.\" Copyright (c) 1996, 1997, 1999, 2001 Thorsten Kukuk .\"******************************************************************* .\" .\" This file was generated with po4a. Translate the source file. .\" .\"******************************************************************* .\" .\" Japanese Version Copyright (c) 1998, 1999 NAKANO Takeo all rights reserved. .\" Translated Mon 23 Nov 1998 by NAKANO Takeo .\" Updated Fri 22 Oct 1999 by NAKANO Takeo .\" .TH YPSERV 8 "August 2001" "YP Server" "" .SH 名前 ypxfr \- NIS データーベースをリモートサーバーからローカルホストに転送する .SH 書式 \fB/usr/lib/yp/ypxfr\fP [ \fB\-f\fP ] [ \fB\-c\fP ] [ \fB\-d\fP \fItarget domain\fP ] .if n .ti +5n [ \fB\-h\fP \fIsource host\fP ] [ \fB\-s\fP \fIsource domain\fP ] .if n .ti +5n [ \fB\-C\fP \fItaskid\fP \fIprogram\-number\fP \fIipaddr port\fP ] .if n .ti +5n [ \fB\-p\fP \fIyp_path\fP ] mapname ... .SH 説明 \fBypxfr\fP は NIS データーベースを NIS サーバーからローカルホストに NIS サービスを用いてコピーする。 \fBypxfr\fP は通常 \fBypinit\fP から起動されるか、 \fByppush\fP からマップ転送要求を受け取った \fBypserv\fP によって起動される。 \fBypxfr\fP は一時的なマップを \fB/var/yp/domain\fP ディレクトリに生成し (このディレクトリは存在していなければならない。 \fIdomain\fP はローカルホストのデフォルトドメイン名である)、 そのマップのエントリを取得して内容を書き込み、マップのパラメータ (マスターとオーダー番号) を取得する。 転送が成功したら、古いバージョンのマップは削除され、 この一時的なマップの内容がそこに書き込まれる。 次に \fBypxfr\fP は "clear current map" 要求をローカルの \fBypserv\fP に送ろうと試みる。 インタラクティブな形式で実行されると、 \fBypxfr\fP は出力を標準エラー出力に書き出す。しかし制御端末なしで 起動された場合には、出力は syslog に記録される。 \fBypxfr\fP が用いられるのは、複数の NIS サーバーが用いられているような 環境においてである。あらゆるマップに対して、そのマップの原本を 保持している NIS マスターサーバーが一つだけ存在する。他のサーバは すべて NIS スレーブサーバーとなり、マスターサーバーでマップが 更新されるたびに、新しい版のマップをコピーする。 通常は一台の NIS サーバーにすべてのマップの管理を集中させる。 これらすべての NIS サーバーの間でマップの内容を一致させておくためには、 \fBypxfr\fP を \fBcron\fP ジョブとして定期的に動作させると良い。あまり変更されないマップは 一日に一回更新すればよいだろうし (システムの使用率が最低となるような 夜遅くが好まれる)、頻繁に変更されるマップ ( \fIpasswd.byname\fP や \fIpasswd.byuid\fP など) は一時間に一回くらい更新する必要があるかもしれない。 これらの例は \fB/usr/lib/yp\fP の \fBypxfr_1perday\fP, \fBypxfr_2perday\fP, \fBypxfr_1perhour\fP などに示してある。とりあえず動かしてみるには、 これらを用いてみると良いだろう。 NIS マスターサーバーで \fB/var/yp/Makefile\fP が実行されたら、 通常はその更新内容を \fByppush\fP を用いて伝播させるべきである。 しかし大きなネットワークの場合には、通信障害などによって NIS スレーブの同期がマスターとずれることもあるだろうから、 このように \fBypxfr\fP を使うのは良いことである。 .SH オプション 以下のオプションがサポートされている。 .TP \fB\-f\fP マップの転送を強制する。通常の動作では、 NIS マスターにあるマップがローカルホストにすでに存在するコピーよりも 新しくないと判断されると、 \fBypxfr\fP はマップの転送を行わない。このフラグを指定すると、 どのサーバーの版が最新であるかを問わず、強制的に転送が行われる。 .TP \fB\-c\fP ローカルで動作している \fBypserv\fP プロセスに "clear current map" 要求を送らない。 \fBypxfr\fP が \fBypinit\fP から起動された場合や、 \fBypxfr\fP の起動時に \fBypserv\fP が動作していない場合などには通常このフラグを指定する。さもないと \fBypxfr\fP はローカルの \fBypserv\fP と通信できない旨のエラーを出し、転送は失敗する。 .TP \fB\-d\fP\fI domain\fP デフォルトの NIS ドメインの代わりに用いるドメインを指定する。 .TP \fB\-h\fP\fI source host\fP マップに書かれているマスターの情報を無視して、マップを \fIhost\fP から取得する。 \fIhost\fP が指定されない場合には、 \fBypxfr\fP は .SM NIS サービスにマスターの名前を問い合わせて、そこからマップを取得しようとする。 このオプションは \fBypxfr\fP がマップの取得先とする NIS マスターサーバーを保証するために用いられる。 .TP \fB\-s\fP\fI source domain\fP マップの取得先とするソースドメインを指定する。 そのマップをドメインを通して同じものとしたい場合に有効。 .TP \fB\-C\fP\fI taskid progam\-number ipaddr port\fP このオプションは \fBypserv\fP によって\fBのみ\fP用いられる。 \fBypserv\fP が \fBypxfr\fP を起動するときに、 \fBypxfr\fP が \fByppush\fP プロセスをコールバックする先 ( .SM IP アドレス \fIipaddr\fP のホストの、予約済みプログラム番号 \fIprogam\-number\fP、 ポート番号 \fIport\fP が、トランザクション \fItaskid\fP へのレスポンスを待っている) を指定する。 .TP \fB\-p\fP\fI yp_path\fP マップのディレクトリを \fIyp_path/[domainname]\fP に変更する。デフォルトは \fI/var/yp/[domainname]\fP である。 .TP \fImapname\fP 転送するマップの名前を指定する (複数指定可)。 .SH ファイル /var/yp/[domainname]/[maps] .SH 関連項目 \fBypserv\fP(8), \fByppush\fP(8), \fBypinit\fP(8), \fBcron\fP(8), \fBcrontab\fP(5) .SH 作者 Thorsten Kukuk