが自動的に含まれますが、\fBapt\-key\fR
でキーの追加・削除が行えます。
.PP
新しいキーを追加するためには、まずキーをダウンロードする必要があります (取得する際には、信頼できる通信チャネルを使用するよう、特に留意してください)。取得したキーを、\fBapt\-key\fR
で追加し、\fBapt\-get update\fR
を実行してください。以上により、apt は設定済みのアーカイブから、InRelease
ファイルや
Release\&.gpg
ファイルをダウンロード・検証できるようになります。
.SH "アーカイブの設定"
.PP
あなたがメンテナンスしているアーカイブで、アーカイブ署名を提供したい場合、以下のようにしてください。
.sp
.RS 4
.ie n \{\
\h'-04'\(bu\h'+03'\c
.\}
.el \{\
.sp -1
.IP \(bu 2.3
.\}
既に存在しているのでなければ、\fI最上位 Release ファイルを作成してください\fR。\fBapt\-ftparchive release\fR
(apt\-utils で提供) を実行すると、作成できます。
.RE
.sp
.RS 4
.ie n \{\
\h'-04'\(bu\h'+03'\c
.\}
.el \{\
.sp -1
.IP \(bu 2.3
.\}
\fI署名\fRします。\fBgpg \-\-clearsign \-o InRelease Release\fR
や
\fBgpg \-abs \-o Release\&.gpg Release\fR
を実行して、署名してください。
.RE
.sp
.RS 4
.ie n \{\
\h'-04'\(bu\h'+03'\c
.\}
.el \{\
.sp -1
.IP \(bu 2.3
.\}
\fIキーの指紋を配布\fRします。これにより、アーカイブ内のファイル認証に、どのキーをインポートする必要があるかを、ユーザに知らせることになります。
.RE
.PP
アーカイブの内容に変化がある場合 (新しいパッケージの追加や削除)、アーカイブメンテナは前述の最初の 2 ステップに従わなければなりません。
.SH "関連項目"
.PP
\fBapt.conf\fR(5),
\fBapt-get\fR(8),
\fBsources.list\fR(5),
\fBapt-key\fR(8),
\fBapt-ftparchive\fR(1),
\fBdebsign\fR(1),
\fBdebsig-verify\fR(1),
\fBgpg\fR(1)
.PP
詳細な背景情報を検証するのなら、Securing Debian Manual (harden\-doc パッケージにも収録) の
\m[blue]\fBDebian Security Infrastructure\fR\m[]\&\s-2\u[1]\d\s+2
章や、V\&. Alex Brennen による
\m[blue]\fBStrong Distribution HOWTO\fR\m[]\&\s-2\u[2]\d\s+2
をご覧ください。
.SH "バグ"
.PP
\m[blue]\fBAPT バグページ\fR\m[]\&\s-2\u[3]\d\s+2
をご覧ください。 APT のバグを報告する場合は、
/usr/share/doc/debian/bug\-reporting\&.txt
や
\fBreportbug\fR(1)
コマンドをご覧ください。
.SH "著者"
.PP
APT は APT チーム
によって書かれました。
.SH "マニュアルページ作者"
.PP
このマニュアルページは Javier Fern\('andez\-Sanguino Pe\(~na, Isaac Jones, Colin Walters, Florian Weimer, Michael Vogt の作業を元にしています。
.SH "翻訳"
.PP
倉澤 望
(2003\-2006,2009\-2012), Debian JP Documentation ML
.PP
この翻訳文書には未訳部分が含まれていることに注意してください。 翻訳がオリジナルに追従できていない場合、 内容を失わないようにこのようにしています。
.SH "著者"
.PP
\fBGunthorpe Jason[FAMILY Given]\fR
.RS 4
.RE
.PP
\fB[FAMILY Given]\fR
.RS 4
.RE
.SH "注記"
.IP " 1." 4
Debian Security Infrastructure
.RS 4
\%http://www.debian.org/doc/manuals/securing-debian-howto/ch7
.RE
.IP " 2." 4
Strong Distribution HOWTO
.RS 4
\%http://www.cryptnet.net/fdp/crypto/strong_distro.html
.RE
.IP " 3." 4
APT バグページ
.RS 4
\%http://bugs.debian.org/src:apt
.RE