.\" %%%LICENSE_START(PUBLIC_DOMAIN) .\" This file is in the public domain, so clarified as of .\" 1996-06-05 by Arthur David Olson . .\" %%%LICENSE_END .\" .\" @(#)tzfile.5 7.11 .\" .\"******************************************************************* .\" .\" This file was generated with po4a. Translate the source file. .\" .\"******************************************************************* .\" .\" Japanese Version Copyright (c) 1999 NAKANO Takeo all rights reserved. .\" Translated Tue Sep 14 1999 by NAKANO Takeo .\" Updated 2012-04-30, Akihiro MOTOKI .\" Updated 2012-05-29, Akihiro MOTOKI .\" Updated 2013-03-26, Akihiro MOTOKI .\" .TH TZFILE 5 2012\-05\-04 "" "Linux Programmer's Manual" .SH 名前 tzfile \- タイムゾーンの情報 .SH 説明 このページは、 \fBtzset\fP(3) で使用されるタイムゾーンファイルの構造に ついて説明したものである。通常、これらのファイルは ディレクトリ \fI/usr/lib/zoneinfo\fP か \fI/usr/share/zoneinfo\fP の どちらかに置かれている。 タイムゾーン情報ファイルは、タイムゾーン情報ファイルであることを識別 するための magic 文字列 "TZif" で始まり、 ファイルフォーマットのバージョンを示す文字 (2005 年時点では ASCII NUL (\(aq\e0\(aq) か \(aq2\(aq のいずれか)、 将来のための 15 バイトの予約領域 (値は 0) が続き、 \fIlong\fP 型の 4 バイトの値が 6 個続く。 この値は「標準」バイトオーダー (高位バイトが先に書かれる) で記述される。 これらの値は、順に以下のようなものである。 .TP \fItzh_ttisgmtcnt\fP ファイルに記述されている UTC/local インジケータ (indicator) の個数。 .TP \fItzh_ttisstdcnt\fP ファイルに記述されている standard/wall インジケータの個数。 .TP \fItzh_leapcnt\fP ファイルに記述されている閏秒データの個数。 .TP \fItzh_timecnt\fP ファイルに記述されている「遷移時間 (transition time)」データの個数。 .TP \fItzh_typecnt\fP ファイルに記述されている「ローカル時間種別 (local time types)」データの個数 (0 であってはいけない)。 .TP \fItzh_charcnt\fP ファイルに記述されている「タイムゾーン略式文字列 (timezone abbreviation string)」の個数。 .PP 上記のヘッダーに続いて、4 バイトの \fIlong\fP 型の値が \fItzh_timecnt\fP 個続く。 これらは昇順で格納される。それぞれの値は「標準」バイトオーダーで記述されている。 それぞれは遷移時間 (\fBtime\fP(2) が返す値) として用いられ、 遷移時間に応じてローカル時間の計算ルールが変化する。 次に、\fIunsigned char\fP 型の 1 バイトの値が \fItzh_timecnt\fP 個続く。 この値は、それぞれの遷移時間に、ファイル中に記載されている「ローカル時間」種別 のどれが関連づけられているかを示す。 これらの値は、(ファイル中でこの情報のすぐ後ろに置かれている) \fIttinifo\fP 構造体 の配列 (要素数は \fItzh_typecnt\fP) に対するインデックスとして機能する。 この構造体は以下のように定義されている: .in +4n .sp .nf struct ttinfo { long tt_gmtoff; int tt_isdst; unsigned int tt_abbrind; }; .in .fi .sp それぞれの構造体は、 4 バイトの \fIlong\fP 型の値 \fItt_gmtoff\fP、 1 バイトの値 \fItt_isdst\fP, 1 バイトの値 \fItt_abbrind\fP から構成される。 それぞれの構造体において、 \fItt_gmtoff\fP は UTC に加えるべき秒数を与え、 \fItt_isdst\fP は \fItm_isdst\fP を \fBlocaltime\fP(3) にセットすべきかどうかを示し、 \fItt_abbrind\fP はファイル中で \fIttinfo\fP 構造体 (配列) のあとに置かれる タイムゾーン略式文字列の配列に対するインデックスである。 .PP 次には 4 バイト値のペアが \fItzh_leapcnt\fP 個続く。 標準バイトオーダーで記述される。 各ペアの最初の値は ( \fItime\fP(2) の返す形式で) 閏秒が起きる時刻を指定し、 二番目の値はその時刻に加えるべき閏秒数の\fI全\fP秒数を指定する。 これらのペアは時刻の古い順に記述する。 .PP 次には standard/wall インジケータが \fItzh_ttisstdcnt\fP 個置かれる。 standard/wall インジケータはそれぞれ 1 バイトの値として格納される。 これらは、ローカル時間種別に関連付けられた遷移時間が、標準時刻 (standard time) と壁時計時刻 (wall clock time) のどちらで指定されているかを示す。 また、この値は、 POSIX 形式のタイムゾーン環境変数の処理において タイムゾーンファイルが使われる際にも利用される。 .PP 最後に UTC/local インジケータが \fItzh_ttisgmtcnt\fP 個置かれる。 UTC/local インジケータはそれぞれ 1 バイトの値として格納される。 これらは、ローカル時間種別に関連付けられた遷移時間が UTC とローカル時刻の どちらで指定されているかを示す。 また、この値は、 POSIX 形式のタイムゾーン環境変数の処理において タイムゾーンファイルが使われる際にも利用される。 .PP \fBlocaltime\fP(3) は、 \fItzh_timeout\fP が 0 であるか time 引数がファイルに記録され ていた最初の遷移時刻 よりも小さい場合には、 ファイルに最初に現れる標準時刻の \fIttinfo\fP 構造体を使う (または標準時刻の構造体がない場合は、単に最初の \fIttinfo\fP 構造体を使う)。 .PP バージョン 2 形式のタイムゾーンファイルでは、上記のヘッダーとデータの後に、 第 2 のヘッダーとデータが続く。形式は上記のヘッダーとデータと同じで、 遷移時間や閏秒の時刻に 8 バイトが使用される点だけが異なる。 第 2 のヘッダーとデータの後ろには改行で囲まれた POSIX の TZ 環境変数形式 の文字列が置かれ、この文字列はファイル内の最後の遷移時間の後で時刻を 処理する際に使用される (このような POSIX 表現が置かれない場合、改行の間には何も置かれない)。 .SH 関連項目 \fBctime\fP(3), \fBtzset\fP(3), \fBtzselect\fP(8), glibc ソースコードの \fItimezone/tzfile.h\fP .SH この文書について この man ページは Linux \fIman\-pages\fP プロジェクトのリリース 3.79 の一部 である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は http://www.kernel.org/doc/man\-pages/ に書かれている。